データをわかりやすくビジュアル化するHOWTO【後編】
はじめに
【前編】では様々なデータを扱う上でポイントとなる、グラフの選び方や色使いの考え方、インフォグラフィックによるストーリー性の持たせ方といった、テクニカルな側面を解説してきました。今回の【後編】では、便利なツールを紹介し、「データのビジュアル化」によって期待できる効果と総合的なまとめをお届けいたします。
【前編】【後編】合わせて活用していただき、“伝わる”社内報作成を目指しましょう!
便利なツール紹介
実際にビジュアル化を行う際に役立つツールをいくつか紹介します。
Canva(https://www.canva.com/ja_jp/)
特徴:インフォグラフィック作成のための直感的なデザインツールです。
メリット:豊富なテンプレートと使いやすいインターフェース
デザインの専門知識がなくても美しいビジュアルを作成可能
無料版でも多くの機能が利用可能
使用例:社内イベントの告知ポスター作成
月次レポートのインフォグラフィックデザイン
社員紹介ページのレイアウト
Adobe Illustrator(https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html)
特徴:よりオリジナリティの高いグラフィックを制作できるプロ向けアプリケーションです。
メリット:高度なカスタマイズが可能
ベクター形式で拡大縮小自在の高品質グラフィックス
複雑なデータビジュアライゼーションにも対応
使用例:オリジナルの企業ロゴやアイコンの作成
詳細な組織図や事業プロセスの図解
カスタマイズされた複雑なグラフやチャートの作成
※Adobe Illustratorは、グラフィック制作ツールと考え、ページデザイン・レイアウトにはAdobe Indesignの使用をお薦めします。Adobe Illustratorよりも動作が軽く、貼り込み画像などの素材の管理やエラー検出機能が充実しており、入稿時のパッケージングなどもAdobe Indesignの方が格段に便利です。
Tableau(https://www.tableau.com/ja-jp)
特徴:データ分析と視覚化に特化したツールです。
メリット:大量のデータを扱える
インタラクティブな視覚化が可能
データとの直接連携で自動更新可能
使用例:部門横断的な大規模データの分析と可視化
地理情報を含むデータのマッピング
リアルタイムでのデータダッシュボード作成
Piktochart(https://piktochart.com/)
特徴:インフォグラフィック、プレゼンテーション、レポートなどを作成できるオンラインツールです。
メリット:豊富なテンプレートとドラッグ&ドロップ機能
チーム内での共同編集が可能
ウェブ公開やソーシャルメディア共有が簡単
使用例:年次報告書のビジュアル化
プロジェクト進捗状況のインフォグラフィック
社内研修資料の作成
Microsoft PowerPoint(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/powerpoint)
特徴:多くの企業で既に導入されている汎用的なプレゼンテーションツールです。
メリット:基本的なグラフ作成機能が充実
スマートアート機能でプロセスや関係性の可視化が容易
他のMicrosoft製品との連携が容易
使用例:経営会議用のデータプレゼンテーション
簡単な組織図やフローチャートの作成
社内研修用のスライド資料作成
Looker Studio(https://cloud.google.com/looker-studio?hl=ja)
特徴:Googleのサービスと連携しやすい無料のデータ可視化ツールです。
メリット:Google SheetsやAnalyticsとの連携が容易
リアルタイムでデータを更新可能
チームでの共有と共同編集が簡単
使用例:ウェブサイトのアクセス解析レポート作成
営業部門の週次・月次レポートダッシュボード
複数の事業KPIを一元管理するエグゼクティブダッシュボード
これらのツールを適切に選択・活用することで、より効果的なデータビジュアル化が可能になります。各ツールの特徴を理解し、目的や状況に応じて使い分けることが重要です。
データビジュアル化のスキルを磨く
この記事では、データをわかりやすくビジュアル化する方法について詳しく解説しました。適切なグラフの選択、効果的な色使い、インフォグラフィックの活用など、様々な観点からビジュアル化のテクニックを学びました。
これらの知識を活かし、次回の資料作成やプレゼンテーションの際には、より効果的なデータビジュアル化にチャレンジしてみてください。
読者により深い理解と洞察をもたらし、効果的なコミュニケーションを実現することができるでしょう。
データビジュアル化のスキルを磨くことは、ビジネスにおいて大きな武器となります。単なる数字の羅列ではなく、ストーリーを伝え、洞察を引き出すビジュアルを作成することで、以下のような効果が期待できます。
情報の伝達効率の向上
複雑なデータも、適切なビジュアル化により短時間で理解できるようになります。
これにより、会議や報告書での情報共有がスムーズになります。
意思決定の質の向上
データの傾向や関係性が視覚的に明確になることで、より的確な意思決定が可能になります。
例えば、売上推移とマーケティング施策の関係を視覚化することで、効果的な戦略立案につながります。
エンゲージメントの向上
魅力的なビジュアルは、読者の興味を引き、情報の記憶を促進します。
社内報やプレゼンテーションがより印象的になり、社員の関心を高めることができます。
クリエイティビティへの刺激
データをビジュアル化する過程で、新たな視点や洞察が生まれることがあります。
これが、イノベーションや問題解決のきっかけになる可能性があります。
コミュニケーションスキルの向上
効果的なビジュアル化は、抽象的な概念を具体化する能力を養います。
この能力は、日々のコミュニケーションにおいても役立ちます。
継続的な学習と実践を通じて、自身のビジュアル化スキルを向上させていってください。
スキル向上のためのいくつかのヒント
日常的な練習
日々の業務の中で小さなデータセットでもビジュアル化を試みる
様々なグラフタイプを実験的に使用してみる
フィードバックの収集
作成したビジュアルについて、同僚や上司からフィードバックを求める
理解しやすかった点、改善が必要な点を積極的に聞き出す
トレンドのキャッチアップ
データビジュアル化の最新トレンドや技術をフォローする
オンライン講座やワークショップに参加し、新しい技法を学ぶ
クリエイティブな発想
異なる分野(芸術、デザイン、広告など)からインスピレーションを得る
既存の表現方法に捉われず、新しいビジュアル表現を模索する
ツールの習熟
使用するツールの機能を深く理解し、効率的に操作できるようになる
複数のツールを使いこなし、状況に応じて適切なものを選択できるようにする
終わりに
最後に、データビジュアル化は単なるテクニックではなく、データを通じてストーリーを語る芸術であることを忘れないでください。数字の背後にある意味を探り、それを視覚的に表現することで、読者の心に響くコンテンツを作り出すことができます。
社内報は、組織内のコミュニケーションを活性化し、企業文化を醸成する重要なメディアです。効果的なデータビジュアル化を通じて、社員の理解を深め、モチベーションを高め、組織全体の成長に貢献できることを目指してください。
皆さんの創造性と努力が、より魅力的で影響力のある社内報の作成につながることを願っています。データビジュアル化の旅を楽しみ、常に新しい表現方法を探求し続けてください。その過程で得られる洞察と成果が、皆さんの仕事をより充実したものにすると信じています!

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