社内報制作にも使えるの? ChatGPTを活用した原稿作成術
原稿やビジネス文書の作成は、企業の社内報・広報担当者をはじめとするビジネスマンにとって膨大な時間を費やすでしょう。近年では文章作成にかかる負担を軽減するために、多くのAIツールが登場しており、活用次第で高度な文章を瞬時に作成可能です。
本記事では、社内報の制作担当者や編集者向けに「ChatGPT」を使った文章・原稿作成術を解説します。記事を読み終える頃にはビジネス文書の作成にかかる手間を削減できるでしょう。文章の品質を向上させつつ、作業を効率化させたい方は必見です。
ChatGPTはビジネス文書作成に活用可能!
ChatGPTには、メール文や社内報の原稿作成から文章の校正まで幅広く任せることが可能です。高度な文章を生成するには「指示」が大切です。何をどのように伝えたいのかを指定することで、正確な文章を生成できます。
ビジネス文書作成にChatGPTを利用する際の注意点2選
ChatGPTをはじめとするAIチャットボットを文章作成に活用する際は「内容の正確性」と「文章表現」に注意を払いましょう。具体的な注意点は以下のとおりです。
1. 誤情報が混入していないかチェックする
ChatGPTの回答は、常に正確であるとは限りません。膨大なデータから回答を生成するため、文脈を正確に読み取れずに誤回答が生成されるケースがあります。ChatGPTの生成した文章は、必ず一次情報を確認しましょう。
2. 不自然な文章ではないか確認する
ChatGPTは、不自然な文章を生成するケースも少なくありません。高度な自然言語処理能力を持つとはいえ、精度には限界があります。とくに、専門分野に対しては念入りな校正を行うことが大切です。
ChatGPTでビジネス文書を作成しよう!【3つの活用術】
汎用性の高いChatGPTは、的確な命令文を入力することでさまざまなビジネス文書の作成を瞬時に行うことが可能です。
1. メール文章を作成する
ChatGPTに質問することで、顧客へ送るメール文章をスムーズに生成できます。以下のとおりに命令文を入力することで、文章が出力されます。
例:請求書送付依頼の命令文
件名:「請求書送付のお願い」
請求書依頼の理由:「サービス利用料の請求書を依頼する」
送付先の確認:「請求書の送付先を確認する」
期限の指定:「請求書の送付期限を指定する」
締めの言葉:「ご確認お願いします」
依頼理由から送付期限の日付まで明確に指定することがポイントです。あいさつ文や連絡先を組み込むこともできます。
2. カスタマーサポート用のテンプレートを作成する
顧客から寄せられる質問のリストアップや、突発的な問い合わせへの返信文もChatGPTに任せることができます。カスタマーサポートに役立つ命令文は以下のとおりです。
例:問い合わせの返答を作成する命令文
命令文:あなたはプロのカスタマーサポート担当者です。以下の<お問い合わせ内容><制約条件><参照情報>をもとにメール返信文を出力してください。
お問い合わせ内容:顧客からの質問
制約条件:文字数、文体など
参照情報:関連するURL
上記の命令文によって、顧客への返答時間を短縮させることが可能です。
3. プレゼン資料を作成する
ChatGPTにプレゼンのテーマとポイントを伝えると、プレゼン用の原稿を生成できます。「○○のメリットを説明するプレゼン資料を作りたい」と指示することで、原稿の提案を出力することが可能です。さらに、プレゼン資料ツールの「Marp」と連携することで、あっという間にスライドが完成します。やり方は以下のとおりです。
1. ChatGPTでプレゼン資料の内容を指示する(Markdown*で出力する旨を記載)
2. 拡張機能の「Marp for VS Code」でChatGPTに生成してもらったコードを貼る
上記の設定で、スライド作成にかけていた時間を有効活用することが可能です。
*Markdown:テキストベースの軽量マークアップ言語で、文書の書式設定をシンプルかつ直感的に行うために使用。見出し・リスト・強調・リンク・画像など、基本的な要素を簡単に記述できます。また、ソースコードの挿入や引用も可能です。
【応用編】Googleドキュメントとの連携で文章を自動生成する方法
社内報や広報の制作には、ChatGPTとGoogleドキュメントの連携がおすすめです。Googleドキュメントの「Apps Script」とOpenAIのAPIキーを連結させるだけで、構成案から本文まで自動生成できるため、ぜひ設定してみましょう。設定には「ChatGPT」の提供元である「OpenAI」のユーザーページからAPIキーを発行する必要があります。OpenAIのAPIページから生成しておきましょう。
