【コロナ時代の社内報】における取材・撮影のポイント
先日、ある会社で、新しい生活様式をふまえた入念な準備を行ったうえで、社内報のインタビューと撮影を行いました。今回の記事では、その際に取り組んだことをもとに、これからの社内報のインタビューや撮影について、これまでとの違いと、その違いに対してどのような対応や対策が必要かについてお伝えします。
入念な準備のもとで行った社内報のインタビューと撮影
インタビューや撮影は、これまでは究極の3密状態で行われていましたが、今後は注意が必要です。今回の社内報制作では、下記の準備と対策のもとインタビューと撮影を行いました。
準備
- 政府や自治体が促している注意事項の再確認
- 新型コロナウイルス感染防止に関する会社の規定の遵守
- 新しい生活様式の実践例を参考にした事前のシミュレーション
- 事前のシミュレーションによる問題の把握と解消策の策定
- これらをもとにした取材・撮影のタイムテーブルの作成
対策
- 徹底した3密の回避
- ソーシャルディスタンスの徹底
- 間接的な接触の回避
こうした対策のもと行った取材の経験から、より安全で安心してインタビューや撮影を行うために必要だと感じた事前の準備について、「制作進行上の準備」と「安全確保のための物品」にわけてご紹介します。
制作進行上の準備リスト
新しい生活様式に対応した制作進行のために、以下の準備をおすすめします。
制作進行上の準備
- 密閉や密接を避けるための換気が可能な広い場所の選定
- 密集しないための参加者の制限の告知
- インタビュー当日のリモート参加のための準備
- 質問シートによる事前ヒアリング
- 電話やオンラインでの事前ヒアリング
- ラフデザインの作成
- 取材当日のタイムテーブルの作成と予行演習
- 当日配布資料のクリアファイルへの封入
場所の選定
狭い会議室は密閉かつ密集した空間で、密接する可能性も高く、換気が行き届かない場合もありますので、避けた方が安全です。
参加者の制限/リモートでの参加
今まではインタビューや撮影に直接関わらない関係者が参加されることもありましたが、これからは同席者の制限をあらかじめお願いしておく必要があります。インタビューに直接関係しない方はリモートで参加できるようにすることもぜひ検討してみてください。
時間の短縮
インタビューは、質問シートや電話、オンラインで済ませることがベストです。その時間を十分に確保できない場合は、事前に質問シートに回答してもらい、当日はできるだけ短時間のインタビューで済ませる工夫が望ましいです。
撮影についても最短で行うために、あらかじめラフデザインを作成し、そのデザインに必要な写真だけを撮影するといった工夫が必要です。
取材当日のタイムテーブル
テーブルや椅子の除菌、インタビュー中や撮影時の安全な距離の確認のために、これまで以上に時間がかかります。そうした時間も踏まえたタイムテーブルを意識しておきます。
クリアファイル
当日必要な資料はあらかじめ配布しておくことが望ましいですが、事前配布が難しいものや予備の資料などは、クリアファイルに入れておいて、資料そのものに不用意に何度も触れてしまうというリスクを予防しましょう。
安全確保のために準備する物品リスト
- 大きめ(A3サイズ程度)の鏡
- 粘着クリーナー(コロコロ)
- 撮影時にマスクを置くトレー
- 予備のマスク
- ペットボトルまたはカップホルダー
- コーヒーや紅茶以外の飲み物
- 手指用の消毒液
- テーブル、椅子用の除菌スプレー
- 非接触式の体温計
- 使い捨ての薄手ゴム手袋
- ゴミ袋
- ピンマイク
- 小型スピーカー付きのマイク
- フェイスシールド
大きめの鏡・粘着クリーナー
これまでは撮影時にカメラマンなどが直接、撮影対象者に触れて服装を整えることがあったかと思いますが、今後は撮影対象者ご自身にお願いすることになります。そこで、大きな鏡と粘着クリーナーを用意しておくと、一定の距離を保ちながら、整えていただく部分を伝えることができます。
トレーとマスク
撮影の際には撮影対象者にマスクを外していただくことになりますので、安全かつ速やかに撮影を行うために、取り外したマスクを置いておくためのトレーがあると便利です。予備のマスクを用意しておけば、撮影後は新しいマスクをお渡しすることもできます。
飲み物
インタビュー時の飲み物は、今後はご持参いただくか、飲み口に触れないように紙コップではなくペットボトルがおすすめです。もし紙コップを使う場合は、カップホルダーを準備しましょう。なお、コーヒーや紅茶は、砂糖やミルク、スプーン、マドラーなども用意することになりますので、これらが必要な飲み物は避けた方が安全です。
除菌グッズ
その他、除菌に関する道具は必ず用意しておきましょう。非接触式の体温計があるとより安心です。社内報のご担当者や取材スタッフの安全にも考慮して、設営時や片付けの際に薄手の使い捨てゴム手袋もあるとさらに安全です。これらを安全に廃棄するために、分別ルールに則った枚数のゴミ袋も用意しておきましょう。
ピンマイクや小型スピーカー付きのマイク
必ずしも必要ではないですが、インタビューを密閉空間を避けた換気のよい場所で、一定の距離をとって行うために、お互いの声が聞き取りづらかったり、ボイスレコーダーにノイズが入りやすくなったりするため、あると安心です。
フェイスシールド
インタビュー時にマスクを着用すると、声が届きづらかったり、声が籠ったりしますので、インタビューをする人は、マスクではなくフェイスシールドの方が、声が届きやすくなります。少し異質な感じもしますがおすすめです。
まとめ
新しい生活様式では、日常生活だけではなく仕事に関しても、あらゆる現場でソーシャルディスタンスをとることが求められています。こういった状況に対応して、現在では取材や撮影を行わずに社内報を制作している会社も多いかと思います。
けれども、さまざまな現場や社員の生の声を全社に広く伝えるために、今後もできる限りインタビューや撮影をしていきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
今はまだ取材や撮影が難しい状況ではありますが、これから先のwithコロナを踏まえて、積極的な社内広報活動へと向かうために、ぜひ今からできる準備や心づもりに取り組んでください。
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