【はじめての社内報制作】 第15回 社内報のこれまでとこれから

社内報ノウハウ

【はじめての社内報制作】 第15回 社内報のこれまでとこれから

【はじめての社内報制作】 第15回 社内報のこれまでとこれから

はじめて社内報を担当することになった皆さんへ。

シリーズ はじめての社内報制作は、皆さんが楽しく自信を持って社内報制作に取り組めるようサポートすることを目的に、社内報制作の基本から、読まれる社内報にする秘訣までを、できる限りわかりやすく解説してまいります。

社内報づくり新しいエネルギーを採掘する仕事へ進化する

<上司>周年誌づくりに向けて、過去の社内報を整理しておいてくれ。

<山田>わかりました!って、何この社内報。

代とともに社内報も変わっていく

なんとなく「回覧板」のような感じなんだけど、昔の社内報ってこんな感じだったんだ。

<博士>おお、懐かしいのう。

<山田>あ、博士。

昔の社内報を整理していたんですけど、今の社内報とは全然違いますね。

<博士>うむ。

昔の社内報は、会社からのお知らせや、社員の結婚・出産といった、家族の近況を共有し合うなど、会社と社員や社員同士を家族のようにつなぐことが重視されていたんじゃ。

<山田>今の社内報とはずいぶん違いますね。

<博士>社内報そのものが変わったというより、会社を取り巻く環境が変わり、社内報に求められる役割が変化してきたんじゃよ。

<山田>たとえば、どんなところですか?

<博士>20年ほど遡るが、まずはリーマンショックじゃな。

<山田>社内報にはどんな影響があったんですか?

<博士>それまでフルカラーで発行していた社内報も、コスト削減で1色にしたりと、発行そのものをどうするか問われるほどの事態だったんじゃ。

<山田>社内報がなくなるような事態だったんですね。

<博士>ところが実際はその逆で、それ以上に社員の「不安」を払拭し、危機に立ち向かう「勇気」を届けることが重要視されて、休刊ではなく、むしろより注力しようとする企業も少なくなかったんじゃよ。

「絆」で幾重にも連なる危機的状況を乗り越える

<山田>そのあとの時代も急激な円高や東日本大震災など、まだまだ厳しい状況が続くんですね?

<博士>そうじゃ。

震災は会社と社員の関係、社員同士のつながりを改めて問い直す出来事だった。

この時期、社内報のテーマは「絆」へシフトし、会社としてどう立ち向かうか、どう寄り添うかが重視されたんじゃ。

<山田>同じ危機的な状況でも違うことをするんですね?

<博士>その違いを考えることは、社内報を作る上で欠かせない視点じゃな。

社内報を大きく変えた経営のグローバル化

<山田>そのあと社内報はどう変わっていくんですか?

<博士>多くの企業が経営のグローバル化を急速に推し進めたんじゃ。

<山田>博士、それまでもたくさんの企業が海外に展開していましたよね?

<博士>うむ。

ただ、それまでの海外展開は、海外事業は他の事業のなかの一つといった感じで、社内報のスタンスも海外での仕事や暮らしなんかを伝えておったんじゃ。

<山田>海外拠点やその地域の風景、料理の紹介と言ったことがウチの社内報にも載っています。

<博士>しかし、この頃のグローバル化の動きは、それまでの日本を軸にした考え方ではなく、日本も世界の一部といったような、経営そのものをグローバル化させるといったもので、それに伴って価値観のグローバル化が求められるようになっていったんじゃよ。

<山田>価値観もですか。

そうなると、社内報も大きく変化していきそうですね。

<博士>そうじゃ。

価値観のグローバル化は、例えばダイバーシティ&インクルージョンや働き方改革、健康経営といった、それまでにはなかった考え方を、社内に浸透させることが求められるようになったんじゃ。

<山田>社内報で取り扱うテーマが一気に増えたんですね?

<博士>テーマや内容のことだけではなく、社内報は新しい価値観を組織にインストールする装置として、役割が大きく変わっていくんじゃよ。

問われはじめた会社の「存在意義」と社内報のカタチ

<山田>ウチの会社ではちょうどその頃、Web社内報の本格的な運用が始まったようなんですけど、それも関係していますか?

<博士>そうじゃな。

取り扱うテーマが増えたことはもちろんなんじゃが、新しい価値観を共有するためには、組織の垣根を越える双方向のコミュニケーションや、会社の動きをより速やかに伝えることが、それまで以上に求められるようになったのが大きいのう。

<山田>それがきっかけで紙の社内報から、社員同士のコミュニケーションを促すコンテンツや、タイムリー性が求められるニュースなどが減っていって、今の雑誌のような社内報に変わっていったということですか?

