社内報コラム

データをわかりやすくビジュアル化するHOWTO【前編】

データをわかりやすくビジュアル化するHOWTO【前編】

「数字で見せるってどうすればいいんですか?」〜データをわかりやすくビジュアル化〜

社内報作成において、皆さんは様々なデータを扱っていると思います。部門の業績、社員アンケートの結果、新製品の販売状況など、数字や統計データは社内報に欠かせない要素です。

しかし、これらの情報をただ文章や表で羅列しても、読者である社員の皆さんに十分に伝わらないことがあります。そこで今回は、社内報をより魅力的で分かりやすいものにするための秘訣、「データのビジュアル化」についてお話しします。

グラフやチャート、インフォグラフィックを上手に活用することで、複雑な情報でも一目で理解できるようになります。例えば、四半期ごとの売上推移を折れ線グラフで表現すれば、会社の成長が一目瞭然。社員満足度調査の結果を円グラフで示せば、改善が必要な点が明確になります。

この記事では、社内報でデータを効果的に表現するためのポイントを、具体例を交えながら詳しくご紹介します。これらのテクニックを使えば、読者の心に響く、分かりやすい社内報を作成できるはずです。一緒に学んでいきましょう!

視覚的に分かりやすい配色を使う

グラフやインフォグラフィックの色使いは、情報の伝達効果に大きな影響を与えます。以下のポイントに注意して、効果的な配色を心がけましょう。

過剰にカラフルにしない

多すぎる色は読者の注意を散漫にさせ、かえって情報の理解を妨げる可能性があります。基本的には3〜5色程度に抑えるのが良いでしょう。

 

良い例:四半期ごとの売上推移を示す棒グラフで、各四半期に青の濃淡4色を使用。


悪い例:月別売上を示す折れ線グラフで、12ヶ月分を全て異なる色で表現。

コントラストを意識する

背景色と文字色、グラフの各要素の色のコントラストを適切に設定することで、視認性が向上します。特に、モノクロでプリントアウトされる可能性がある場合は、モノクロでも識別しやすい配色を心がけましょう。

 

良い例:白背景に濃い青のグラフ要素と黒の文字を使用。


悪い例:薄い黄色背景に薄いグレーのグラフ要素と薄い青の文字を使用。

シンプルな色使いを心がける

落ち着いた色調を使用することで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、企業のブランドカラーを適切に取り入れることで、一貫性のあるデザインを実現できます。


良い例:企業のブランドカラーである青を基調とし、補色としてオレンジを使用。


悪い例:虹色のグラデーションを多用し、視覚的に騒がしい印象を与える。

色の持つ意味を考慮する

一般的に、赤は警告や重要性、青は信頼性や安定性、緑は成長や環境といったイメージがあります。これらの色の持つ意味を考慮して使用することで、より効果的なメッセージ伝達が可能になります。

 


良い例:環境負荷削減の取り組みを示すグラフで、緑色を基調として使用。


悪い例:安全性向上の取り組みを示すグラフで、警告を想起させる赤色を多用。

例えば、売上構成比を示す円グラフで、異なる要素を識別しやすくするためにコントラストの高い色を使用します。主要な製品カテゴリーには濃い色を、それ以外のカテゴリーには薄い色を使用するなどの工夫が効果的です。

具体的な事例:

