これだけは避けたい!PDFファイル公開の失敗と対策【前編】
あなたもやっているかも?PDF公開でありがちな失敗
PDFを公開するのは、WEB担当者にとって日常的な作業です。
しかし、単に「ファイルをアップロードするだけ」で終わらせてしまっていませんか?実は、PDF公開における見落としやすい失敗が、ユーザビリティの低下やSEO対策の不備を招いているかもしれません。
この記事では、PDFを公開する際に、ありがちな失敗事例とその対策についてご紹介します。もし、心当たりがあるなら、これを機に確認してみましょう!
ファイルサイズが大きすぎ
公開されたPDFのサイズが大きすぎて、ダウンロードに時間がかかってしまうことがあります。
特にモバイル環境で閲覧するユーザーにとっては、ページがなかなか表示されず、離脱してしまう原因になりがちです。
たとえば、会社のパンフレットや製品カタログのPDFが、写真を多用した高解像度のファイルでアップロードされていると、10MB以上のファイルサイズになってしまうことがあります。
これはユーザーにとって非常に不便ですし、サーバーの負担にもなります。また、バッテリーを多く消費するので閲覧者に不便を与えてしまいます。
では、どのくらいのファイルサイズが適切なのでしょうか?
一般的に、モバイル端末で快適に閲覧できるPDFのファイルサイズは、1ファイルあたり1MB以下が目安とされています。
しかし、これはあくまでも目安であり、PDFの内容(画像の多さ、ページ数など)や、閲覧者の属性(閲覧時はWifi環境であることが想定されているなど)によって変わってきます。
対策1.画像の最適化
PDFにする前のファイル(イラストレータ、パワーポイントなど)があれば、画像をWEB表示に適切な解像度に調整しましょう。
WEB表示用であれば、72dpi程度で十分です。
圧縮率を上げたり、埋め込む画像のファイル形式をJPEGやPNG、GIFなどWEBに適した形式に変換することで、画質を保ちつつ、さらにファイルサイズを小さくすることができます。
印刷用途でなければ、必要以上に高解像度な画像を使用しないように注意しましょう。
対策2.PDF圧縮ツールを使う
Adobe Acrobatなどの専用ツールを使うと、より高度な圧縮が可能です。
また、オンラインで簡単に利用できる圧縮ツール(例: SmallpdfやILovePDF)もあります。
これらのツールを使うことで、画像の品質を保ちながら、ファイルサイズを軽量化することができます。
Smallpdf https://smallpdf.com/jp
ILovePDF https://www.ilovepdf.com/ja
対策3.ページの分割
統合報告書などページ数の多いものは、一冊丸ごとダウンロードできるほかに、目次を用意して章ごとに分割することでダウンロード時間を短縮できます。
閲覧者は見たいページが限定されている場合が多く、利便性も向上するという判断から多くの企業が採用しています。
余談ですが、数ページの社内資料をイントラに公開する際、中身がわかるよう目次を用意することをお勧めします。
「10月のお知らせ」というタイトルとPDFへのリンクだけでは、後で読み返したいときにどのPDFだったか探すのが大変です。
対策4.不要な要素の削除
余分なオブジェクトや背景画像を削除することで、ファイルサイズを小さくできます。
しかし、PDFの機能や見栄えに悪影響を及ぼす可能性があるためオススメしません。
注釈やコメントがなくなって理解が得られなかったり、レイアウトが崩れて見栄えが悪くなってしまうことはできるだけ避けるべきです。
検索結果に「資料_20241001.pdf」
Googleなどの検索エンジンで検索した場合、PDFのタイトルやキーワードではなく、ファイル名のみが表示されることがあります。
例えば、「資料_20241001.pdf」というファイル名で保存されたPDFの内容が「マテリアリティ」であっても、検索エンジンに正しくインデックスされず、上位に表示されにくくなるばかりか、閲覧者がPDFの内容を正確に把握できない可能性があります。
SEO対策に気を使っている担当者でも、PDFのメタデータの設定を忘れてしまうことがよくあります。適切な設定を心がけると良いでしょう。
視覚障がい者の方々が使用するスクリーンリーダーは、PDFのプロパティ情報を元に、ファイルの内容を読み上げます
。プロパティが設定されていないと、スクリーンリーダーがPDFの内容を正しく認識できず、利用が困難になります。
対策方法は?
PDFの文書プロパティを適切に設定しましょう。
PDFのメタ情報はファイルの検索、管理、利用に不可欠な情報です。文書プロパティを設定することで、PDFの利便性を高め、より効果的に活用することができます。
具体的に設定すべきプロパティの例
タイトル: PDFの内容を簡潔に表す
作者名: 企業名や作成担当者の名前を明記する
サブタイトル: PDFの主題
キーワード: PDFの内容を表すキーワード
Adobe Acrobatなどのソフトで、文書プロパティ設定画面からこれらの情報を設定することができます。
まとめ
主な失敗例と対策
・ファイルサイズが大きい
モバイル環境での表示が遅くなり、ユーザーの離脱につながります。画像の最適化、PDF圧縮ツールの活用、ページの分割などが効果的です。
・メタデータが設定されていない
検索エンジンに正しくインデックスされず、SEO効果が期待できません。
また、視覚障害者向けの支援ツールでも正しく読み上げられません。
タイトル、作者名、キーワードなどの情報を適切に設定しましょう。
PDFファイルの失敗しない公開時のポイントとして、前編ではファイルサイズやメタデータの設定を紹介しました。
これらの問題を解決することで、ユーザー体験を向上させ、SEO対策にもつながります。
PDFの公開は、単にファイルをアップロードするだけでなく、ユーザー視点に立った丁寧な作業が求められます。
後編では、アクセシビリティに関する失敗やセキュリティに関する重要なポイントについてお話しします。
PDFの公開に関して、さらに深い知識を身につけたい方はぜひご期待ください!
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