<博士>そうとも受け取ることができるが、雑誌のような見せ方に変わっていった一番の理由はESGやSDGsといった、これまでとは異なる、企業経営の新しい考え方や責任が影響しているんじゃよ。

<山田>ESGやSDGsと社内報のカタチとどう関係しているんですか?

<博士>社内コミュニケーションはそれまで自社の事業領域において、いかに顧客から支持されるかといったことを出発点にして、いかに競合との違いを示して打ち勝つか、そのために何をするべきかといった考え方で行われていたんじゃ。

<山田>(何となく昭和っぽい・・・)

<博士>ところがESGやSDGsを踏まえた企業経営は社内コミュニケーションの出発点を、

・私たちは何のために存在するのか?

・私たちはどんな社会を築いていくのか?

・私たちはどんな会社を目指していくのか?

といった内容に大きく転換するに至ったんじゃよ。

<山田>ESGやSDGsによって、社内コミュニケーションの出発点がパーパスになったというわけですね?


<博士>そうじゃ。

そしてそのために社内報は、パーパスを社員一人ひとりが自分ごととして捉えられるように、それまでのトップダウン型ではなく、雑誌のようなストーリー性を持たせた伝え方や見せ方を取り入れるようになってきたんじゃよ。

<山田>紙の社内報はその頃に今の社内報のような編集をするようになったんですね。

<博士>うむ。

これからは社員もメッセージの送り手になる

<山田>コロナ禍も大きな転換点になったんじゃないですか?

ウチの会社でもWeb社内報を主役にして、紙との棲み分けを進めていくきっかけになりました。

<博士>そうじゃな。

ただし、社内報はコロナ禍が明けた頃を機に、コロナの影響よりも大きな変化をもたらす考え方が企業経営に浸透し始めるようになったんじゃよ。

<山田>それってどんな考え方ですか?

<博士>人的資本経営って知っておるか?

<山田>はい。

社員は会社の持ち物である「資産」ではなく、価値や未来を共につくっていく主体そのものである「資本」だといった考え方ですよね?

<博士>その通り。

人的資本とは、社員は「戦力」や「コスト」ではなく企業の未来をつくる主体であり、一方で会社は目指す姿に向けて、社員一人ひとりと向き合いながら共に成長していくといった考え方なんじゃよ。

<山田>それによって社内報にどんな変化が生まれるんですっけ?

<博士>それまでは会社が情報やメッセージの「送り手」であり、社員は「受け手」だったんじゃが、これからは会社と社員の双方がお互いに、「受け手」であり「送り手」の関係になると考えておる。

<山田>お互いに受け手であり送り手であるということは、つまり会社と社員は「対話する関係」に変わるということですか?

<博士>ズバリその通りじゃ!

<山田>つまり社内報は、社員が自ら投稿できるようなツールにしていく必要があるということですか?

<博士>そのような「場」としてのツールや、SNSのようなお互いが考えや意見、体験を交わし合うようなツールは、今よりももっと必要になってくるかも知れんのう。

<山田>そうなると社内報は必要なくなってくるんですかね?

<博士>いやいや、社内報はなくなるどころか、むしろこれからの方が必要性が高まるんじゃないかと考えておるんじゃ。

社内報づくり新しいエネルギーを採掘する仕事へ進化

<山田>なくなるどころか、必要性が高まっていく?

<博士>そうじゃ。

これからの社内報は、社員の自律的な行動や想いを丁寧に拾い集め、それを編集のチカラでみんなで共有できるような熱量のある「情報」にすることで、組織をより活性化させていくエネルギーとしていくツールになっていくと考えておるんじゃ。

<山田>そうなると社内報づくりは、一人ひとりの行動や想いを、組織を動かす資源のように採掘したり精製したりして、社内に広く届けていく仕事に進化するといった感じですかね?

<博士>まさにそんなイメージじゃよ。

<山田>そうなると、社内報担当者の責任は今まで以上に重くなるんじゃないですか?

<博士>そうじゃな。

社内報の価値が今よりも大きくなる分、責任も重くなっていくじゃろうな。

<山田>ただ、それ以上にやりがいも大きくなっていきそうです。

<博士>その感覚を大切にしながら、今の社内報を常に新しく生まれ変わらせていくといった意気込みで取り組んでいくと、社内報づくりはもっと面白く、もっと可能性に満ちたものになっていくんじゃないかのう?

<山田>tありがとうございました!

なんだか、社内報の未来がもっと楽しみになってきました。

がんばっていきます!!!

社内報に関するご相談、問い合わせはこちらから

関連記事