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α世代(ジェネレーションα)とは?Z世代との違いや特徴、施策のポイントを解説

α世代(ジェネレーションα)とは?Z世代との違いや特徴、施策のポイントを解説

現在最も注目度が高いZ世代に次いで、数年後に経済を左右する世代として話題になり始めているのがα(アルファ)世代です。α世代の人口は2025年には世界で25億人に達し、今後の消費行動や企業のマーケティング戦略に大きな影響を及ぼすと考えられています。

そこで今回は、α世代の意味と主な特徴、Z世代との違い、α世代に向けての施策のポイントについて解説します。

 

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α世代とは何?

α世代はおよそ2010年~2025年生まれ、2030年以降に成人となる世代を指し、「ジェネレーションα」とも呼ばれています。オーストラリアの学者マーク・マクリンドル氏によって名付けられた言葉で、これまでとは違った新しい世代であることを表すため、アルファベットの代わりにギリシャ文字の「α」が用いられました。

α世代はミレニアル世代(Y世代)の子供に当たる世代で、全員が21世紀生まれになる最初の世代になります。2022年現在は最年長でも12歳なので、社会や経済の主役を担うのはまだ先のことですが、彼ら・彼女らの価値観が既に家庭での購買動向に影響を及ぼし始めています。

α世代の子供たちが欲しがるものを親が買い与えたり、やってみたいことを積極的にさせたりすることで、α世代は社会や経済にとっての間接的なインフルエンサーになりつつあるのです。

α世代の主な特徴は

同じα世代でも個人差は大きいため一概には言えませんが、概ね次のような点がα世代の特徴として挙げられます。

親世代(ミレニアル世代)の影響を受けて育っている

α世代の親の大半はミレニアル世代(現在25~40歳代)で、「サステナビリティ」「地球温暖化」「男女機会平等」といった社会的課題への関心が高い傾向にあります。

そのためα世代である子供たちに買い与えるモノも、例えばリサイクルできるパッケージに入ったお菓子、非プラスチック素材の玩具、オーガニック食品など、社会問題の解決に寄与するものを選ぶ傾向があります。

こうした親に影響されて育つα世代もまた、親世代と共通の価値観でモノやサービスを選ぶ傾向が強まると考えられます。

Z世代の上を行く「デジタルネイティブ」である

SNSやスマホ、タブレット等の登場後に生まれたα世代は、Z世代のさらに上を行くデジタルネイティブです。生まれて初めて手にしたおもちゃがデジタルデバイスで、幼稚園からプログラミングを学び、キャッシュレス決済やアプリ内課金などに馴染んだ子もいるなど、デジタル社会を現実の一部と認識しつつ暮らしています。

そして様々なWEBサービスを使いこなして育ったため、広告を含むWEBコンテンツが自分向けにパーソナライズされていることを当然のように受け止めています。デジタル社会で生きていくことに対し、他の世代よりもずっと馴染みが強いと言えるでしょう。

多様な学びの手段を経験している

紙の教科書と対面授業だけで育った大人世代と違い、デジタル教科書、端末を使った遠隔授業、オンデマンドの動画教材、遠隔・オンライン授業とのハイブリッド化など、α世代は多様な学びの手段を経験しています。

特にコロナ禍の影響で急速に遠隔・オンライン授業の普及が進んだため、将来的にはICTが学校の中で当たり前に使われるようになり、学びの手段はさらに多様化するでしょう。

withコロナの生活に慣れている

α世代は、人格形成に大きく影響する幼少期を「withコロナ」状態で過ごしてきました。多くが在宅学習、学校行事の中止・縮小などイレギュラーな学校生活を送り、休日も旅行やレジャーの代わりにステイホームを強いられました。

こうした経験から、ストリーミング配信の視聴やオンラインゲームなど、屋内で楽しむエンターテイメントやレジャーとの接点が増えたことが、将来のα世代の消費行動に一定の影響を与えるものと考えられています。

多様性を受け入れやすい

α世代はZ世代以前に比べて、「皆と一緒が安心」「マジョリティ(大多数)に合わせる」という感覚は薄く、ダイバーシティ(多様性)を受け入れやすい傾向にあります。

国籍や文化の違いはもちろん、LGBTQやエックスジェンダー、アセクシャル(恋愛感情を他者に抱かないという概念)など柔軟な恋愛観が登場していることで、価値観がさらに多様化していく世代とも言えるでしょう。

α世代とZ世代の違い

α世代を一つ前のZ世代と比較して捉えてみましょう。

Z世代は現在中高生~20代半ばと消費の中心になりつつあり、子供の頃から身近にあったデジタルデバイスを駆使して、SNS等での情報収集・コミュニケーションを日常的に行ってきたため、それまでの世代とは価値観や行動特性が大きく異なると分析されてきました。

ではα世代はどうでしょう。Instagramがサービスを開始し、iPadが発売されたのが2010年で、α世代は生まれた時点で既にSNSやタブレット端末が発展していました。小学校からプログラミング教育に触れ、コロナ禍を機にタブレットを通じたオンライン授業にも馴染んでいます。スマホネイティブと呼ばれたZ世代と比べても、α世代を取り巻くデジタル環境は大きく進化しています。

またα世代は、自分の想いや好きなことを社会へアピールするのに慣れています。SNSで意見を発信したり、ハッシュタグを付けて拡散させたりすることへの抵抗感は、Z世代よりも低いと思われます。

α世代に向けての施策のポイント

α世代は世界規模で見ると、ベビーブーマーを超える世代人口にまで膨らむと試算されています。では、近い将来大きな購買パワーを持つα世代を見据え、どこにポイントを置いて施策を展開すればいいのかを見てみましょう。

ミレニアル世代の子育て消費に注目

α世代はまだ消費主体になる前の段階なので、まずは親=ミレニアル世代の子育て消費に注目する必要があります。

ミレニアル世代は「モノ消費」に対しては節約志向ですが、他者との交流を含む体験型の「コト消費」には価値を感じる傾向があると言われます。そして必要な情報は自らSNS等で獲得し、価値観の近い仲間とのつながりを大切にするなど、マスメディアよりも個々にマッチした情報との関わり方を好みます。

こうした傾向は子育てにも強く反映されるでしょう。共働きが大半の家族世帯では、時短や経済効率につながる毎日のサービス・商品が不可欠です。また、子供に良質な体験をもたらす商品、環境、教育への投資には積極的になると思われます。

コスパよりもタイパに着目

今の10代から20代の価値観を言い表すキーワードとして、「コスパよりもタイパ」が挙げられます。タイパとはタイムパフォーマンス、即ち時間に対してどれだけの対価を得られるかを表す言葉です。日々膨大な情報に晒される中、いかに効率よく情報や商品を手に入れるかを重視する姿勢がうかがえます。

その一方で、自分らしさを表現する個性的な商品や、新しい技術への志向性も強く、効率の良さとユニークさへのこだわりを併せ持つ世代だと言えそうです。

 

まとめ

未来の消費行動を作るα世代が社会に出るまでには、しばらく時間があります。上に挙げたα世代の特徴は現時点での推測に過ぎず、具体的な消費行動として表れてくるのは10年程先になるでしょう。

しかしα世代が社会・経済に大きな影響を及ぼす存在になるのは確実なので、彼らがどんなモノやサービスを好み、どのような意思決定をして行動するのか。今からしっかりと見極めておく必要がありそうです。

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