社内報コラム

内製と外注どちらがお得?社内報の作成にかかる費用について

内製と外注どちらがお得?社内報の作成にかかる費用について

リモートワークの導入により、社員間の連携が損なわれているという課題を持つ企業も多いのではないでしょうか。その対策として今、見直されているのがコミュニケーションツールとしての機能を持つ「社内報」です。

社内報を活性化して、社内の一体感形成に役立てようと考える企業も増えています。
では、その社内報を制作しようとした場合、どのようなことに注意すべきでしょうか。「どの程度の費用が発生するのか」「内製と外注どちらのほうがメリットは大きいか」「どのような内容にすればよいか」など。初めてでは分からないことも多いと思います。

今回は、社内報を内製と外注にした場合それぞれのメリット・デメリットと併せて、その制作プロセスを解説します。

社内報を外注で作成した場合の費用相場

すべてのプロセスを外注した場合の、印刷費を別とした制作費は1ページあたり15万〜30万円が相場です。数ページ程度の小冊子なら総額数十万円で済みますが、ページ数が多く内容が充実している社内報であれば、さらに料金が発生します。

印刷費は製本のクオリティや印刷紙のグレードによって上下しますが、一般的なカラー用紙で20ページ本の場合、300部以上製本で一冊100円以下に抑えることができます。
印刷部数が多いほど割引を受けられることは覚えておくとよいでしょう。

社内報を内製するメリット

社内報の制作を、製本・出版社などの業者に外注するのもひとつの手です。しかし社内報を自社で内製すると、外注では得られない以下のようなメリットもあります。

社風を加味した社内報を作成できる

社内報の記事は会社の行事や部署、業務紹介などが中心です。
自社の専門分野や社内事情、自社文化などは、社員でなければ知りえない情報なので、都度外注先と打ち合わせて作るより、制作も捗ります。
社内報の取材や執筆などの制作作業を自社で完結した場合、外注と比較してクオリティが高いものを制作できるほか、会社独自の色を出すことも可能です。

コストを抑えられる

社内報を内製すれば、外注費が削減されるため、その分コストを抑制できます。
しかし、内製を選んだ場合、社内のリソースが社内報作成に割かれるため、従業員の負担増や、通常業務への影響も考えなくてはなりません。

また、機材関連の経費なども発生するため、「外注にしたほうが安く済んだ」ということも考えられます。

コスト面を重視して内製か外注かを決めるのであれば、目先の費用よりも総合的なコストパフォーマンスを重視して判断することが必要です。

社内交流を促進させる

社内報の作成業務は、各部署への取材活動や折衝・調整を通じて社内交流を促します。
社内報制作班が部署や個人のノウハウを会社全体に紹介、周知し、共有することで、業務効率の向上にもつながるかもしれません。

また、社内報の作成で培ったスキルは、会社広報用のパンフレットや研修用冊子作成などの他業務に活かすこともできます。

社内報制作を外注するメリット

製本・出版業者に社内報の制作を外注することで、内製した場合には得られないメリットも多くあります。
外注する場合の代表的なメリットを紹介します。

外部のプロからのアドバイスをもらえる

取材・執筆・製本のプロに業務を依頼することで、内製では気づかないミスを指摘してもらったり、完成度を高めるのに役立つアドバイスを受けたりすることができます。
社内報の制作に初めて挑戦する会社が、一から内製しようとする場合ノウハウ不足で多大な時間を要したあげく、質の低い出来栄えとなってしまうかもしれません。
そのため、初めて社内報を制作する場合は、外部プロのアドバイスは必須と言えます。

コア業務に集中できる

社内報制作の専門部署がない限り、社内報の内製は他の部署の社員が兼業で担当することになり、社員に負担が掛かります。
外注であれば、社員の業務負担もなく自身の業務に集中でき、会社全体の生産性は上がります。

成功事例を踏襲することが出来る

社内報制作を請け負う業者は様々な制作のノウハウや実績を蓄えています。
社内報完成までのプロセスに精通しているため、一定以上の品質は担保されるでしょう。

業者に制作工程の一部のみを委託する場合でも、業者が過去に制作した社内報の実例を見せてもらえる場合もあります。
評判のよい他社の社内報を見ることは、自社制作の社内報のイメージが掴みやすくなり、とても参考になります。

