脱炭素社会とは?国内事例と社内で取り組めることとは?
2015年にパリ協定が採択されたことによって、世界各国で「脱炭素社会」の実現に向けて取り組みを始めています。とはいえ、「脱炭素社会ってなに?」「私たちに脱炭素社会って関係あるの?」などの疑問を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。そこで本記事では、脱炭素社会の概要やメリット、2022年のキーワードである脱炭素加速、国内事例や社内で取り組めることなどについて解説していきます。
脱炭素社会(カーボンニュートラル)とは?
脱炭素社会とは、二酸化炭素(CO2)をはじめとする「温室効果ガス排出実質ゼロ」を目指す社会のことです。
温室効果ガスには二酸化炭素以外に、一酸化二窒素、メタン、フロン類がありますが、地球温暖化に影響が大きい二酸化炭素の削減が、一番の課題となっています。
また温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるという考え方は、「カーボンニュートラル」とも呼ばれます。
数年前までは排出量を抑える「低炭素社会」が主流の温暖化対策でしたが、現在では排出量実質ゼロを目指す「脱炭素社会」が主流となっています。
2022年のキーワードのひとつ「脱炭素加速」とは?
2022年のキーワードである「脱炭素加速」とは、脱炭素機運の高まりのことです。昨今ではAppleやGoogleなどの世界的な大企業が、脱炭素化に向けた動きを加速させています。2022年以降は、持続可能な開発目標(SDGs)の一環として、脱炭素への動きが際立っていくでしょう。
脱炭素社会が注目される背景と今後
世界中で脱炭素社会が注目される背景として、気候変動や地球温暖化問題が挙げられます。
産業革命以降、温室効果ガスの排出量は増加し、その結果として地球の平均温度は上昇し続けています。また真夏日の増加や大雨による洪水などの気候変動も生じています。このような気候変動や地球温暖化問題を食い止めるには、一刻も早く脱炭素に取り組む必要があるのです。
脱炭素社会実現に取り組むメリット・効果
ここからは、脱炭素社会実現のために取り組むメリットや効果をご紹介します。
地球環境の保護につながる
1つ目のメリットは、環境保全につながることです。
2015年12月に採択された「パリ協定」では、世界の気温上昇を2℃未満に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力をすることが規定されています。また日本では2030年度までに、2013年度比で温室効果ガス排出量を46%削減し、2050年度までに脱炭素社会を実現することを目指しています。こうした取り組みは、地球環境の悪化を防ぎ、結果的に地球環境の保護につながります。
化石燃料依存を減らせる
2つ目のメリットは、化石燃料依存を軽減できることです。
昨今では脱炭素化への動きが加速していることもあり、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーや自然エネルギーへの注目も高まっています。
具体的には、バイオマス発電や太陽光発電、水力発電などが挙げられます。こうした再生可能エネルギーや自然エネルギーを活用することは、脱化石燃料依存へとつながります。
人間の健康や暮らしに配慮できる
3つ目のメリットは、人間の健康や暮らしに配慮できることです。
脱炭素社会の実現を目指すということは、地球環境の悪化を防ぐことになるため、延いては豪雨や猛暑、そのほかの気象災害のリスクが軽減されることになります。それは結果的に地球環境だけでなく、私たち人間や全ての生物が暮らしやすくなることにつながります。
脱炭素社会実現に向けた国内の事例
ここからは、脱炭素社会実現に向けた国内の事例をご紹介します。
株式会社リコー
株式会社リコーは、脱炭素社会実現のために、「脱炭素社会実現に貢献する技術開発」「省エネ・再エネ関連ビジネスの提供」「事業活動における脱炭素化」の3つの視点から取り組んでいます。2030年および2050年の脱炭素・省資源目標を設定しています。
具体的には、エネルギーを低減するための省エネ技術などの開発、再生可能エネルギーやクリーン電力の利用などを行っています。
参照:https://jp.ricoh.com/environment/practice/zero-carbon-society/
アスクル株式会社
アスクル株式会社は、サプライチェーン全体でCO2の削減を進めています。2016年に「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言し、2030年までに事業所や物流センターや、物流センターから顧客に届ける車両からのCO2排出量ゼロを目標にしています。
具体的には、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の導入だけでなく、PC入替やOA機器のリサイクルなどによって、CO2排出量の削減を実現しています。
参照:https://askul.disclosure.site/ja/themes/91
社内で取り組む脱炭素とは?
脱炭素社会を実現するためには、社内でも地道にコツコツ取り組むことが重要です。
社内で取り組めることとして、具体的例を挙げれば、以下のとおりです。
- 自家用車ではなく、公共交通機関や自転車を利用する
- 節電や省エネを心がける
- エアコンの温度を調節する
- ごみを減らし、リサイクルを心がける など
なるべく自家用車を使わず、公共交通機関や自転車を利用することで、温室効果ガスを削減できます。エアコンの温度調節、省エネや節電を心がけることも欠かせません。また言わずもがな、環境のために食品ロスやごみを減らし、リサイクルを心がけることも大事です。
地球環境や生物を守るためには、社内でも取り組むことが不可欠です。微々たるものに思えるかもしれませんが、塵も積もれば山となります。他国や競合他社に任せきるのではなく、自社でもしっかりと問題意識を持って日々の暮らしを見直していきましょう。
まとめ
脱炭素社会とは、温室効果ガス排出ゼロを目指す社会のことです。現在では、温室効果ガス排出を抑えるという「低炭素社会」ではなく、排出ゼロを目指す「脱炭素社会」が主流の温暖化対策となっています。
いまや地球温暖化や気候変動、脱炭素社会は、世界共通の課題です。対岸の家事でもなければ、他人事でもありません。自社における日々の活動や生活を見直し、脱炭素社会の実現に向けて、小さなことからでも積極的に取り組んでいきましょう。日頃から社員同士・個々人が脱炭素化を意識することは、結果的に社内活性化につながります。
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