読まれる社内報の作り方とは?制作ステップを解説!
「社内報を定期的に発行しているけど、なかなか読んでもらえない……。」「読まれる社内報の作り方を知りたい!」と思う方もいらっしゃるでしょう。
社内報は社員に向けた情報発信の役割を担っているため、社内報を読んでもらうことで企業の方針や理念の共有が進み、社内の一体感が醸成されます。
この記事では、そんな大切な役割を担う社内報の作り方や、「どうしたら読まれるようになるのか」のポイントを、ご紹介します。
これから新たに社内報の制作を予定している方や、現在、社内報の制作に苦戦している方はぜひ参考にしてみてください。
社内報を作る目的
社内報とは、社員に向けて自社の情報を発信するために、定期的に発行する機関誌のことです。
もちろん、すべての社員が発行のたびに、手に取ってくれるとは限りません。
読まれる社内報とするには、魅力のあるものとしなければなりません。それにはまず、社内報の発行目的を明確にしておくことが大切です。
目的を明確にすることで、どのような社内報にすべきかの完成図が見えてきます。
たとえば、「従業員間のコミュニケーションを活発にしたい」「会社の情報を共有して方向性などを知ってもらいたい」「自社のブランディングとして活用したい」といったものが挙げられます。
また、社内報の情報はときに、営業などのプレゼン資料に使われることもあります。
社内報には、単に、社員同士のコミュニケーションツールにとどまらない、さまざまな利用用途があるのです。
社内報制作のステップ
社内報の目的が決まったら、早速、制作にとりかかりましょう。
社内報制作のステップは大きく分けて次の5つです。
ステップ①基本設計を決める
まずは基本設計です。
社内報のテーマとなる企画を決め、その中でも特に伝えたいポイントを選定します。
基本設計をしっかり固めないと、社読者に何を伝えたいのかわからなくなってしまうので、ここは一番大切なところです。
題材・テーマの候補が複数あれば、優先順位を決めましょう。
基本設計の段階で、社内報のテーマに沿ったデザインや色、写真といった見映えの部分もある程度考えておきましょう。そのほうがのちの工程がスムーズに進みます。
ステップ②WBSなどを用いてスケジュールに落とし込む
基本設計が決まったら、次は社内報の制作スケジュールを決めていきます。
制作作業には社員へのインタビューや、従業員への原稿作成依頼といった直接的なタスクがあり、また、特集企画に合わせたイベントの開催準備などに、社内各部署とのスケジュール調整や打ち合わせも要します。
スケジューリングを疎かにすると、発行期日までに完成が間に合わず、せっかくの社内報の情報鮮度が落ちる原因になります。
それを避けるには、全体像を把握するためのスケジュール管理が必須です。
効率的なスケジュール方法はいくつもありますが、ここでは代表的なWBSと呼ばれる手法を取り上げます。
WBSとはWork Breakdown Structure(作業分解構成図)の略で、グループで仕事やプロジェクトを進めるときに、必要となる細かいタスクを洗い出し、計画を立て、進捗を効率的に管理する方法です。
WBSを社内報制作のスケジュール管理にも活用し、作業完了日や発行日の日程は余裕を持って設定しましょう。
ステップ③構成と内容を決める
社内報編集の方向性が決まり、発行スケジュールを組んだら、記事作成に取りかかります。
まずは、記事の構成と内容の決定です。
社内報は名前が示すとおり、社内で読まれる媒体です。そのため社風から著しく逸れなければ、表現自体はカジュアルなものを用いても問題ありません。
大事なのは、第一印象。見出しや構成をパッと見たときに、「その先も読んでみたい!」と思わせることが重要です。
慣れるまではインパクトのある見出しを立てるのに苦労するかもしれません。
キャッチーなワードを選んで、読者を惹きつける見出しをつくりましょう。
いくつかのトピックある場合は、どの記事がどれだけのウエイトを占めるか、優先順位をつけておくことも大切です。
ステップ④リード文を書く
