Googleアナリティクス GA4導入をいち早く検討しよう【前編】
Googleでは2023年7月に現在運営しているUA(ユニバーサルアナリティックス)のサービスを終了すると発表しました。そのためGA4を早めに導入する必要があります。
GA4はUAとは目的が全く異なるため、利用方法もUAとは大幅に変わります。
Googleアナリティクスとは?
Googleアナリティクスとは、Googleが運営している分析ツールであり、WEBサイトへの訪問ユーザーの数や属性、よく見られているページ、クリックや購入などコンバージョンの数や率を調べることができます。
この数値から分かるのは「WEBサイトにどんな人が訪れているか」「どんなコンテンツが読まれているのか」といった情報です。これらのデータを活用すれば、マーケティングに役立てることができます。
Googleアナリティクスを利用するタイミング
WEBサイトで商品を販売しているECサイトは定期的に分析をすることにより、ユーザーのニーズにあわせてWEBページを改善していく必要があります。売れていないページは修正をして、よく見られているのに商品クリックページをクリックされていない場合はクリックするべき場所の見直しをするなど、ユーザビリティの高いWEBサイトにすることが重要です。
そのほかにも、コーポレートサイトやブランディングページなどリニューアルのタイミングで解析をするなど、さまざまなケースでWEB解析は重要になります。
GA4の概要
GA4(Googleアナリティクス 4プロパティ)は2020年10月に正式にリリースされました。しかし、その前にリリースされたUAの方が使い勝手がよく、GA4は機能が十分ではなかったためUAを使うか、併用しているユーザーが多い傾向にありました。
GA4の機能がだんだんと増え、Googleは2022年3月16日にUAのサポート終了を発表しました。
旧バージョンとGA4の違いは
GA4(Googleアナリティクス4)の旧バージョンであるUA(ユニバーサルアナリティクス)とGA4では、次のようにさまざまな点で異なります。
UA | GA4 | |
計測範囲 | WEBサイトのみ | WEBサイトとスマートフォンのアプリ、タブレットなど |
分析方法 | セッションごと | ユーザーごと |
目的 | 検索連動型広告の最適化 | ブランディング広告を最適化 |
機械学習機能 | なし | あり |
レポートの項目 |
|
|
GA4では集客、エンゲージメント(行動とコンバージョン)、収益化、維持率といった項目が増えています。このようにトップ画面だけを比較してもUAとGA4では大幅に違います。
これは単に項目が違うだけではなく、UAとGA4は全く違うツールだということです。大きくわけるとUAは検索広告に特化した検索連動型広告の最適化がメインで、GA4はディスプレイ広告に特化したブランディング広告の最適化がメインです。
近年検索以外にYouTube広告やSNSで口コミを探すなど、ユーザーが商品を購入するまでの経路は多義に渡ります。UAでは1人のユーザーが3つのデバイスで検索すると3つのセッションとカウントしていました。そのため広告がコンバージョンにつながっているのか、わかりづらかったのです。
しかし、GA4ではユーザーごとのカウントになるので、1人のユーザーがさまざまな方法で検索をしても1つのセッションとして計算するので、コンバージョン率がより正確になりました。また、GA4ではLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)が高いユーザーを分析できるのですが、UAでは購入に至ったキーワードの分析など顕在層を顧客にするような分析をしていました。
このように目的が全く異なるツールであることから、トップ画面など使い勝手が大幅に違います。
GA4の導入方法
GA4の導入方法ですが、次の手順となります。
1. Googleアカウントを取得(すでに持っている場合は不要)
2. Googleアナリティクスに登録
3. トラッキングIDを貼り付け
Googleアカウントを取得(すでに持っている場合は不要)
Googleアカウントを取得するためには、以下のフォームに氏名やGmailアドレス、パスワードなどの情報を入力していきます。
Googleアナリティクスに登録
次に以下のページからGoogleアナリティクスに登録をしていきます。
1. アカウント名の設定
2. 必要情報の入力
3. データストリームの設定(Web、Androidアプリ、iOSアプリから選択)
トラッキングIDを貼り付け
Googleアナリティクスの登録が終了したら、最後にトラッキングIDが表示されます。このトラッキングIDを分析したいWebページに貼り付けたら完了です。
GA4導入において知っておくべきポイント
GA4導入において次の点を知っておくべきです。
● これまでのGoogle アナリティックスのデータ引きつきができない
● 学習が必要
これまでのGoogle アナリティックスのデータ引きつきができない
UAや他のGoogleアナリティクスを利用している場合でも、データを引き継ぐことができないのでご注意ください。UAは2023年7月に使えなくなってしまうため、データは全て消えることになります。
今のうちにGA4で分析を始めることをおすすめします。
学習が必要
GA4とUAは長らく併用が可能(2023年7月までは可能)だったのですが、GA4ではできないことが多くありました。例えば、長らくGA4ではできなかったサーチコンソールとの連携が、2021年12月にできるようになりました。
このようにGA4では新しい機能が今後も増えていくことが予想されます。そのため、常に学習をする姿勢が必要になります。しかし、サーチコンソールとの連携もそうですが慣れたら便利な機能が多いので、学習が無駄になることはありません。
GA4の基本的な使い方
GA4はこれまでになかったようなさまざまな機能があり、今後も新しい機能が増えていくことが予想されます。そこで初めて利用される方のために、基本的な使い方をご紹介していきます。
レポート分析をする
Googleアナリティクスの主な目的は、Webサイトにどのようなユーザーが訪問してくれているかを分析することです。
G4では次のような項目で、ユーザー情報の確認をとれます。
● ユーザー数
● リアルタイムレポート
Webサイトでのユーザーの行動確認
● ユーザーが利用している国、言語、性別
● ユーザーがどこから訪問しているか
自然検索(GoogleやYahoo!などで検索)、ディスプレイ広告、SNSからの流入など
さらに次のように、ユーザーごとのエンゲージメントやコンバージョン率の確認ができます。エンゲージメントとはユーザーのWebサイト上でのアクション全体、コンバージョンとはWebサイトの最大目的(商品購入や会員獲得など)のことをいいます。
● イベントレポート
ユーザーがどのページをクリックしたなどの操作を確認
● コンバージョンレポート
コンバージョンにつながっている割合などを確認
● ページと画面のレポート
エンゲージメントが多いユーザーの動きを確認
● eコマース
商品やトランザクションの情報、収益単価、ユーザーごとの平均購入収益など
広告運用
● Google広告やディスプレイ広告のパフォーマンス分析
● アトリビューション
アトリビューションとは直接ではない、コンバージョンにつながった経緯のことをいいます。
例えば商品購入ページに移動したきっかけが、ステップメールだったなど。
データ探索ツール
さまざまなセグメント(ユーザーの条件、年齢や性別など)を組み合わせて複数の条件を満たしているユーザーセグメントを見出すことができます。
他にも商品ページに至った経緯データの検索や、ユーザーの行動とパフォーマンスの違いを分析するコホートデータ探索など、さまざまな探索が可能です。
データの管理
このほかにもCollection APIやAdmin APIなどの連携ツールを使うことにより、データの整理や管理が可能です。
まとめ
UA(GA4の1つ前のGoogleアナリティックス)とGA4では、目的が大幅に違います。そのためツールの使い方が全く違います。GA4に慣れるためにも、早めに導入することをおすすめします。
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