社内報コラム

はじめての社内報制作 第1回 社内報の発行目的と編集方針

はじめての社内報制作 第1回 社内報の発行目的と編集方針

はじめて社内報を担当することになった皆さんへ。

「シリーズ はじめての社内報制作」は、皆さんが楽しく自信を持って社内報制作に取り組めるようサポートすることを目的に、社内報制作の基本から、読まれる社内報にする秘訣までを、できる限りわかりやすく解説してまいります。

第1回 社内報の発行目的と編集方針

社内報は、社内のコミュニケーションの活性化のほか、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上を促すことで、会社に活力を与えたり、豊かな企業文化を育んでいったりすることを目的や意義として捉えて、会社や社員にとって「なくてはならないツールにしていく」という姿勢で、内容や見せ方と、そのための技を磨き続けていくことが大切です!

上司:「できることから無理せずがんばっていってね!」

先輩:(たくさんの資料を見せながら)「ピーチク パーチク」

山田:できることからって言われても何からやれば良いんだろ・・・(そもそもあまり読んだことないし・・・)

 

<博士>どうしたのかね?

<山田>(ビクッ!)だ、誰?

 

<博士>私は社内報づくりの博士じゃよ

<山田>(そんな博士、社内にいたっけ?)

 

<博士>(いや、私は空想上の博士で、この会話もキミの脳内に直接語りかけているんじゃよ)

<山田>こわっ!

 

<博士>そんなことよりも、何か悩んでおるようじゃな?

<山田>は、はい。実は社内報の担当者になったばかりで、どこから手をつければ良いのかわからなくって・・・

(そもそも社内報って何のために作っているのかも知らないし・・・)

 

<博士>なるほど。それじゃ、まずは社内報とは何のために作るものなのかを説明するかのぉ。

<山田>(あれ? 心の声が漏れてた? 本当に脳内と会話している・・・)あ、はい。ぜひ!

社内報を発行する目的と意義とは?

<博士>キミは社内報の発行目的という言葉を聞いたことがあるかい?

<山田>はい。先輩から説明を受けました。

経営理念の浸透や、社員のエンゲージメントの向上、社内の一体感の醸成、社内コミュニケーションの活性化、より良い風土づくりといったことが書いてあります。

<博士>その通りじゃ。社内報の発行目的は一般的に、

・企業理念やビジョンの浸透

・経営方針や目標の認知・理解

・事業や職場間の相互理解

・会社や組織の活性化

・社員の意識改革や行動変容、モチベーションの向上

・社内のより良い風土や文化の形成や醸成

・社会との信頼関係の構築

といったことが謳われているんじゃ。

 

<山田>たくさんあるんですね。

つまり、みんなが会社や社会の一員としての役割を果たすために必要な情報を伝えることが、社内報の目的ということですか?

<博士>そうじゃな。

ただ、情報を伝えるということは手段としてやることで、本来の目的は、社員一人ひとりが会社の一員として必要なマインドや知識を持つように促したり、社内の雰囲気を良くしたりしながら、社員のエンゲージメントを高めたり、社内や社外の人との関係や、社会との関係をより良いものにしていくことなんじゃよ。

<山田>社内報にはすごく大切な目的や意義があるんですね。

<博士>その通りじゃ。

<山田>確かに先輩も、経営や社内の情報を伝えるだけではなくって、どうすれば社員のみんなの意識や行動を、みんなが目指す方向に変えることができるかを考えることが大切なんだと言っていたんですね。

 

<博士>良い先輩を持ったのう。

<山田>はい。ただ、社内にはいろんな人がいて、立場も世代も仕事の内容も違うので、社内報だけで社員の意識や行動を変えることって難しそう・・・

 

<博士>そうじゃな。社内報だけで社員の意識や行動を変えることは不可能と言えるのも事実じゃ。

実際は職場ごとのマネジメントや、上司や同僚との関係性、職場内でのコミュニケーションが大きな役割を果たすからのぉ。

 

<山田>そうですよね。私もいくつかの職場を経験してきたんですけど、職場ごとに雰囲気や人との関わり方が違ったりしていました。

 

<博士>良いことに気づいたな。社内報をつくるためにはその感覚こそが大切なんじゃ。

会社にはいろいろな人がいて、いろいろな仕事があって、そういった人や仕事が関わり合いながら、良い製品やサービスを生み出したりして、お客さまやいろんな関係者との絆を編んでいく。

社内報は職場の垣根を越えて、いろいろな人や仕事が関わり合える機会や場を提供したり、どこに向かって関わり合っていくのかを社内に広く伝えるツールとも言えるんじゃよ。

 

<山田>なるほど!社内報は、職場ごとに異なる雰囲気や人との関わり方があることを理解しながら、そういった枠を越えて、自分たちは何のために仕事をしているのかといったことや、どこに向かっているのかがわかる情報を伝えることが求められているんですね?!

<博士>その通りじゃ。けれども、わかるだけでは人は動かないとは思わないかい?

 

<山田>確かに。つまり、わかるだけではなくって、社員一人ひとりが自分の仕事にやりがいや誇らしさを感じたり、目指す方向に共感したりするような内容や見せ方を考えることが社内報づくりの仕事だということですね?!

<博士>素晴らしい!

つまりは、そういったことを考えながら、より良い社内報とは何か、どのようなことをすれば社内報が、もっとみんなが仕事にやりがいや誇らしさを感じたり、目指す方向に共感したりするような社内報になるかを考えて、実践して、そしてまた考えてといったことを繰り返すことが、社内報づくりをする上で何よりも大切なんじゃよ。

 

<山田>ありがとうございます!