記事の構成と内容が決まれば、「リード文」と呼ばれる、記事の導入文を作成します。
リード文は記事本文を要約したもので、タイトルと記事本文とをつな繋ぐ役割があります。
まずはリード文で、本文に関心を持ってもらいます。
もし、リード文が読者の関心を引かない内容であれば、そこで離脱されてしまうでしょう。
つまり、社内報を読んでもらえるかどうかは、リード文にかかっているといえるわけです。
読者の心をつかむような言い回しや、興味・関心をかき立てるワードを意識して使うことで、魅力的なリード文が出来上がります。
「最近流行りの○○って知っていますか?」
「身の回りにある○○って、実は○○なのをご存じでしょうか」
といった問いかけ調の書き出しなら、読者に「おやっ?」と思わせることができるかもしれません。
ステップ⑤構成に基づいてライティングを行う
構成・リード文(導入文)が出来れば、いよいよ本文の執筆です。
あらかじめ作っておいた構成それぞれに、本文を肉付けするイメージで書き進めていきます。
ポイントは、見出しから飛躍しすぎない範囲でライティングを行うことです。
見出しとは関係ない内容を書きすぎてしまうと、読み手の混乱を招いてしまいます。
テーマから脱線しないように注意するととも共に、ある程度見出しごとに本文の文字数も決めておくと、まとまりがよくなります。
また、書き終わったら必ず読み返し、冗長な表現があったら、適宜調整して読みやすい文章にしましょう。
反対に、掘り下げられるエピソードや具体例があったら、記事の内容を充実させる材料として生かせないか、考えてみてください。
よい文章が書けているかどうか不安なときは、見出しに対するの答えが本文に示されているか、単語の順番を変えることで読みやすいテンポになるかなどを、チェックしてみましょう。
読まれる社内報の3つのポイント
ここからは読まれる社内報のポイントを3つご紹介します。
【読まれる社内報のポイント】
- 書き出しが魅力的
- 文字やイラスト、写真のバランスが良い
- 結論ファーストで記事が構成されている
ポイント①書き出しが魅力的
読まれる社内報の多くは、リード文や本文の書き出しが魅力的です。
読者を惹きつける魅力的な書き出しとするには、記事のあらましを説明することや、執筆者の自己紹介をはさむこと、などを意識してみましょう。
書き出しの段階で、記事の概要や書き手の素性がわかれば、読者自身が興味のある記事かどうかを判断できます。
逆に、ありきたりな挨拶や季語を用いた定型文はどこでも目にするため、その時点で読む気がしなくなるかもしれません。
記事本文の内容が良いものであっても、書き出しがつまらなくて読まれないのでは、非常にもったいないことです。
社内報ライターのなかには、あえて本文とは違う角度から挨拶をしてみたり、本文とは全く違う切り口で導入文を書いたりする人もいます。これは、読者に「どうやって記事とつなげるのだろう?」と興味を持たせるテクニックです。
とにかく、書き出しというのは記事の顔となる部分です。本文と同じかそれ以上に時間をかけて考えても損はありません。
ポイント②文字やイラスト、写真のバランスが良い
読まれる社内報は文字と写真、イラストがバランス良く配置されているものです。
文字ばかりの社内報は読み進める意欲を削ぎます。
反対に、写真とイラストばかりの社内報では、読者にテーマや内容を伝えることが難しいです。
読まれる社内報は一見して、何の情報がどこに載っているかすぐに分かる構成となっています。
一般的に、人は横書きならアルファベットのZ、縦書きならNを描くように視線を動かすといわれており、その動作に沿って記事を配置すると、読者には読みやすいレイアウトになります。
こうした読者の負担が少ない記事配置にしたうえで、目を引くイラストや写真を使うと、注目度がグッと上がるでしょう。
文字も重要なところには色づけしたり、アンダーラインを引いたり、文字サイズを変更するなどして、読者の視覚に訴える工夫をしてみてください。
ポイント③結論ファーストで記事が構成されている
社内報に限らず、人は何か読むときにはまず結論を知りたがります。
