初心者でもできる!社員を惹きつける社内報のデザイン
社内にデザインやイラスト制作の経験者がいない場合、誌面のレイアウトや文字の装飾など、どこから手をつけたらよいのか分からない方も多いかもしれません。
幸いなことに昨今は、無料で使えるデザインソフトや、初心者でも簡単に製本できるサービスがインターネット上で提供されています。
そこで、今回は、初心者でもすぐに社内報のデザイン制作に応用できるノウハウや無料・有料のサービスをご紹介します。
社内報で気をつけたい「レイアウトのコツ」
社内報の要は、どれくらい充実したコンテンツをつくれるかです。
読み物である以上、内容の質が問われるのはいうまでもありません。
そのうえで、デザインやレイアウトにこだわると完成度がめざましく上がります。
全体的に統一感を持たせる
社内報は全体のトーンや雰囲気を揃えるなど、各号ごとに「一体感」を意識して制作することが重要です。
デザインやレイアウトも毎号同じようでは面白くありません。
特集やテーマが毎号変わるのに合わせて、誌面のデザインやレイアウト、トーンも変化を持たせるようにしましょう。
読み手の視線移動を意識する
記事などのコンテンツは、レイアウト次第で、読みやすさや読後疲労感にも大きく影響します。
一例として、読者の視線移動を誘導する文章テクニック「Zの法則」「Nの法則」「Fの法則」と呼ばれる法則を紹介します。
それぞれのアルファベットに沿って、読者が視線を移動するように文章やデザインを順番に配置する手法です。
「Zの法則」であれば、左→右→左下→右下の順、「Nの法則」であれば右上→右下→左上→左下の順です。
これらの法則以外にも、章ごとに番号を振る、読ませたい順番に矢印や吹き出しを添付するなど、読者を誘導する方法はいろいろあります。
テクニックを駆使して、見やすく、読みやすい社内報をつくっていきましょう。
読まれる社内報の「デザイン」とは
読者が手に取りたくなる社内報をつくるには、魅力的なデザインのイラスト、キャッチーな見出し、続きが読みたくなる書き出しなど、配慮すべきポイントがいくつもあります。それぞれ見ていきましょう。
デザインやイラストの権利関係に注意する
社内報制作のために、インターネットで参考になるデザインやイラストを探すこともあるでしょう。
しかし、デザインやイラストには制作者の権利保護を目的に、著作権や意匠権といった権利が設定されていることがあります。
権利関係を曖昧にしたまま、インターネット上の制作物を利用すると、民事訴訟や賠償金請求などの法的なトラブルに繋がりかねません。
フリー素材であれば問題はありませんが、常に、著作権設定などの確認は怠らないようにしましょう。
もし不安であれば、書店やネット通販などで入手できるイラスト集を利用するのも一考です。
アイキャッチを使う
アイキャッチとは、「キャッチコピーや画像、映像で見る人の注意を引きつける」ことをいい、魅力的なイラストを使うのもこれに含まれます。
社内報にもアイキャッチ効果のあるイラストを使いましょう。
たとえば、会社の業務を象徴するようなアイキャッチが効果的です。
運送関連の会社ならトラックや車のエンジン、セールスドライバーを連想させるイラスト、食品メーカーなら自社のヒット商品をイメージできるイラスト、旅行業界ならお土産の箱に使われるようなポップなイラストが挙げられます。
魅力的で親しみやすいアイキャッチは、読者である社員にとってもうれしいものです。
読者を惹きつける見出しを考える
社内報は業務連絡の伝達ツールとしても使われます。
しかし、それほど重要でない連絡事項や、単調な穴埋め記事ばかりでは読者が離れてしまいます。
先ほども述べたように、読者に訴えるにはなによりコンテンツの充実を図ること。
そして、視覚的な強化ポイントとして、一番初めに目に飛び込んでくる見出しに最大の注意を払うことが大切です。
要するに、見出しや文章の書き出しにも「アイキャッチ」が必要ということです。
電車の吊り革広告などを見ると、多くの人がひと目見ただけで理解できるような見出しがついていますよね。
社内報の見出しにおいても同じことが求められます。
社員がつい手に取りたくなるような見出しを考えることは、社内報制作にとっても重要なポイントなのです。
難解な用語は使わない
社内報を制作するときは、読者が読みやすい言葉を選びましょう。
難解な単語や専門用語を見出しに使うと、読者の読む意欲を削いでしまいます。
社内報は社員だけでなく、社員の家族も目にしますので、誰が読んでも理解できる言葉を選ぶことが大切です。
文字の装飾は読みやすさを意識する
文字のフォントもデザインの重要な要素です。
表紙や見出しの文字は目立つ装飾でも構いませんが、あまりにデザインが派手すぎると逆にコンテンツが読みにくくなってしまうので、注意しましょう。
また、初めて社内報を制作する場合、本文のフォントは自社の社風を意識したものを選ぶことをおすすめします。