確かにそういったことを繰り返し考えて実践して、みんなにとって良い社内報をつくることができれば、みんなの意欲やモチベーションが高まったり、社内のコミュニケーションが良くなったりして、会社が良い方向に進んでいきそうな感じがします。

 

<博士>そうじゃな。ただ、どうすればみんなが仕事にやりがいや誇りを感じたり、目指す方向に共感したりするのかについては、明確な答えがないのも事実じゃ。
なのでまずは、発行目的という社内報を発行する必要性に納得した上で、その目的を果たすために失敗を恐れず、何をすれば良いのかを考えたり工夫したりといったチャレンジをしていくことが重要なんじゃよ。

 

<山田>確かにそうですね。人の気持ちを望ましい方向に動かすためには、いろいろなノウハウやスキルが必要になりますよね。

<博士>ノウハウやスキルも必要なんじゃが、その前にまず、何をすれば人を動かすことができるのかを、会社の状況や社内のコミュニケーションの文化、社内で運用している他のコミュニケーションツールとの関係性を踏まえながら、どんなツールにしてくのかといった、載せる情報の内容や伝え方の基準、つまり編集方針を持っておくことも重要なんじゃよ。

<山田>載せる情報の内容や伝え方の基準となる編集方針を持つ?

社内報の編集方針を考える

<博士>そうじゃ。つまり、みんなが仕事にやりがいや誇らしさを感じたり、目指す方向に共感したりすることに効果的で、マネジメントや職場のコミュニケーションでは成し得ない、そして他のツールでは果たせない、社内報だからこその独自のアプローチの方法を定める。

そしてそれを実践して検証し、改善していく。

より良い社内報にしていくためには、そういったPDCAサイクルを回すための基準が必要なんじゃ。

 

<山田>なるほど!確かにそういった基準がないと、何をどのように作っていけば良いのかを、常に手探りして考えていかなければならなくなりそうですね。

<博士>そうなんじゃよ。

<山田>けど、それは発行目的で示しているんじゃないんですか?

<博士>いや、発行目的はいわば社内報を「何のために」作るのかを示したもので、それを「何を」「どのように」作っていくのかまでは示していないんじゃ。

<山田>確かにそうですね。つまり編集方針は社内報を発行するにあたって、発行目的を果たすために何をどのように作っていくのかを示す、社内報を作るためのルールや、社内報の作り手としてのスタンスのようなものを取りまとめたものなんですか?

 

<博士>その通りじゃ。社内報を担当者だけで作るのならそんなものは必要ないかも知れないのじゃが、通常は経営層や社員を巻き込んだり、デザイナーやライターといった人たちと連携したりと、たくさんの人との関わりながら作っていくじゃろ?

そんなときに、何を作っていくのか、どのように作っていくのかといったルールやスタンスが示されていないと、何を作れば良いのか、どこを目指せば良いのかといったことがわからず、みんなが迷子になったり、バラバラな方向に向かって突き進んでいってしまうことになりかねんのじゃよ。

 

<山田>そんな状況、考えるだけで怖くなりますね。

ちなみにウチの社内報の編集方針は「社員を主役にする」「経営と社員の関心事を掛け合わせる」「休憩室や自宅でも気軽に見られる」「足を使ってネタを集める」といったことが示されているんですけど、他にはどんなものがあるんですか?

 

<博士>編集方針は会社によってさまざまなんじゃが、基本的には社内広報や社内コミュニケーションの戦略や方針をもとに落とし込んで作るのが一般的じゃな。

作り方として、これはあくまでも一例に過ぎないのじゃが、5W1Hというフレームワークを使うと、モレやダブりがなく、理解しやすく作ることができるんじゃ。

<山田>「なぜ」「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どのように」ですね。

確かにそう言われると、ウチの社内報の編集方針は、「誰が」を「社員を主役にする」という言葉で表したり、「いつ」や「どこで」を「休憩室や自宅でも気軽に見られる」という言葉で示しています。

 

<博士>そうじゃな。他のツールとの違いもわかりやすく示されていることもポイントじゃよ。

<山田>確かにそうですね。ただ、「なぜ」にあたる項目がないように思うんですが?

<博士>「なぜ」は発行目的のことじゃよ。

<山田>なるほど!あと、こうやって編集方針を改めて見ていくと、例えば「経営と社員の関心事を掛け合わせる」という考え方は、常に経営と社員の関心事が何かを知る工夫や努力が求められていることがわかりますし、「足を使ってネタを集める」は、オフィスで何を取り上げるのかを考えるのではなくって、現場に赴くなど、積極的に情報を取りに行く姿勢を示していることがわかります。

 

<博士>そうなんじゃ。「休憩室や自宅でも気軽に見られる」という言葉をとっても、息抜きをしているときに文字だらけのものを読みたいとは思わないので、できるだけ文字数は少なく、伝えたいことが端的に伝わる書き振りで、デザインも自宅に持ち帰ることに抵抗のないものにするようにといった意志が示されていると考えられるんじゃよ。

 

<山田>そういった観点をとらえることで、発行目的や社員のみんなにとって、もっと良い社内報にするためにはどうすれば良いのかを考えたり、実践したりしていくことができるようになるということですね?

 

<博士>その通りじゃ。

<山田>社内報の担当者になって、知らないことばかりでちょっと尻込みしていたんですけど、博士にお話が聞けたことで、やる気が出てきました!

発行目的や編集方針といった言葉を改めて見直しながら、何をしていけば良いのかを考えていきます!

 

<博士>それは何よりじゃ。

社内報は、社内のコミュニケーションの活性化のほか、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上を促すことで、会社に活力を与えたり、豊かな企業文化を育んでいったりすることを目的や意義として捉えて、会社や社員にとって「なくてはならないツールにしていく」という姿勢で、内容や見せ方と、そのための技を磨き続けていくことが大切なんじゃよ!

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