1. 「Apps Script」からスクリプトを設定する
Googleドキュメントから拡張機能メニューの「Apps Script」をクリックします。「Apps Script」は、コードを記述することでGoogleのサービスを拡張できる機能です。
画面にChatGPTとGoogleドキュメントを連携させるためのスクリプトを記述しましょう。スクリプトは、ChatGPTに「Apps Scriptを使ってChatGPTとGoogleドキュメントを連携させる方法を教えてください。」と入力することで自動生成されます。生成されたコードを貼り付け、「’YOUR_API_KEY’」の部分をAPIキーに書き換えて実行しましょう。
2. 書きたい文章のテーマを入力する
設定が終わると記事を生成することが可能です。記事のテーマを書いて選択し、メニューから「Ganerate Ideas」をクリックしましょう。記事の構成案が10個生成されます。
3. 本文の作成を指示する
構成案をドラッグして本文の作成を指示します。「Write blog」をクリックすると文章が生成されるため、修正を加えて完成させましょう。一度連携機能を設定できれば、上記の文章作成を繰り返すだけで原稿を用意することができます。
ビジネス文書作成に特化したおすすめAIツール3選
AIツールには、議事録作成やカスタマーサポート、プレゼン資料作成などに特化したサービスが存在します。ChatGPTでは対応できない文字起こしやデザイン作成を行うことが可能です。目的に特化したAIツールの導入を検討しましょう。
1. 会議の文字起こしに『COTOHA Meeting Assist』
『COTOHA Meeting Assist(コトハミーティングアシスト)』は、NTTコミュニケーションズ株式会社が提供するAI議事録作成ツールです。会議での発言がリアルタイムに文字起こしされるため、簡単に議事録が作成できます。
10種類の言語を翻訳できるほか、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議にも対応できます。議事録作成に費やす時間を削減したい場合に、おすすめのツールです。
2. 社内の問い合わせ対応に『OfficeBot』
『OfficeBot』は、AI技術で社内の業務効率向上を叶えるFAQシステムです。就業規則や給与規定などのドキュメントを登録するだけで利用することができます。「ChatGPT」との連携機能も搭載されており、公的手続きの方法やソフトウェアの使い方など、一般的な質問にも対応できます。問い合わせ業務全般の負担を軽減したい場合に最適です。
3. プレゼン資料作成に『Beautiful.AI』
『Beautiful.ai』は半自動的にプレゼン用スライドが作成できるAIツールです。豊富なテンプレートからデザインを選択し、文章や資料を追加するだけでスタイリッシュなデザインを生成します。コスパよくデザイン性に優れたプレゼン資料を作成したい場合におすすめです。
ChatGPTで社内報を作成しよう!原稿作成への活用術
ChatGPTは社内報の原稿制作にも活用可能です。下記のようなさまざまな回答の生成を試してみてください。
1. 原稿の校正
用意した原稿の要約、表現の書き換えがスムーズにできます。
2. インタビュー記事の構成作成
社員へのインタビュー記事ネタの提案や、質問事項をまとめた構成案の生成も可能です。
3. コラム記事の生成
「○○の見解を教えてください」と質問することで、独自の見解を提案してくれます。経営方針や業界の展望などに関する話題を展開させることが可能です。
命令文の工夫次第で、あらゆる文章を生成することができます。
まとめ
ChatGPTを用いることでビジネス文書作成にかかる時間が短縮できます。とはいえ、誤情報や不自然な文章が混入しないように注意を払いましょう。応用次第で、記事作成の自動化やプレゼン資料の自動生成もできます。
議事録の作成や問い合わせ対応などの文章作成に特化した類似AIツールも豊富に存在します。社内報やビジネス文書の作成にお悩みの方は、AIツールの導入によって作業の効率化を実現させましょう。
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