【読まれる見出しの基礎知識2】見出しは考えるタイミングが重要だった!
読まれる社内報に欠かせない見出しの考えるタイミングや理解しておくべき役割、テクニック、見せ方などについて、しっかり、じっくり、全7回にわけてお伝えしています。
前回の記事では、見出しづくりのスキルを高める6つのステップをご紹介しました。今回は、ステップ1「見出しを考える手順」について詳しくご説明していきます。
見出しづくりの悩みはスキルやノウハウの不足が問題なのではない
「見出しを考えることが苦手」、「良い見出しが思いつかない」というご相談を受けることは非常に多いのですが、ほとんどのご担当者さまはその原因をスキルやノウハウが足りていないからと考えていらっしゃいます。
ところが、お話を聞いてみると、さまざまな手段で見出しづくりの勉強をされていて、すでにたくさんのノウハウやテクニックをお持ちです。そこで、もう少し掘り下げてうかがうと、勉強はするものの、社内報づくりに応用することができないという、得た情報や知識の上手な活用法に関するお悩みがほとんどだということがわかってきました。
なぜノウハウやテクニックを活かすことができないのか。
それは、見出しを考えるタイミングを間違えているからです。
世の中にある見出しのノウハウやテクニックに関する情報には、そのテクニックを活かす「タイミング」について、ほとんど示されていないのです。
見出しづくりの悩みは見出しの本来の目的を知ることで解消される
なぜタイミングが重要なのかでしょう。
それは、見出しが企画づくりと強く関係しているからです。
見出しづくりは、本文を書く前でも書いた後でもなく、企画を立てるタイミングでつくるとほとんどの問題やお悩みが解消されます。これは、見出しの目的を考えるとわかりやすいです。見出しには、本文の内容を手短に伝えたり、概要を示したりするだけではなく、「情報と読者の関係を築く」という目的があります。
情報は、どれほど重要な内容でも、あるいは価値があるとしても、本文だけの場合はもちろん本文を要約したような見出しだけでは、読者はその重要性や価値に気づくことができません。
そこで、社内報の見出しをつくるときには、この記事が読者である社員の皆さまに、どのような意味や価値があるのかを考える必要があります。
つまり、見出しとはその本文の要約ではなく、その記事を掲載する目的やねらい、趣旨、読後感などをすべて含めて濃縮したものです。見出しはこの考え方に基づいてつくる、つまり、企画そのものなのです。
連載コーナーや投稿記事の見出しも「目的」に立ち返る
さて、社内報はすべてが企画を綿密に立てて記事にするものではありません。
社内報には、トップメッセージや職場紹介、社員の投稿コーナーなど、すでに企画を立てている連載コーナーや、告知など他部署の方が企画した記事もあります。そのような記事で見出しを企画の段階で考えるということには、やや違和感があると思います。
しかし、連載の職場紹介の場合は毎号異なる職場を掲載しますし、他部署からの記事もわかりやすく伝えるためにどのように掲載しようかと考えます。
趣旨がすでに企画されている場合でも、見出しが「情報と読者の関係を築く」ものだという点に立ち返れば、職場紹介では紹介する部署について、記事を読んだときにどのような価値や意味を感じられれば良いか号ごとに考えて見出しをつくることができると思います。
「見出しは情報と読者の関係を築く」ものという考え方を持っていると、見出しづくりはもちろん、インタビューやコメントを募る際にも自然に「読者との関係」の視点で情報を得ることができるようになります。連載コーナーだとしても、読者にとってより価値の高い情報を発信できる可能性が高まります。
見出しに関する世の中の情報も「使えるノウハウ」になる
このように、見出しづくりは文章の要約などではなく、「情報と読者を関係を築く」ことだという考え方さえ手に入れることができれば、今まで習得した見出しづくりに関するさまざまなノウハウやテクニックも、魅力的な見出しにする手段として活用できると感じられるのではないでしょうか。
最後に、それらのノウハウやテクニックを活かす、より良い方法についてお伝えします。
見出しは企画を立てるときは「完成形」ではなく「仮案」としておくということです。
前述したとおり、見出しは企画の目的やねらい、趣旨、読後感などをすべて含めて濃縮させたものではあるのですが、実際にインタビューをしたり、情報を提供していただいたりすると、つくっていた見出しとのズレが感じられることは多々あります。
その際、企画段階に考えた見出しにこだわる必要はなく、まずは「情報と読者の関係を築く」という考え方に立ち返って、改めて見出しを考え直せば良いのです。
このプロセスについてご理解いただきたいことは、企画段階で考えた見出しにズレを感じたことは、見出しをつくるレベルやスキルが低いからではなく、最初から完璧な見出しをつくることなど幻想であり、不可能なのです。
企画の段階で見出しを考えておくことは、「現場に赴く前の理解の基準を持つ」ということです。現場の声を聞いたことによって気づいた事前認識とのズレは、ご自身以外の方々も同じような認識のズレを持っている可能性が高く、「情報と読者の関係を築く」という点において極めて重要な価値となり、その結果、社内報の価値も高まるのです。
見出しづくりのノウハウやテクニックは、仮見出しを考えるときにももちろん使えますが、何よりも現場の情報や幅広い情報、深い情報を得る過程で、当初想定していた認識のズレを感じたときにより活きてきます。すでにある程度のノウハウやテクニックがあると自然と思い浮かんだり、何かの作業をしているときに、ふっと良い案が浮かんだりします。そうなるためにも、ある程度のノウハウやテクニック、あるいはトレンドなどを得る工夫や努力は怠らないことをおすすめします。
まとめ
今回は見出しを考えるタイミングをテーマに、その理由や効果についてお伝えしました。そして、最後に見出しづくりのノウハウやテクニックの活かし方について少し触れましたが、次回以降は見出しづくりのノウハウやテクニックについて、社内報のご担当者が知っておくと便利なものに絞ってお伝えしてまいりますので、引き続きご期待ください。
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