Web社内報のメリットについて考える
Web社内報のメリットについて、インターネットなどで調べると、たくさんの情報が得られます。けれども、紹介されているメリットを活かしきれていないと感じられているご担当者は多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事ではWeb社内報の一番のメリットと、その活かし方についてお伝えします。
一般的に示されているWeb社内報のメリット
Web社内報のメリットをインターネットで検索すると主に、
・即時性・速報性
・双方向性
・情報のナレッジ化とその検索性
・修正が容易
・情報量の制限がない・回遊性
・動画などのリッチコンテンツの活用
・拡散性
・アクセス解析とデータに基づくコンテンツ改善
・印刷・郵送・環境のコスト削減
といったことが紹介されています。
これらは社内報ラボの過去記事でも紹介していますので、その記事もぜひご一読ください。
■読まれるWeb版社内報の作り方15のポイント
■WEB社内報のメリットとは?運用のポイントや紙との違いを解説
■【初心者向け】WEB社内報の導入で見落としがちなポイントとは? スムーズな移行・導入のための注意点
ただ、このようなWeb社内報のメリットの、特に機能面(即時性・速報性、双方向性、検索性、回遊性、動画活用、拡散性)について、すでにWeb社内報を運用されているご担当者のなかには、違和感を持たれたり、懐疑的に感じている方も多いのではないでしょうか?
ここからはそれぞれのメリットについて、実際はどうなのかを検証してまいります。
先に結論を申し上げますと、この検証が本当にWeb社内報のメリットだと言えるのか否かではなく、メリットになるように活かしていくということが大切だ、ということをお伝えしますので、そういった目線で読み進めていただければ幸いです。
Web社内報の「双方向性」はメリットなのか?
Web社内報の双方向性については、「いいね」などのリアクション機能やコメント機能をつけることで、紙の社内報ではなかった、ツールを通じたコミュニケーションが生まれることから、大きなメリットと言えます。
加えて、掲載した記事に「いいね」やコメントがつき、その量が増えていくことで、Web社内報が作り手だけのものではなく、読み手との共有財産になるという点で、紙の社内報にはない価値が生まれます。
こう言った観点から、双方向性についてはメリットだと言えます。
ただ、厳密に申しますと、双方向性がメリットとして活かされるには、「読まれている」といった状態であることが前提で、その状態になるまでは、Webというツールの機能や性質、構造の話に留まります。
双方向性だけではなく、検索性、回遊性、動画やリッチコンテンツの活用、SNSとの連携といった拡散性のいずれも、「読まれる」といった状況をつくることで、はじめてメリットとして効果を発揮します。
Web社内報のメリットは紙の社内報でも可能
双方向性をはじめとする数々のWeb社内報のメリットが、「読まれている」といった状態になって、はじめて効果を発揮するメリットだと申しました。
これは紙社内報でも言えることで「読まれている」といった状態にある場合、Web社内報のメリットのひとつとして挙げられる即時性や速報性については難しいのですが、双方向性は紙社内報でも双方向型コンテンツを設けることで可能となります。また、社内SNSと連携することで、紙の記事を配信するなど連携は十分に図れます。
つまり、少し理屈っぽいのですが、Web社内報のメリットとして紹介されている点は、即時性や速報性以外はいずれも十分なメリットとは言えないと考えられます。
速報性はWeb社内報のメリットなのか?
じつはメリットとして紹介されている双方向性や、社内SNSとの連携といった他のポイント以上に、速報性はWeb社内報のメリットとは言いづらいと言えます。
その理由は簡単で、Web社内報のご担当者は報道機関やニュースサイトの従業員の方々のように、情報をタイムリーに発信するような働き方は不可能ですし、そのようなことは通常、どの会社でもWeb社内報に求められてはいないからです。
速報はWeb社内報のようなプル型ツールではなく、全社メールや紙の掲示物のようなプッシュ型ツールや、マネジメントラインを通じた伝達の方が、圧倒的に速いと言えます。
このような点を踏まえると、速報性はWeb社内報のメリットとは言えません。
速報性がWeb社内報のメリットと言えるかどうかについても検証すると、実はメリットとして紹介されている他のポイント以上に、メリットとは言いづらいと考えられます。
Web社内報の本当のメリットとは?
