Web3.0の特徴とは?実用例や社内ツールとしての可能性を紐解く
2021年からアメリカを中心にWeb3.0が評判になっています。Web2.0と比べてWeb3.0がどのように異なるのか、また実用例や社内ツールとしての可能性を解説していきます。
Web3.0とは
Web3.0は新たな形でのインターネットを表す言葉であり、脱中央集権型とブロックチェーンが主な特徴です。
Web3.0の概念
インターネットに関連する企業はほぼ大手企業です。特にGoogle、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftのそれぞれ頭文字であるGAFAMからガーファムとよばれます。世界中で多くのユーザーがWebを使った買い物や検索をしていても、利益を得るのはこれらの一部の大手企業だけです。
そこで、情報を分散することにより一部大手企業が独占するのではなく、情報の主権を民主的にしたのがWeb3.0の概念です。
Web3.0の概要
Web3.0はブロックチェーン技術を基準とした非中央集権型です。Web2.0まではインターネットを利用するためには管理者が存在していましたが、Web3.0では各ユーザーがデータを管理したり共有したりすることで、サービスの維持が可能になりました。
大きな特徴としては、個人情報を自分で管理するため、サービスの運営者に提供する必要がなくなります。管理者に一度個人情報を提出するのではなく、ユーザー同志で情報の好感ができるということです。このため、近年問題になっているネットリスクの軽減につながります。
Web1.0や2.0と比較
Web3.0は第三世代といわれており、その前にWeb1.0(第一世代)、Web2.0(第二世代)がありました。Web1.0はインターネットが一般的に使われるようになった頃を指します。この頃は一方的に情報を提供していた状況で、連絡を取る方法はメールがメインでした。
2005年以降になり、SNSを中心に双方向にコミュニケーションを取れるようになりました。Webの使い方において幅が広がり利便性が高まり始めたのもこの時です。しかし、中央集権的な構造が問題になりはじめたのもこのWeb2.0に入ってからです。
例えば、Googleのサービスにはさまざまな種類があり便利で多くの人が使っているのですが、GoogleにWebの閲覧履歴や個人情報が集まっています。Web3.0ではこのように特定の企業や団体に個人情報を送る必要がなくなります。
時期 | 特徴 | 代表的なサービス | |
Web1.0 | 1990年~2005年頃 | 一方的に情報を発信 | ホームページ |
Web2.0 | 2005年以降 | 双方向にコミュニケーション可能 | SNS |
Web3.0 | 2021年以降 | ユーザー同志で取引(特定の運営者不在) | ブロックチェーン |
Web3.0注目の背景
Web3.0が注目される背景として次の点が挙げられます。
- 個人情報を守るための取り組み
- 個人が尊重される動き
- ブロックチェーン技術の進歩
個人情報を守るための取り組み
Webを通してサービスを利用する場合、個人情報を入力することが一般的です。しかし、
個人が尊重される動き
日本では誰でもインターネットを利用できますが、国によっては政府が特定のサイトを規制している場合があります。しかし、Web3.0のコンセプトである個人の尊重により世界中の誰もがさまざまなWebサービスを利用できるようになります。
ブロックチェーン技術の進歩
個人情報に対する意識や個人が尊重される動きは以前からありました。近年Web3.0が注目されるようになったのは、Web3.0の基盤となっているブロックチェーン技術の進歩です。つまり、Web2.0において課題となっている点をブロックチェーン技術によって解決につなげています。
Web3.0 ココが凄い
Web3.0はWeb2.0と比較して、さまざまな点で特徴やメリットが異なっています。
注目すべき特徴
Web3.0には次のような特徴が挙げられます。
- 公正な取引ができる
- プライバシーの保護
公正な取引ができる
Web3.0のブロックチェーンの特徴として、特定の管理者がいないことが挙げられます。データを持ちやりとりをするユーザー同士をつなぐだけの役目をします。Web2.0のように管理者がデータをすべて持っているわけではなく分割してユーザーが保持しているため、公正な取引が可能です。
プライバシーの保護
Web3.0では中央集権的ではなく情報が分散していることから、データが流出する心配がありません。さらに、個人情報を提供した企業によって恣意的に利用されることもなくなります。
ブロックチェーンをハッキングするためには、同じタイミングで複数の端末に行う必要があり、事実上ほぼ不可能であることからプライバシーの保護がWeb2.0と比べて強化されています。
導入メリット
Web3.0導入により次のようなメリットがあります。
- Android、iOSの両方で利用できる
- 不正アクセスを軽減できる
Android、iOSの両方で利用できる
従来のアプリはAndroid、iOSといった特定のアプリごとに開発をしています。そのため、どちらかのOSでしか利用できないサービスは少なくありません。しかし、Web3.0においてはOSを限定しないのでAndroid、iOSの両方で利用できます。
不正アクセスを軽減できる
Web3.0は中央集権的でないためセキュリティレベルがWeb2.0と比べて向上しています。そのため、データ改ざんや不正アクセスなどのリスクを軽減させることが可能です。近年情報漏洩による被害が増えていることからも、Web3.0を導入する大きなメリットになります。
Web3.0の実用例
Web3.0には次のような実用例が挙げられます。
- Brave
- Ethereum
Brave
BraveはWeb3.0で登場した検索プラットフォームで、広告がないため検索をスムーズにできるのが特徴です。これは、Web3.0は特定の企業が運営しているわけではないためです。広告がないと検索を高速化させることで、ユーザーの利便性が高まります。
また、広告で収入を得る代わりに仮想通貨で収益を得る機能が加わっています。
Ethereum
Ethereumとは分散型のアプリを活用するためのプラットフォームです。主な機能としてスマートコントラクトが挙げられます。スマートコントラクトは認証機関を使わず、ユーザー同士で契約することが可能です。
従来契約するためには仲介者が必要だったのが、仲介者が不要になったころからセキュリティが強化されています。さらに、仲介者が不要になることからコスト削減にもつながります。
社内ツールとしてのWeb3.0の可能性とは?
Web3.0のメリットである利用者個人が管理できる点や、Web2.0と比較してセキュリティを強化していることから社内ツールとしても需要が高まる可能性があります。
例えば、リモートワークが増えた近年においてWeb会議ツールが重要になります。しかし、多くのユーザーが利用できるサービスであれば情報漏洩の危険性はゼロではありません。ZOOMをはじめとしたWeb会議ツールを使って参加者に送るURLを誤送してしまうと、外部の人間が会議に参加できることになります。
そこで、Web3.0を使って社内ツールを構築することでこのようなケースを防げる可能性があります。
また、メタバースとよばれるアバターをオンライン会議室やイベント会場といった仮想空間に作成することによって、VRを使って会議をしたりユーザーに参加してもらうこともできます。
まとめ
Web3.0はインターネット第3世代であり、Webと大きく違うのが利用者個人で管理でき、セキュリティが強化されていることです。また、ブロックチェーンを活用しており仮想現実を実用することができ、社内ツールとしても活用できる可能性は十分にあります。
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