銀行の社内報が明体フォントを使っていると銀行らしいイメージが伝わるように、自由な社風を押し出しているベンチャー企業であれば、ポップなフォントを利用してはどうでしょうか。
写真・動画の挿入
文章ばかり読み続けると読者は飽きてしまいます。
写真などを挿入して、読者に目を休めてもらうことも、読み物制作のコツです。
近年はWeb版の社内報を制作している企業も多くなってきました。Webであれば動画も挿入できます。
動画は文字を読むよりも負担が小さく、気軽に見てもらえるので、多くの企業で導入されているコンテンツです。
動画の制作には手間や経費がかかりますが、社内報全体の作成プロセスを検討して、リソースに余裕があればWeb社内報の導入も検討してみてください。
おすすめの社内報テンプレートツール
社内報のデザインを決めるには、オリジナルのデザインを考案する方法もありますが、既存のデザインソフトを活用したほうが効率的です。
社内報の制作に役立つソフトには、高品質で無料のサービスも多く存在しますので、制作予算を抑えたい場合は最適かもしれません。
以下に、おすすめのデザインソフトや、素材配布サービスをいくつか紹介します。
ただし、ウイルス対策のため必ず公式サイトでのダウンロードをお勧めします。
パワポン
パワポンは「パワーポイントでポン」の略称で、事務用品小売会社のアスクル株式会社が提供しているサービスです。
officeのプレゼンテーションソフトpowerpointで利用できるテンプレートを無料公開しています。
なお、利用には無料の会員登録が必要です。
PIXTA
PIXTAは写真・イラストの販売サイトです。
デザイン上で使用する画像の品質にこだわりたいときは、PIXTAの利用をおすすめします。
定額制プランで、月数千円で何枚まで画像が選び放題とか、なかには無料の素材もあるので、社内報にそれほど予算をかけられない企業にとってはありがたいかもしれません。
ただし、PIXTAはデザインの使用用途によって料金が異なるので注意が必要です。
たとえば、社内報の発行部数が300部以上になると大規模な商業利用とみなされ、追加のロイヤリティを支払わなければならなくなります。
PIXTAを利用する際は、あらかじめ利用規約を確認しておきましょう。
bookuma
bookumaは雑誌制作に特化したサービスです。
先述のサービスはいずれもサービスはブラウザ(インターネット上)で完結しますが、bookmaは専用ソフトのインストールが必要です。
サービスは有料ながら、製本までしてくれるので出版社などの利用実績もあります。
そのため初心者でも安心して利用することができます。
bookumaの利用時には、出張解説サービス(有料)もありますので、これから社内報を創刊しようとお考えの企業や、社内報制作の経験が浅い企業にはおすすめです。
Photoback
Photobackはお手持ちの写真データをWeb上で編集し、簡単にフォトブックが作成できるサービスです。
製本まで請け負ってもらえる点はbookumaと同じですが、Photobackはスマホからもサービスを利用できます。
Photobackでは、編集ソフトのダウンロードは必要なく、WEB上で3D完成図を把握しながら冊子の制作を行います。
画面上で、直感的に制作を進められるので、とても簡単に社内報の編集ができます。
マイクロソフトOfficeテンプレート
マイクロソフトOfficeテンプレートは、Microsoft社のOfficeで使用できる、テンプレート(型)のサービスです。
WordやExcel、Powerpointに対応しています。
マイクロソフトofficeのユーザーは無料で使用できるので、Officeを利用中の会社は、利用を検討されてみてはいかがでしょう。
Adobe InDesign
Adobe InDesignはプロのクリエイターから支持されているイラストソフトです。
同社は他にも動画編集ソフトやPDF作成ソフトを開発、販売していますので、他のソフトでは難しい高度な表現が可能です。
Adobe InDesignは市場シェアの比率が高いため、動画投稿サイトなどでも広く利用されています。
ただし、プロデザイナー仕様の設計なので、初心者が使いこなすまでには時間を要します。
充実した社内報に求められるデザイン
社内報の完成度を高めるためには文章だけでなく、デザインやイラストにも力を入れる必要があります。
今回ご紹介したサービスには初心者向けの無料ソフトから、上級者向けの有料ソフトまでありますので、どのようなデザインで制作するのかを考え、予算の範囲内で選ぶことをおすすめします。
デザインが美しい社内報は、思わずページをめくりたくなります。
より多くの人に手に取ってもらうためにも、社内報はデザインにもこだわりが必要ですね。
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