人の気持ちを動かす動画社内報編集テクニック7選
社内報での動画活用が進むなかで、社内報担当者から、「どのようにすれば興味を惹いたり、また見たいと思ってもらえる動画にすることができるか」という相談が増えてきています。
動画版の社内報は紙・Web版よりも企画や計画の際に、しっかり構成を練っておくことが必須ですが、目指した映像にするためには撮影や編集のテクニックなど一定の知識があると効率的です。
今回の記事では、動画企画にも活きる、『見る人の気持ちを動かす動画』の編集テクニックについてお伝えします。
動画社内報の編集や企画で知っておくと便利な7つのテクニック
動画は映像や音声、文字などを駆使して情報を届けるだけではなく、見る人の気持ちに望ましい変化をもたらすことをねらって制作(編集)していきます。動画編集には紙やWebにはない観点が多く含まれています。
そのなかで、動画ならではの編集方法を以下にまとめました。
1. 映像のつなぎ方
2. 場面の切り替え
3. 時間の上手な活用策
4. 音響と音楽の効果と可能性
5. 色の効果と効能
6. 小道具の上手な使い方
7. サムネールの活かし方
1.映像のつなぎ方
動画全体で伝えたいメッセージや意図などの企画をもとに撮影と編集を行います。編集ではまず企画にもとづいて複数の映像をつなぎ合わせて作っていきます。この、映像のつなぎ方にも見る人に意図的な印象を与えたり、特定の感情を生んだりする、さまざまな手法があります。
社内報動画の場合は、インタビューシーンにインサートと言われる、インタビューで語られていることに関連する場面や場所、モノの映像を挟み込んでいくことが多くなります。
例えばスピード感のある動画にしたい場合は、インサート映像を小刻みにたくさんつなぎ合わせて、動画を展開させていきます。インタビューの印象をドラマチックに演出したい場合は、寄りの映像と引きの映像を交互につないだり、それぞれのインサート映像のスピードに変化を持たせたりして、見る人の感情にゆらぎを与える編集を行います。
ほかにも映像のつなぎ方にはたくさんのテクニックがありますので、映画やテレビ、YouTubeなど参考に検証していくことをおすすめします。
2.場面の切り替え
前述の映像のつなぎ方の一つですが、動画は時間に沿ってさまざまなシーンを展開し、情報やメッセージを印象的に伝えるツールとして、その効果を活かす工夫をし、見る人への影響や効果を高めていきます。
映像をつないで場面の切り替えを行うにはトランジッションという編集機能を活用します。トランジッションは、動画編集ソフトのツールですが、これを使うにあたり注意点が幾つかあります。
音声やBGMと映像のシーン切り替え。特に映像の切り替えには、文章の章立てのような、大きな括りに関する切り替えと、一連の話題のなかでのシーンの切り替えといった小さな括りでの切り替えがあります。
音声やBGMでシーンを橋渡しする方法を「オーディオ・ブリッヂ」と言いますが、小さな括りの切り替えの際に、音声やBGMを途切れさせてしまうと、映像はぶつ切りされた印象になります。それに対して、大きな括りの切り替えにもかかわらず、オーディオ・ブリッヂさせてしまうと、見る人は話がつながっていると錯覚してしまい、情報の区分が正確に認知されません。
このように、動画での場面切り替えは、見る人を心地よく、あるいは視聴感として目指す方向に誘う重要なポイントになりますので、それに合う印象のトランジッションと、オーディオ・ブリッヂの方法を選択することが、映像の内容と同等レベルの重要な要素となります。
3.時間の上手な活用策
映像は日常とは異なり、移り行く時間を編集者が操作できます。
特に社内報で動画を用いる場合は、インタビューシーンと、インタビューで語られる内容に見合った映像や写真をインサートさせていきます。
インサート映像は、撮影したままのスピードでつなぐことはもちろん、スローモーションやファストモーションにしたり、ときにはストップモーションにしたり、あるいはフラッシュバックやフラッシュフォワードで時間軸をずらしたり、映像を逆回転させたりすることも可能です。もちろんこれらは多用することなく、インタビューで語られている内容や、インタビュー中の間として、効果的に活用する必要がありますが、動画においては編集者が時間を自由に操作できるため、ぜひこういった手法も、効果的な動画にする工夫として、テクニックの引き出しに入れておいてください。