社内報制作を内製対応するデメリット

ここからは、社内報を内製、外注した場合のそれぞれのデメリットをみていきましょう。
まずは、内製対応した場合の代表的なデメリットを紹介します。

専門的なスキルが必要

社内報を制作するノウハウが蓄積されていない会社はたとえ工数をかけて社内報を制作したとしても、満足のいくクオリティに仕上げられない可能性があります

特に、掲載する写真の撮影や、表紙・ページのデザインの作成には専門的なスキルが求められるため、初心者が独学で挑戦するのはなかなかハードルが高いといえます。

その場合、企画、取材、執筆、編集工程は自社の社員が担当し、専門性が必要な写真やデザインはプロに委託するなど、外部業者に一部の作業を依頼するのも合理的な選択です。

社内報を自社のノウハウ蓄積のためにあえて内製するのか、不得意なプロセスは外注するのかを検討しましょう。

人的・時間的・技術的リソースを要する

先ほども述べたとおり、自社内製の場合は、他の業務と並行して社内報を制作するため、社員に負担がかかります。
広報部で社内報制作を担当できる会社は別ですが、社内報のためだけに年間を通じて部署を維持する費用を考えると、外注にしたほうが、コストがかからないことが一般的です。

そもそも、社内報を自社制作する場合でも、さまざまなコストが発生します。
たとえば、機材面に関しては、基本的な制作は普段使用しているノートパソコンを使用できますが、イラストやデザインにこだわる場合は有料ソフトを購入しなければなりません。
社内報に掲載する写真のクオリティを向上させる場合は、一眼レフなど高価なカメラの購入・レンタル費用も必要になります。

なお、製本・印刷工程に関しては、会社で業務用の印刷機を所有していない場合は、外注するのが一般的です。
社内報を自社制作する場合でも、様々なコストが必要になることは覚えておきたいところです。

社内報制作を外注対応するデメリット

次に、社内報を外注制作した際のデメリットを挙げていきます。

コストがかさむ

社内報の内製と外注を比較すると、一般的には外注の方がコストは高くなります。
しかし、社内報の発行部数が小規模に留まる中小企業であれば、そこまでコストがかからない可能性もあるため、外注を検討してもよいでしょう。

製本会社は社内報制作のプロではありますが、依頼元の社風に詳しいわけではないため、社内報が完成した段階でギャップが発生することもあるかもしれません。

そのようなことを防ぐために、外注する場合は委託先に丸投げではなく、作業のプロセスごとに途中経過の報告を求めましょう。
会社としても確認作業になり、考えていた社内報と完成品のギャップを縮めることにつながります。

どのような商品・サービスでも質の高いものを購入するには、その分費用が上乗せされます。
社内報もクオリティを希求するのであれば、それなりの費用を見込む必要があります。
外注は一定水準の品質が保証されていますが、ピンポイントで満足できる社内報を制作しようとすれば、多額の委託料が発生する点は覚えておきたいところです。

社内報ができるまでの流れ

社内報はどのように制作されるのでしょう。
内製する場合の工程を、順に解説します。

プロセス①スケジュール策定

最初に、刊行までの日取りを明確にします。

なお、社内報制作を外注する場合は、スケジュールを決めた段階で依頼しましょう。
一部の作業のみを委託する場合でも、前もって予算案や制作期日などを決めておきます。そうすることで、取材に応じてもらう部署とのスケジュール刷り合わせが綿密にできます。

プロセス②全体像の把握

ページ数や総予算・協力部署などをコンテンツ制作前に吟味しましょう。
リソースを考慮せずに制作をスタートすると、予算の超過や人員不足につながりかねません。

プロセス③企画

社内報の題名や副題、企画内容の方向性や特集などのアウトラインを決めましょう。
ここでアイディアを固めておくと、社内報の完成度向上につながります。
企画の例としては職場紹介や外部有識者からのコメントなどが定番です。

プロセス④下書き・編集

コラムを執筆する際、必要な取材をすることもあります。
取材の前には、イメージどおりに作業を進めるために質問事項などの下書きを作っておきましょう。
事前準備はのちの効率に直結することからも重要ですが、それだけでなく、外部の取材先だと下準備をしないことは失礼にあたりますので、そういった点でも入念な準備が必要です。