四半期ごとの部門別売上構成

1Q:濃い青
2Q:やや薄い青
3Q:さらに薄い青
4Q:最も薄い青

各四半期の中で部門別の内訳を示す際は、青の濃淡の中でさらに微妙な色の違いを付けます。

顧客満足度調査結果

非常に満足:濃い緑
満足:やや薄い緑
どちらでもない:グレー
不満:やや薄い赤
非常に不満:濃い赤

この配色により、ポジティブな結果とネガティブな結果が直感的に区別できます。

新旧製品の性能比較


新製品:企業のブランドカラー(例:青)
旧製品:グレー

新製品の優位性を視覚的に強調することができます。

インフォグラフィックでストーリーを伝える

グラフだけでなく、インフォグラフィックも情報を効果的に伝えるツールとして非常に有用です。
インフォグラフィックの利点は以下の通りです。

視覚的なアイコンやシンボルを使用

抽象的な概念や複雑なプロセスを、簡単なアイコンや図形で表現することができます。これにより、読者の理解が促進されます。

例:新入社員研修のスケジュールを表すインフォグラフィック

データの意味をより直感的に伝える

数字や文字だけでは伝わりにくい情報も、適切な視覚要素を組み合わせることで、より明確に伝えることができます。
例:環境負荷削減の取り組みを示すインフォグラフィック

楽しい紙面に見せる演出にもなる

単調になりがちな資料や報告書に視覚的な要素を加えることで、読者の興味を引き、情報の記憶を促進することができます。
例:社内イベントの告知インフォグラフィック


カレンダーのイラストに重要な日付をハイライト
イベント内容を象徴するカラフルなアイコンを配置
参加方法や注意事項を吹き出しで表現

複雑な情報を簡潔に要約する

大量のデータや複雑なプロセスを1枚の画像にまとめることで、情報の全体像を把握しやすくなります。
例:新製品開発プロセスを示すインフォグラフィック


◾️アイデア創出から市場投入までの各ステップを矢印でつなぐ


◾️各ステップに関わる部門をアイコンで表現


◾️重要なマイルストーンをフラッグで強調

また、社員構成の年齢層を示す時に、単なる数字の羅列ではなく年齢層ごとに異なるアイコンを使用することで、年齢の違いを視覚的に表現し、より直感的に理解しやすくなります。

具体的な事例:

社員年齢構成のインフォグラフィック


20代:若々しい表情のアイコン
30代:ビジネスマンのアイコン
40代:ネクタイをしたベテラン風のアイコン
50代以上:眼鏡をかけた経験豊富そうなアイコン

各年代のアイコンの大きさを比率に応じて変えることで、視覚的に構成比を表現できます。

社内コミュニケーションツールの利用状況


メール:封筒のアイコン
チャットツール:吹き出しのアイコン
ビデオ会議:カメラのアイコン
社内SNS:人々のネットワークを表すアイコン

各ツールのアイコンの横に棒グラフを配置し、利用率を視覚的に表現できます。

これらのインフォグラフィックを使用することで、単なる数字の羅列よりも、情報が記憶に残りやすくなり、読者の興味を引きつけることができます。

ビジュアル化の重要性

データを伝える際は、以下の点に注意しましょう

簡潔に表現する

必要最小限の情報に絞り込み、読者が本当に知るべき情報を明確に伝えることが重要です。


良い例:四半期ごとの主要3指標(売上、利益、顧客数)のみを表示


悪い例:月次の全20指標を細かく羅列

視覚的に見やすくする

適切な色使い、フォントの選択、レイアウトの工夫などにより、読者の目に優しく情報が入りやすいデザインを心がけましょう。

良い例:コントラストの高い色使い、読みやすいサンズセリフフォント、十分な余白

悪い例:似通った色の多用、装飾的で読みづらいフォント、ごちゃごちゃしたレイアウト

全体のトーンから外れすぎないようにする

ビジュアル化は重要ですが、プレゼンテーションや報告書全体の雰囲気やトーンと調和させることも忘れずに。

良い例:企業のブランドカラーや公式フォントを使用し、一貫性のあるデザイン

悪い例:社内報の他のページと全く異なるデザインや色使いで違和感を与える

ストーリーを意識する

単にデータを視覚化するだけでなく、そのデータが何を意味し、どのような行動や判断につながるべきかを考慮してビジュアル化しましょう。


良い例:売上推移グラフに重要な施策や外部要因を注釈として加え、因果関係を示唆


悪い例:単なる数字の羅列で、そのデータが示唆する行動や戦略への言及がない

おわりに

データをわかりやすくビジュアル化するHOWTO【前編】では、「データのビジュアル化」について、具体例を交えてお話ししました。
次回【後編】では、便利なツールの紹介と「データのビジュアル化」によって期待できる効果と総合的なまとめをお届けいたします。

社内報に関するご相談、問い合わせはこちらから

関連記事