社内報コラム

【ウェビナー開催レポート】あるアーティストに学ぶストーリーブランディング〜人は何に感動するのか?

【ウェビナー開催レポート】あるアーティストに学ぶストーリーブランディング〜人は何に感動するのか?

2021年4月21日(水)に「あるアーティストに学ぶストーリーブランディング【人は何に感動するのか?】」と題したウェビナーを開催しました。今回は、コミュニケーションコンサルタントとして大手グローバル企業をはじめ多くの企業のブランディング活動に携わり、また宣伝会議で受講生累計1,000名を超える人気講座「クリエイティブ・ライティング講座」の講師としても実績のある広瀬さとし氏をお招きしました。

見込み顧客にリーチする広報表現とは?読まれる広報誌の作り方とは?普遍的なお悩みに対し、「ストーリーブランディング」や「他社事例」を題材に解決のヒントをお伝えしました。

ストーリーブランディングの概要

まず「ストーリーブランディングとは何か」から、セミナーは始まりました。以下は、広瀬氏の説明の抜粋となります。

消費者の「行動変容」を起こすために、製品やサービスがもつ物語性=ストーリーを描く手法であるストーリーブランディング。本ウェビナーでは、事実への共感や感動を“好き”や“欲しい”につなげることと、いったん定義します。

そもそも圧倒的な差別化ポイントを持っていたり、認知度が飽和している製品やサービスであれば、ストーリーを描くことは不要です。たとえば登場時のiPhoneや、コカコーラなどを思い浮かべてみてください。見てすぐ分かる前例の無い機能や、誰もが知っている製品であれば、いちいち開発の背景などを説明する必要はありません。しかし現実的には、そうしたポジションを獲得できるケースは希少です。

そこでマーケティングの手法のひとつとして、商品やサービスの「背景=ストーリーを語るアプローチ」が注目され、ストーリーブランディングとして定着していきました。

このストーリーによって、買い手が商品やサービスとの接点を発見する、言い換えれば「自分ごと化」することが可能となります。そして「自分ごと化」できた事実は、その人にとって「心の成果」となり、最終的には「自己肯定感」に接続します。たとえば、『こんな商品の良さを理解し、買おうと思った私ってステキ』となるわけです。(以上、抜粋)

企業や商品ブランディングに有効

さて、本セミナーで事例として取り上げられたのは、著名な女性アーティスト3人組。
今日では、日本だけではなく世界中にファンが存在しています。
おそらく多くの方が、名前を聞いただけでイメージが浮かんでくるのではないでしょうか。
そうした意味ではストーリーブランディングなど不要と思われますが、今日までの知名度を得るまでに、また根強いファンを獲得するまでに、多くのストーリーが重要な役割を果たしているとのことでした。

そして、そのひとつひとつのストーリーに触れた人が共感を覚え、感動し、ファンとして育成されていく。
時には自らの人生を重ね合わせ、生きる力さえ与えられる。そこまでの強い事実とストーリーを、この3人組は持ち合わせているそうです。

この事例を自身の会社に置き換えてみると、インナーとしてもアウターとしても、ブランディングの参考になり得ます。

製品やサービスを訴求するたびに「好き」や「感動」にいたるストーリーが、顧客をはじめステイクホルダーの心にしみ込んでいく。
そして再びその製品やサービスに触れたとき、しみ込んでいたストーリーが心の中から表出していく。

ストーリーはあらかじめ顧客などに仕込んでおいた、「良い先入観」とも言える・・・そう広瀬氏は力説します。

まず「FACT=ユーザーメリット」探しから

ストーリーの構成要素はFACTであり、心を打つにはFACT探しがまず重要であると、さらに広瀬氏は強調します。

FACTはユーザーメリットと置き換えても良く、「あなたの会社、商品、サービスにはどんなFACTがありますか?」との問いには、参加者の皆さんも思うところがあったのではないでしょうか。

自社に存在するFACTをまず探すことが、顧客などステイクホルダーの行動変容を促す最短の道であり、いくつものFACTがストーリーになって、ユーザーの心を捉えます。

ストーリーブランディングとは、ユーザーにとってのメリット=FACTを見つけ、ストーリーの素材にしながら、具体的に言語化することと言えるのですね。

読まれる広報誌の編集コンセプトとは

第2部は、読まれる広報誌の作り方として、成功している広報誌の編集コンセプトや編集方針の事例紹介からスタートしました。

中でもテーマとして新鮮だったのが、「どんな会社ならその広報誌は不要になるのか」。理想から逆算して編集方針を決める手法です。
補足すれば、現在の課題や悩み、困りごとを積極的に取り上げることで、理想の会社を実現し、問題を解決することが広報誌の役割に他なりません。

広報の現場では悩んでいる方が多く、広瀬氏の元に相談に訪れる方が多いとか。
そんな広報の方たちに、氏は「広報は会社を変えることができる、だからおもしろいんです」と力強いメッセージを送るとのことでした。

ほかにも経営への貢献として、作りたいものを作るのではなく、経営が何を求め望んでいるのかを考え、成果にこだわる必要性についても説明がありました。

最後に、たったひとつのコラムからでかまわないので、まずはできることからスモールスタート!「成果が出始めると周囲が応援団になり、何よりも自分が楽しくなりますよ!」と参加者の方々にエールを送りセミナーを終えました。

 

りえぞん企画では、今後も社内報制作やインナーコミュニケーションをテーマに、皆様のお役に立てるセミナーを開催していきますので、ぜひご参加ください!

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