社内報制作にも使えるの? ChatGPTを活用した情報収集術
企業の社内報・広報担当者の方は、誰もが1度、制作物の作成にかかる手間を削減したいと考えた経験があるでしょう。最近話題のAIツールを活用することで、時間がかかる情報収集作業の効率化ができます。
本記事では企業の社内報担当者向けに、AIチャットボットの代表例「ChatGPT」を使った情報収集術や作業が捗る拡張機能を解説します。記事を読み終える頃には、地道な作業の時間短縮が可能です。効率よく情報収集を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。
情報収集でChatGPTを利用する際の2つのポイント
ChatGPTでの情報収集のやり方は簡単です。「◯◯について教えて」と質問すると、瞬時に回答が得られます。至ってシンプルな仕組みですが、正確な回答を得るには工夫が必要です。以下の2点を抑えることで、的確な回答を得ることができます。
1. 具体的に質問する
ChatGPTで情報収集を行う際には質問を具体的にしましょう。的確な情報を得るためには、以下の命令式で条件を指定する方法がおすすめです。
命令: あなたは「○○(職業・職種など)」です。 以下の制約条件をもとに「○○(キーワード)」を教えてください。
制約条件:文字数○○字程度
形式:箇条書き、番号付きリスト形式など
時期や目的を絞り込むことで、回答精度を高められます。とくに、文字数や形式を設定することで文章作成時の手間も削減可能です。
2. 1度につき1つの質問をする
複数の問いを混ぜると、回答が曖昧になりがちです。たとえば「取引先訪問時のマナーと、ビジネスメールの送り方を教えてください」 と聞くと、不自然な回答が返ってくる可能性があります。やり取りをリセットして複数の質問を混入しないようにしましょう。
情報収集でChatGPTを活用する際の注意点
ChatGPTをはじめとするAIチャットボットを活用する際は「情報ソースの正確性」と「機密情報・個人情報の漏洩」に注意が必要です。回答は正確とは限らず、誤回答が提供されるケースもあるため、情報精査能力が求められるでしょう。質問内容も記録しているため、個人情報や機密情報の漏洩には、細心の注意を払わなければなりません。
Googleスプレッドシートとの連携で情報収集を自動化する方法
より効率的に情報を集めたい場合は、Googleスプレッドシートとの連携がおすすめです。「GPT for Sheets and Docs」とOpenAIのAPIキーを用意するだけで、リサーチとリストアップ作業を一度に済ませることができます。特別な知識は不要のため、活用してみましょう。
1. Google Chromの拡張機能「GPT for Sheets and Docs」をインストールする
Google Chromeで「GPT for Sheets and Docs–Google Workspace」にアクセスして「インストール」を実行します。アカウント選択画面でログイン中のGoogleアカウントを選択しましょう。
2. OpenAIのAPIキーを発行する
続いて、GPT for SheetsのAPIキー設定を行います。「APIキー」はアプリの機能を連携する認証コードであり、OpenAIのユーザーページから発行できます。OpenAIのAPIページから「Create new secret key」をクリックすると自動生成が可能です。
3. APIキーをGoogle スプレッドシートに紐づける
発行したAPIキーをスプレッドシートに設定します。Googleスプレッドシートの「拡張機能」から「Apps Script」を選択します。「GPT for Sheets and Docs」から「Set API key」をクリックし、APIキーを入力しましょう。「Save API Key」を選択すると紐づけ完了です。
4. 調べたい事柄を表形式で記入する
設定を終えたら、調べたい事柄を入力する表を用意します。たとえば、会社の特徴を表にまとめたい場合は取り上げたい社名を縦列に入力しましょう。以降は通常の表作成と同じように、横列に調べる項目(特徴やURLなど)を記載します。
5. 回答を生成する関数を入れると結果が得られる
ChatGPTの応答文を生成するGPT関数を設定して回答を取得します。「=GPT(“○○”)」と「=GPT」の後に命令文を囲むことで回答が記載されます。直接命令文を記載する方法のほかに、以下のようにセルを指定する記述も可能です。
- 例:「B3(サービス名)」の「C2(特徴)」を「簡潔」に調べてもらう場合
=GPT(“B3”&の”&C$2&“を簡潔に教えて”)
上記の記述で「ChatGPTの特徴を簡潔に教えて」と質問できます。「&」はセル名と文字をつなげる役割を担っているため、忘れずに入力しましょう。GPT関数を応用することで、情報収集が一気に捗ります。
ChatGPTを用いたリサーチ業務におすすめの拡張機能3選
ChatGPTをビジネスで活用する際、Google Chromeの拡張機能を併用することで作業効率の更なる向上が可能です。今回はリサーチ業務に役立つ代表的な拡張機能を3選解説します。目的にあわせてカスタマイズしましょう。
1. 検索結果と同時にChatGPTの回答を表示できる『ChatGPT for Google』
『ChatGPT for Google』は、Google検索の結果と同時にChatGPTの回答を表示する機能です。1画面上に結果が表示されるため、画面を切り替える手間が省けます。情報を深掘りしたい場合や単語を調べる際に活躍するでしょう。
2. 最新情報の検索には『WebChatGPT』
『WebChatGPT』をインストールすると、インターネット上の検索結果をChatGPTの回答に追加できます。リアルタイムの検索内容が反映されるため、最新情報に対応できないChatGPTの欠点を補うことが可能です。
3. Youtube動画の要約を可能にする『YoutubeDigest』
YouTube動画の要約ができる『YouTube Digest』は少ない時間で多くの情報に触れたいというニーズに応えた拡張機能です。要約結果をPDFに書き出せる機能が搭載されており、資料作成の効率化も叶えられます。
ChatGPTは社内報制作のリサーチ作業に活用可能!
ChatGPTは社内報制作時のリサーチ作業に活用可能です。たとえば新しい拠点の周辺スポット情報や、熱中症・インフルエンザ予防対策などの季節情報は、チャットに問いかけるだけで簡単に収集できます。ほかにも、基本のビジネスマナーや伝わりやすい資料ノウハウもリサーチ可能です。命令文を細かく指定することで、校正作業のみで掲載できる品質に仕上げられます。
まとめ
ChatGPTに質問することで、膨大な情報をスムーズに収集可能です。応用次第で自動収集や最新情報の検索もできるため、手間がかかるリサーチ業務の負担を減らせるでしょう。情報ソースの確認や情報漏洩に注意を払いながら使う必要がありますが、日々改善が繰り返されており、今後の進化も期待されているツールです。社内報などの広報業務のリソース不足に悩んでいる方は、 AIチャットボットの導入も検討しては如何でしょうか。
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