では、Web社内報の本当のメリットは何か。
それは、読者の反応や閲覧行動について、きめ細かな数値が得られることです。
つまり、先ほどお伝えしたWeb社内報のメリットの一覧のなかで、「アクセス解析とデータに基づくコンテンツ改善」が、本当のメリットなのです。
アクセス解析とは主に、Web社内報そのものや、それぞれの記事がどれだけの人に、どの程度読まれているのかといった、Web社内報の社員の閲覧行動のデータを出して、閲覧者数や閲覧数などを割り出し、閲覧行動に関する法則性や共通点、特異点などを導き出すこと言います。
そして、それによって導き出された情報をもとに、発行目的や閲覧に関する目標値と照らし合わせながら、改善策を立てていきます。
こういった一連の取り組みは、紙の社内報の場合は「読者アンケート」で行なっていましたが、Web社内報はそれを、より効率的に、より綿密に行える点こそが、紙の社内報と比較した際のWeb社内報のメリットと言えるのです。
その他のメリットをメリットとして活かすための考え方
先ほど、即時性や速報性、双方向性などがメリットか否かではなく、メリットとして活かすことだとお伝えしました。
ここからは、この点について掘り下げてまいりたいと思います。
即時性や速報性の活かし方
Web社内報では、アンケートで数値データをとる紙の社内報よりも遥かに速く、高頻度で数値データを取ることができます。
つまり、この点を活かすと、より速やかに検証や改善といったPDCAのCとAを、データから見て取れる読者の立ち位置に立って取り組むことが可能となります。
つまり、即時性や速報性は、記事を出すスピードなどではなく、読者の反応に速やかに対応するという考え方を取り入れることで、メリットとして活かすことに繋がります。
双方向性の活かし方
この点についても、即時性や速報性と同様、Web社内報では読者の閲覧行動が数値として常に見ることができますので、読者が何に興味や関心を示しているのかといったことや、どういった情報や内容を重視しているのかを、データを通じて常にコミュニケーションすることができます。この考え方に基づくと、双方向性は紙の社内報にはない、Web社内報としての大きなメリットとして活用することが可能となります。
その他のメリットの活かし方
検索性や回遊性、動画やリッチコンテンツの活用、拡散性については、メリットとしてというよりも、多用しすぎることによって煩雑になったり、コストが大幅に上がるといったデメリットにならないように注意を払いながら、読み手を適切に誘導していくといった方法で、適宜適切に上手に取り入れることで、メリットとして活用していくポイントとなります。
その方法としては、読まれていないけれども重要な記事をリンクで紐づけたり、社内SNSでプロモーションしたりといったことが挙げられます。
また、動画やリッチコンテンツにすることで、文字だけでは伝えられないようなエモーショナルな情報や、ノンバーバル(非言語)的な情報を伝えることで、見る人の記憶や印象に深く落とし込むといった活用が有効です。
ただし、動画やリッチコンテンツは業務不可や制作費用がかかる上、多用し過ぎるとその効果は逓減していくことが予測されますので、回遊性や拡散性のメリットの活用も含めて、データの検証や解析をもとにした、改善策やテコ入れ策として活用することで、極めて大きなメリットにすることが可能となります。
まとめ
今回の記事では、Web社内報の本当のメリットと、インターネット等で紹介されているその他のメリットの活かし方についてお伝えしました。
りえぞん企画では、Web社内報の立ち上げやリニューアル、コンテンツづくりはもちろん、データ解析や改善策、テコ入れ策のほか、データの上手な活用方法についてもサポートしております。
Web社内報でお困りやお悩みをお持ちの方は、この機会にぜひお問い合わせいただき、ご相談いただけると幸いです。
関連記事