4.音響と音楽の効果と可能性
紙・Webと動画の決定的な違いに音響や音楽の挿入があります。音響や音楽は動画で醸し出したい雰囲気を決定づける最も重要な素材であり、同時に場面や話題の区分けを明確にするために欠かせない、情報伝達における極めて有益な素材でもあります。
編集者の立場としても、どんな音響や音楽にしようかと考えているときは、本当に楽しく、動画の完成が待ち遠しく、モチベーションアップにもつながります。
このように、動画には欠かせない素材ですが、大切なポイントは、見る人に伝えたい情報やメッセージ、あるいはそれらに基づく印象と一致する曲調やスピードのものを選ぶこと。そして、映像の展開と音楽のリズムやテンポを合わせること。さらに、曲の長さについても、作ろうとしている動画の長さや、章ごとの長さに合わせやすい曲を選ぶことです。
5.色の効果と効能
動画も紙やWebと同じように、色による効果を活かす場面があります。その主な使い方としては、登場する人の服装や小道具とテロップです。
登場する人の服装や小道具は、基本的には撮影前に計画しておく必要があるため、撮影したものを編集するだけではなく、企画段階から編集のゴールイメージを絵コンテ等で具体化させておくことが求められます。
テロップについては、編集で色を決めていくことも可能なのですが、動画の品質を高めるためには、企画段階から綿密に計画しておいたほうが確実です。
また、複数の方が登場するような動画の場合は、テロップの色を発言者ごとに変えることも効果的。誰が何を話しているのかを、色で視認できるようにすると、話し手が切り替わっていく展開を小気味よく見せることができて、映像の流れや音楽のテンポと相まって、奥行きを感じるものになります。
6.小道具の上手な使い方
小道具は通常、撮影の前に計画しておき、撮影時に映り込ませるものですが、編集時もインサート映像として小道具を活かすことも可能です。
例えば、インタビューでスケジュールの話をされているシーンのインサートに、カレンダーの映像を挿しこんだり、仕事の合間にリラックスするさいの話をされているシーンに、コーヒーカップの映像をアクセントで入れたりすると、インタビュー中の表情だけを流している動画よりも、見る人にとって、話のテーマがわかりやすくなったり、共感性が高い動画や、インタビューに答えていただいている方に親近感を持つことができる動画にすることができたりします。
7.サムネールの活かし方
サムネールとはWebなどに配置する動画再生のボタンのような役割を果たす画像のこと。
動画が見られるかどうかはサムネールで決まると言われるように、サムネールは動画において、極めて重要な素材の一つです。
サムネールに入れる要素としては、その動画のテーマと見どころを含むキャッチコピーと、その文言を表現する画像。
サムネールに動画のタイトルを入れているものを見かけることがありますが、タイトルに相当な魅力がないと、その動画が見られる可能性が下がるとも言われていますが、社内報で動画を用いる際に、タイトルがニュートラルな印象のものになる場合は、そのタイトルも考慮した上で、動画の内容や見どころを考えて、キャッチーなコピーを配置します。
もちろん、そのコピーは縁付きの袋文字にするなど、見る方の目に留まる工夫も忘れずに。
まとめ
動画は社内広報や社内コミュニケーション、社内ブランディングの領域でも、いまや一般化したと言えるほど、社内報の一つのツールとして活用する会社が増えてきており、その活用の幅も広がってきています。
そうした動きに比例して、社内報のご担当者のお悩みやご相談ごとが増えてきていることも事実。「社内報ラボ」では引き続き、社内報で動画を用いるご担当者さまのお役に立てる情報をお伝えしてまいります。
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