結論ファーストのスタイルで記事が書かれていれば、読者はすぐにこの記事が読むに値するものとわかるでしょう。
結論があと回しの記事は、冗長的な表現が多くなりがちで、「結局何を伝えたいのだろう……」と読者を困惑させてしまいます。
そのため記事の結論は、構成の中でもできるだけ前の方に持ってきて、読者の「結論を知りたい」という欲求に答えるようにすることが読まれる秘訣です。
社内報運用のコツとは
「読まれる社内報」のポイントに続いて、社内報を実際に運用していくためのコツを解説していきます。
紙にするかWebにするかを決める
社内報には、紙社内報とWeb社内報の2種類があります。
紙で発行するか、Webで配信するかの違いですが、それぞれ特長があります。
紙社内報は普段PCやスマホを使わない方でも、手に取って読むことができます。また、社員が自宅に持ち帰り、家族に社内報を見せることで、社員の家族に安心感を与えることもできるでしょう。
Web社内報に比べるとデザインやレイアウト面で独自性を演出しやすいのも、紙社内報ならではの利点です。
一方、Web社内報は回線環境に依存する側面はあるものの、スマホやタブレットなどがあればいつどこでも手軽に見ることができます。
閲覧数やコメント数によって、リアルタイムに社内報に対する反響が把握できるという点では、紙の社内報よりもコミュニケーションを図りやすいといえます。
それぞれメリットがあるので、自社の体質に合っているほうや、より読んでもらいやすいほうを選びましょう。
社内報の反響を調査する
せっかく時間とコストをかけて社内報を制作するのであれば、効果検証も忘れずに行いたいところです。
社内報が担う目的は達成しているか、どのようなテーマ・内容が人気だったのかを判定し、次回以降の社内報作りに活かしましょう。
Web社内報であれば閲覧数、コメント数やクリック数といった数値を把握しやすく、反響は一目瞭然です。
紙の社内報は配った数=読んでもらえた数とは限らないため、後日アンケートを実施するなどして、読者の声を拾うようにしてください。
リソースで対応できない範囲は外注に
社内報は取材やインタビューに始まり、記事の執筆や校正、依頼原稿の手配と記事化、写真やイラストのレイアウトなど、多くの工程を経て完成します。
単発ではなく定期的に発行しなければならないため、通常業務をこなしながらのスケジュール調整は大きな負担となるでしょう。
そのような場合、工程の一部を外注するのも選択肢の一つです。
プロに任せればその分コストはかかるものの、社内報のクオリティは格段に上がり、読んでもらえる可能性も非常に高くなります。
もし外注するのであれば、どのような社内報を目指すのか、という方向性を社内報の制作チームで共有し、すり合わせを入念に行って進めていきましょう。
書き方のコツを押さえて読まれる社内報作りに挑戦しよう
今回は読まれる社内報の作り方のポイントや、運用する際のコツについてご紹介してきました。
読まれる社内報を作るには、インパクトのある見出しと読みやすい構成、読者を惹きつけるリード、視覚に訴える工夫と結論ファーストの書き方など、多くのポイントがあります。
定期的に発行を続けるには、綿密なスケジュール管理と社内調整も欠かせません。
社内報のスケジューリングは決して楽とはいえませんが、一度工程を把握すれば、定期的に発行していけるものです。
かつて社内報は、紙媒体で発信するのが定番でしたが、最近ではWeb社内報も増え、その発信のスタイルもさまざまです。
社内報を紙でいくか、Webにリニューアルするかは検討を要する問題でしょう。
もし、初めて社内報を作る一連の作業が「煩雑に感じる」「本来の勤務の片手間ではこなせない」と感じられるのであれば、一部の工程だけでもプロの手に委ねてみてはいかがでしょうか。
いろいろ相談にも乗ってもらえるでしょうし、社内報づくりがスムーズに運び、制作のコツもつかむことができるかもしれませんよ。
読まれる社内報づくりに向け、より高い完成度を目指し工夫してみてください。
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