【社内報担当者のキホン】読まれる見出しのつけ方
記事が読まれるかどうかは「見出し」によって決まると言っても過言ではないほど重要なものですが、「読まれる見出し」を作ろうとすると、どうしても難しく感じてしまう方も多いと思います。そこで、今回は読まれるための見出しの考え方やポイントについてお伝えしていきます。
見出しの種類とその役割
まずは、見出しの種類とその機能・役割ですが、主な見出しには、大見出し、中見出し、小見出しがあります。
大見出しは、その記事に何が書かれているかの全体を指し示すものです。
中見出しは、文章量が多い記事につける見出しで、本で言うと章タイトルのような機能や役割を持っています。文章量が多くても、読者の目を惹きつけながら、記事の内容を伝わりやすくする効果があります。
小見出しは、本文の展開に合わせて、文章を区切る際につける見出しのことです。内容を端的に表現したり、文章を飽きずに読み進めてもらうための心地良いリズムを生み出す機能や効果があります。
このようにそれぞれに機能や効果はありますが、どの見出しも読者に「読んでみたい」と思わせるきっかけになるものであることは共通しています。
見出しづくりこそ企画づくり
見出しはズバリ、記事の企画を立てるときに考えることを強くおすすめします。むしろ、大見出しを考えることこそが企画といっても良いくらい、見出しは企画のねらいや趣旨、内容、記事の展開や掲載要素、読後感を決定づけます。あるいは企画を立てる際に見出しを発想しておくことで、企画の内容を誰もが理解しイメージできるとともに、それが共通コンセプトとなって、記事のすべてを決定するパワーとなります。
このとき、文章量が多くなる記事の場合は、企画の段階で大見出しと中見出しまで考えておくことで、企画の趣旨や読後感が明確になると同時に、後々の工程においてもブレが少なくなります。ぜひ企画を立てる際には見出しを考える癖をつけてください。
見出しづくりの3つの考え方
社内報の大見出しを決めるにあたっては、記事の内容と社員の皆さまの興味・関心や問題意識とを、いかに結びつけるかを考えることがポイントとなります。
例えばESG経営やSDGsを取り上げる企画を例に考えてみましょう。
「ESG経営の推進にあたって」や「SDGsの実践について」だと、社員がSDGsやESGに強い関心や問題意識を持っていない場合、その記事は自分向けの記事ではないと判断されたり、重要そうだけど難しそうといった小さな抵抗感が生まれ、読み飛ばされる可能性があります。
こういった新しい概念や、社員の知識や感覚との距離感があるテーマを取り扱う場合の見出しのつけ方は3つあります。
1)社員一人ひとりに関係していることを表現する
「ESG経営の推進にあたって」
→ 「ESG経営に見る仕事の意味とこれからの働き方」
一人ひとりに直接関係していることを示唆することで、読者である社員は自分に対しての記事だと認識することができます。
2)映像が浮かんできそうな表現
「SDGsの実践について」
→ 「SDGsへの取り組みが描く私たちの未来予想図」
パッと見て映像やイメージを喚起させるような表現は、読者の興味をひきつけます。
3)よく知られていることを織り交ぜる
「SDGsの実践について」
→ 「動き出す『不都合な真実』への挑戦 ―SDGsの実践に向けて―」
読者の多くが知っていそうなことを引き合いにした大見出しにしにすることで、身近に感じたり興味を持ってもらうことができます。ですが、このままだと具体的な内容がわからないので、例えば大見出しの下に「SDGsの実践に向けて」と補足します。
このように読み手にどのように思ってもらいたいかを考えた見出しにすると、記事の内容と社員の感性や感情との距離感が縮まり、読まれる可能性が高まります。
そして、最後に、見出しを考えたら必ず音読してみてください。口に出してみて違和感がなかったり心地良かったりする見出しは、きっと読者である社員の皆さまにも違和感なく受け取られるはずです。
まとめ
見出しは、記事が読まれるか読まれないかが決定的となる分岐点であり、同時に企画を端的に表現する説得力の源でもあり、制作関係者とのコミュニケーションの根幹ともなる、社内報制作にとって最も重要なポイントです。社内報担当者としての必須のスキルとなりますので、もし他社の社内報を見る機会があればテーマやデザインだけではなく、ぜひ見出しにも注目してください。普段の生活でも、お気に入りの雑誌やフリーペーパーの見出しに注目したり、書店でいつもは行かないような雑誌のコーナーで気になる見出しがないか見渡してみたり、参考にできそうな表現方法を探してみてください。
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