プロセス⑤取材

下書き・編集の段階で作成した台本を元に取材します。
普段の業務内容を取材する場合でも、お互い取材に慣れていないと、円滑に進まないことがあるため、事前に打ち合わせをしておきましょう。
外部にコメントを依頼する場合は、慎重にスケジュールを立てる必要があります。

プロセス⑥執筆・編集

取材した内容を元に原稿を執筆しましょう。
社内報の質は執筆内容で決まると言っても過言ではありません。

プロセス⑦デザイン

原稿の執筆が済んだら、表紙やページの模様などのデザインやレイアウトを考えます。
無料や安価なソフトのテンプレートを使えば費用を抑えることができます。

デザインやイラスト関連のスキルを持つ社員が社内にいない場合は、デザインの工程だけ外部委託を検討するのもよいでしょう。

なお、既存の模様やレイアウトを使用する場合、著作権が存在する可能性があるため、事前に確認しておく必要があります。

プロセス⑧最終チェック

誤字脱字やイラスト、デザインのミスチェックのほか、差別用語や不適切な表現が使用されていないかという点も、コンプライアンスに照らし合わせながら確認しましょう。

内容チェックは各プロセスでも逐一実行のうえ、最終チェックは社内報制作に携わっていない社員に任せるのがよいかもしれません。
自分で作成した文章や作品は自分自身が制作したことから、ついミスを見逃す可能性があります。
もし会社の規模が小さく、社内報に全社員がかかわっている関係からチェック係を別途作れない場合は、それぞれ自分が担当してない箇所を相互にチェックするとよいでしょう。

なぜ何重にも慎重なチェックが必要なのか。
それは致命的なミスを含んだ状態で社内報を印刷してしまうと、刷り直しや訂正用のお知らせを配る必要が生じ、大きな損失となるからです。
インターネットで社内報を配信する場合は、ミスのレベルによっては社外からも大きな批判を招き、取り返しのつかない結果となるため、最終チェックは厳重に実行しましょう。

プロセス⑨試し刷り・アップロード

社内報を印刷・製本する前に、テストとして数部だけ試し刷りしてみることをおすすめします。
写真や印刷物の実物を直接見たときと、パソコンでみた写真では色合いや感じ方が違う場合があるため、ここで想定していた雰囲気に合致するか、イメージと突き合わせをしましょう。

試し刷りした社内報のデザインに気になる点があれば、別のデザインに差し替える最後のチャンスです。
落丁や印刷ミスなどの確認もしましょう。
印刷したすべての社内報を確認することは難しいでしょうから、50冊につき1冊ずつ確認するなど統計的なチェックが合理的です。

社内報をインターネットにも掲載する場合、この段階でテストとして非公開アップロードするのもよいでしょう。

プロセス⑩発刊準備

発刊準備としては、社内報の配布手順の最終確認や、社内報の配布を周知するための連絡作業などが挙げられます。

大規模なものだと社内報の完成に併せてイベントを開催する会社もあります。
社外インタビューなどで、外部の人が社内報作りに携わっていた場合などは、お礼状の作成なども、発刊準備のプロセスで行います。
せっかく社内報を作成したのに、多くの社員が知らずに、誰も読まなかったといったことがないように、前もって広報し周知することも重要です。

プロセス⑪来期に向けた反省・保管作業

発刊後には来期の社内報づくりに向けた反省や、情報伝達作業をする必要があります。
社内報制作時に気づいた改善点などはノートやデータにまとめて、後任者に伝達すると貴重なノウハウとして生きてきます。
またアンケートなどを行って、読者の感想を集計すれば、次の社内報づくりに大いに役立ちます。

社内報を経済的に制作するには

社員数の少ない中小企業や、冊子・機関誌などの発行経験がない会社では、社内報の自社制作にかかる人的、時間的、機材的な負担やコストは小さなものではありません。
会社の規模や得意分野のあるなしによっては外部委託の方が経済的なこともあります。

負担やコストを詳細に検討したうえで、外注か内製かを決めることが得策です。
社内報に求めるクオリティによってもかかる費用は大きく変わってきますので、予算の総枠とも相談しながら、どこにお金をかけるかを決めることも大切です。

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