社内報コラム

決算関連企画を考えるためのポイントと見せ方12選

決算関連企画を考えるためのポイントと見せ方12選

決算期が3月の会社が多いため、社内報夏号で決算の報告をしたり、関連特集を組むことが多く見られます。

しかし、決算は毎年のことですので、どうしてもマンネリ化してしまうといった声や、あまり読まれないというお悩みをよく耳にします。

今回の記事では、決算企画のマンネリ化防止や、できるだけたくさんの社員に読んでいただけるようにするための工夫についてお伝えします。

 

効果のある決算企画を考えるためのポイント

毎年掲載する決算関連企画のページをマンネリ化させず、たくさんの社員に興味を持っていただくためには、まずは以下の基礎的ポイントを意識した誌面づくりをすることを心掛けましょう。

視覚的に見せて読者の目線を誘導する

売上高や利益率などの数値を、グラフやチャートを活用して視覚化することで、従業員の目線を、見るべきポイントへスムーズに誘導したり、知っておくべき情報が何かを、読者が瞬時に把握できるように努めます。

重要な点を「重要だ」とわかるようにする

重要な数値がどれなのか、その数値が何を示しているのか、そしてその数値がなぜ重要なのかといったことをより明確に示すことが大切です。そのためには数値やグラフの羅列にとどめず、必要な情報を絞り込んで、その情報を大きく取り上げたり、重要情報と基本の情報を適切に分けて見せたりします。

わかりづらい情報は解説でフォローする

決算の数値や情報には、その数値や情報の意味を理解するための、事前の知識が必要なものも少なくありません。このような点については、ポイントを絞ったわかりやすい解説で、必要な知識がなくても読めるようにフォローします。

数値の背景や裏側を共有する

決算の数字は、計画と行動の結果を数値で表したもの。つまり、決算の数字には、その時々の社会的な背景や、成果を導き出したストーリー、課題にチャレンジして乗り越えてきたエピソードなどが隠れています。決算を社内報で取り上げる際には、単に数字の認知や理解を促すだけではなく、このような点への気づきをもたらしたり、興味を持ってもらったりすることも大切です。

 

決算企画を考えるためのアイデア12選

上述でお伝えした点を意識することに加えて、決算を読み解き、伝えるための、さまざまな視点や捉え方などを知っておくことで、アイデアを広げることができるようになります。ここからは、誌面の見せ方について紹介していきます。

1.1年間の成績表としての見せ方

決算企画を立てる際、一般的な視点は会社の1年間の成績表として捉える見方です。この見方は、売上高や利益率、コストの削減効果などを、昨年との比較や、過去5年間の伸び率で把握し、1年間にどれだけの成果が出ているのかを共有するような誌面にします。

2.健康診断の結果としての見せ方

決算時点での健康診断結果といった視点で企画を立てます。その内容は、昨年対比や経年で数値を見せて、会社が今、どのような健康状態にあるのかといったことや、会社の健康状態が良くなったのか、あるいは悪くなったのかを示し、何が良くなって、何が良くなかったのかを紐解いていき、どのような点を伸ばし、どのような点を改善する必要があるのかといったことを具体的に示す誌面づくりを目指します。

3.ゴールへの「ものさし」としての見せ方

経営目標や経営計画に対する進捗を見る、ゴールまでの距離感を測る「ものさし」のような見方です。この見方は成績表に近いですが、異なる点は、売上高や利益率、コストの削減効果などを、昨年対比や経年比ではなく、目標に対して、どの程度まで進んだのかを、ゴールとなる目標値と照らし合わせながら見せていくといった点です。

4.会社の成長や発展を知る白地図としての見せ方

決算を結果ではなく、会社の成長や発展の過程として、長期ビジョンや経営計画という輪郭が示された白地図に対して、広がった分だけ色を塗っていくような見方です。売上高や利益率といった数値のほか、新たな事業の立ち上げの進捗や状況、あるいは新たな市場への進出の状況といった定性的な情報を掲載します。

5.会社の今後に向けた未来図としての見せ方

これは決算をもとに、次の1年間の展望や挑戦を取り上げます。具体的には、過去1年間の市場の動向や事業環境をもとに、翌年の見通しを示し、長期ビジョンの実現や経営計画の達成に向けた指針を伝えます。加えて、リーダークラスの社員からは、目標達成に向けた考えや改善点、意気込みを語っていただき、読者の興味と関与を促進します。

