社内すべての「ひと」に貢献する媒体を創ることが使命 <積水ハウス様 広報部インタビュー>
2020年8月に、紙版社内報の発行をストップし、WEB版社内報を新たに発行した積水ハウス株式会社様。広報部の槻並 省吾様、穴見 千佳様、小川 正之様に、リニューアルの経緯やWEB版への社内の反応、今後の展開などをうかがいました。
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Q.紙版からWEB版にした理由は?
槻並様:2年前ほど前から社内でWEB版の活用を検討していたのですが、私たちが実現したいことをりえぞん企画さんが整理してくださり、具体的に企画が進んでいきました。
穴見様:情報伝達のスピードと量はもちろん、発送の手間をなくせることと、コンスタントに更新できることも大きいですね。
小川様:紙版は全社員に行き渡ることやご家族の方にも読んでいただきやすいといった良さがありますが、情報の鮮度を保てない点が長年の課題でした。
Q.WEB版への当初の不安は?
槻並様:社員の皆さんがどれだけ見てくれるかは、やはり心配でした。WEB版が始まってからは、イントラネットへのバナー配置や、定期的に配信するメルマガでの新着記事の告知といった発信を心がけています。
穴見様:紙版に愛着のある社員の方も多かったのでWEB版に向けてはまずアンケートを行い、そこで賛成意見が多かったことは後押しになりました。
Q.WEB版の制作に関する知識について
穴見様:CMSを理解したり画像のピクセル数を調整したりと、初歩的な知識から身につける必要があったので、専門的な知識を持つ制作スタッフさんはとても頼りになりました。
槻並様:公開される完成形をイメージすることに紙とは違う難しさがありますが、同時に自由度が高まったとも感じています。
Q.WEB版にしてよかったところ
槻並様:読者の反応をWEB上でダイレクトに知ることができるようになりました。アクセス分析ツールを使って、どれくらい読まれているのか分析できることもメリットですね。コスト面でも効果はあらわれています。
穴見様:配信した記事は外出先でも読んでもらえますし、「いいね」の数や記事へのコメントを見ると、社員間の双方向コミュニケーションが生まれていると実感できます。
小川様:紙版では原稿チェック、誌面のゲラチェック、色校正などの手順が避けられず、そこにかける時間は決して少なくありませんでした。WEB版ではテキストと画像が揃えばあとは画面上で仕上がりをチェックできるので、効率的に編集作業を進めることができています。
Q.社内の反応は?
穴見様:読者である社員の方々から新しい企画の提案をいただくことが増えました。「イントラネットと連動できないか?」と声をかけてもらうこともあり、紙版のときにはなかった新鮮な反応をいただいています。
槻並様:経営陣やグループ会社の上層部からのコメントもあり、期待と応援をしていただいている雰囲気はひしひしと感じています(笑)
Q.イントラとの差別化は?
穴見様:イントラネットはどちらかといえば業務連絡の性質が強いので、内容確認は必須ととらえる社員さんも多いと思います。社内報はもちろん強制ではないので、それだけに能動的に閲覧しにきてもらえるようなコンテンツづくりが大切だと意識しています。
Q.りえぞん企画との関係は?
槻並様:社内だけで完結するとどうしても自分たちの論理にかたよってしまうので、第三者の視点はとても重要です。「取引先」「お客様」と区切るのではなく、ひとつの媒体をともにつくり上げるチームとして、対等に意見をぶつけ合える関係性を築きながら取り組んでいきたいと思っています。
穴見様:りえぞん企画さんとは週に1回の頻度でミーティングをしているのですが、企画内容や進捗確認から、ほんの些細なことまで気軽に相談できるので、すごく助かっています。
小川様:WEB版への移行は紙版で慣例的に続いていたコンテンツを見直す契機になり、りえぞん企画さんと打ち合わせを重ねる過程で、それまで当たり前と思っていた企画や特集に対してもあらためて振り返ることができたように思います。こういった改善は、外部の感覚を取り入れたことによる成果の一つですね。
Q.今後の取り組みについて
穴見様:WEB社内報を通して、場所や時間に左右されることなく社員間の双方向コミュニケーションをさらに活発にしていければ。それと、海外の社員の皆さんにも読んでもらえるよう英語のページも充実させながら、幅広い情報が集まるサイトにしていきたいと思います。
槻並様:WEBならではの見せ方を今以上に追求し、若手社員がメインの企画やリレーブログなどで、より多くの世代の社員さんが登場するような独自コンテンツを生み出していきたいですね。
小川様:紙とWEBの大きな違いである動画の配信にも、少しずつ力を入れていきたいと考えています。ただしやみくもに数を増やすのではなくあくまで質を重視しそれぞれに検証しながら、紙の良さも受け継いだ中身をつくりあげていきます。
Q.企業にとって「社内報」とは?
槻並様:情報発信や意見交換、個人間の関係性を円滑にするコミュニケーションツールの核になるような、ハブ媒体であるべきではないでしょうか。その役割を担う立場としてこれからも組織全般に対する理解をさらに深め、社内のさまざまな声を広く集められるように心がけていきます。
穴見様:社内報の制作に携わるなかで、企業はなにより「ひと」ありきだということを本当に強く実感しています。なので、その人なりの魅力をうまく引き出せたときは特にうれしくなりますね。特集内容に関して言えば技術や成果だけをクローズアップするのではなくそこに至る過程も丁寧に追いかけて、関わる人たちのこだわりや想いまでしっかり伝えられる媒体に成長させたいと思っています。
小川様:社内報はメディアの一つ。広報部に所属する私たちは、記者であり編集者であり代弁者でいなければいけないと自覚しています。客観的な視点を持ち続け、すべての社員の皆さんにとって有意義な中身をお届けできるよう、使命感を持って励んでいきます。
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