6.工夫や努力の方向性を示す方位磁石としての見せ方

決算の数字は、過去1年間のさまざまな挑戦や工夫、日々積み重ねてきた努力を取りまとめた数字と見ることができますが、それらを集合させると、工夫や努力の方向を指し示したり、共有したりする、方位磁石のような見せ方が可能となります。

例えば、販管費が抑えられることで営業利益率が向上した際の裏側に、コスト削減や働き方改革への工夫や努力が大きく影響している場合、管理者や社員の努力や工夫を、社員のコメントとともに取り上げることで、その動きを加速化させたり、より能動的な行動を促したりすることができます。

7.過去からの努力や成長を共有する歴史絵巻としての見せ方

決算はついつい単年度で捉えがちですが、決算の数字を成長や変化の表れといった見方で見て、5年間や10年間を見渡せるように編集することで、会社がどのように成長してきたのか、どのような変化を生み出してきたのかといったことを見ることができる企画にすることができます。

これにより、過去を知らない若手社員に決算を通して、先輩社員たちの努力を共有したり、その取り組みの継承や自分ごと化を促したりすることができます

8.各所の取り組みを共有するメイキングストーリーとしての見せ方

この見方は、発表された決算やその数値に裏側に着目して、期間中に実行された、さまざまな努力や工夫を取り上げる見方です。各部門のリーダーやマネージャーに、決算の数値の裏側に隠れている、自部門やチームの努力や工夫とその成果を語っていただきます。こうすることで、決算の数値の自分ごと化を促すとともに、各部門の取り組みに対する相互理解を促します。

9.課題を共有する経営会議の議事録のような見せ方

決算の数値は当然ながら、経営会議における最重要テーマです。経営状況や会社の状態を測る、さまざまな指標で決算の数値を見て、経営目標を達成するための課題を分析し、方針を議論しますが、これらの議論の流れや、経営層が着目するポイントと、なぜその点に着目するのかを公開します。

こうすることで、従業員に経営の追体験の機会を提供して、決算結果に対する強い関心を引き、読者の理解と共感を促します。

10.財務部門の視点を通して課題を共有する見せ方

これは、決算を見る視点ではなく、決算に強い関心を惹くことをねらいとする決算企画を立てるための視点です。

その内容は、あまり知られていない決算報告への財務部門の役割と挑戦をクローズアップして伝えるといったもの。財務部門のメンバーや財務責任者へのインタビューを通じて、決算報告に向けた財務データの収集や分析プロセス、課題や対処法について探り、読者に財務部門の仕事への理解とともに、数字の背後にあるストーリーへの共感を促します。

11.ビジネススキルを高める学習ドリルのような見せ方

これも決算を見るための視点ではなく、決算の理解と関心度向上をねらいとする企画を立てるための視点。決算報告を従業員の学びの機会と捉え、決算の数値をもとに、財務やビジネスの基礎知識を提供し、決算の結果を理解したり、仕事に活かしたりしていただくための基盤づくりを目指します。

12.利害関係者の視点で自社への期待を共有する見せ方

決算説明会では、機関投資家やメディアから、投資家の視点や投資に関する商品やサービスを販売する人の視点で、さまざまな質問が出ます。また、その質問に対して経営陣が、会社としての回答を出します。このような、投資家という視点や投資家が会社に期待していることを通して会社を見る機会や、投資家に対する経営者の姿勢を知る機会は、日常的には少ないため、決算を機にその視点を取り入れて、自社の存在意義やさまざまな活動の意義を多面的に見たり、考えたりする機会づくりを目指します。

まとめ

決算の数字は、その1年間の世の中の動きや出来事、事業環境の変化などに対する、経営層から現場で働く従業員の、さまざまな挑戦や工夫、日々積み重ねてこられた努力などが隠れています。

この点に着眼すると、決算はたくさんのアイデアを導き出すことができるばかりでなく、たくさんの従業員に社内報に出ていただくことが叶う、社内報として極めて有効性の高いテーマだと捉えることができます。

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