社内報コラム

インナーブランディングの強化を行い、ブランド発信の求心力を醸成させたい <日本毛織株式会社 総務法務広報室インタビュー>

インナーブランディングの強化を行い、ブランド発信の求心力を醸成させたい <日本毛織株式会社 総務法務広報室インタビュー>

デジタル化が進む中であえて紙媒体を選択し、2020年4月から社内報(以下、グループ報)「Challenger」を始動した日本毛織株式会社様。さらに、2020年の統合報告書も大幅に改革するなど、さまざまなチャレンジを行なっておられます。そこで、改革に至った経緯や思い、周囲の反響などについて、総務法務広報室の國枝 康雄様、小山 博士様にうかがいました。

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日本毛織株式会社様のインタビューの様子を動画でご覧いただけます。
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■総務法務広報室とは

Q.「総務法務広報室」の役割とは?

國枝様:「総務法務広報室」は、ニッケグループ本体の総務と、グループ全体の法務、広報、IRを司る部門です。

具体的には、総務はコロナ禍などにおける危機に対応し企業価値を維持する、法務はトラブル時にグループの企業価値を守る、広報・IRは皆さまに広く知っていただき企業価値を高める、といった役割を担っています。

■グループ報「Challenger」について

Q.新たなグループ報の発行に至った経緯・目的は?

小山様:現在、ニッケグループは、約60社、5,000名を超える(2020年11月現在)従業員を抱え、祖業の繊維事業から大きく事業領域を広げています。そのため、インナーブランディングの強化が課題となっています。

2019年に、当社役員が組織する『企業ブランド戦略委員会』主導で、グループ企業のヒアリングを行なったのですが、一部ではあるものの、指導する立場の従業員でさえ、グループの経営理念や方針を理解していないことがわかったのです。

そこで、 「グループの理解を高める・帰属意識を醸成する・共感を与える」ことを目的とした、インナーコミュニケーション施策としてのツールが必要だと判断し、グループ報を発行することとなりました。

創刊号の仕掛けとして誌名を募集し、1号目から「Challenger」の名で発行しています。この誌名は、「情熱と誇りを持ってチャレンジする」という弊社の経営理念にふさわしいということで選ばれました。

Q.紙媒体にした理由は?

小山様:ニッケグループ従業員の約2/3ほどが、インターネットを使った職場環境ではありません。そのような状況下でも、紙媒体ならいつでも手にとって見られますし、家に持ち帰って家族の皆さんにもお読みいただけます。

Q.具体的な記事内容について

小山様:まず創刊号では、[社長のグループ報にかける思い]や、 [各事業部長が従業員とともに事業内容を語り合う]記事を掲載し、グループへの理解を高めることに注力しました。

1号以降では、編集目的である「理解を高める・帰属意識を醸成する・共感を与える」ことを感じさせるさまざまなエピソードを、巻頭の[特集]で取り上げています。

連載企画では、各事業部・拠点をわかりやすく紹介する[企業探訪][グループNEWS]、従業員への注意喚起となる[法務に関するQ &A]、経営ツールに役立つESG情報[SDGsへの取り組み]を掲載しています。

Q.社内の反応は?

小山様:創刊号では、社長メッセージとともに、日頃の人となりがわかるようフランクな一問一答も掲載しました。その結果、社長を知らない従業員もいたのですが、「親しみを感じた」、「会社の目標を知れて、向上心が上がった」と高い評価が得られました。

また、2020年10月に発刊した号で、コロナ禍で奮闘する介護現場の方や中国で働く従業員を特集したところ、「現場での努力と奮闘に感動・感銘した」、「『働く幸せ』を与えてくれる温かい会社だと思った」など、従業員の働くモチベーション向上につながったと感じています。

家に持ち帰った従業員のお子さんが読んで、「『お母さんの会社ってすごい!』と言ってもらえてうれしかった」との感動的な言葉も聞けて、非常に励みになりました。

Q.りえぞん企画の支援で良かった点

小山様:誌面デザインが雑誌のように格好よくなったことに加え、特集など重要な記事の取材にご協力いただけることで、非常に掘り下げた内容になっています。取材で初めてわかる当事者の心理や現場の苦労、思いなどが、読者へ感動的に伝わる努力をしていただいており、大変感心しています。

さらに、アンケートを採取できる仕組みを作っていただけたことも大きいですね。どのような形で読まれているのか・伝播しているのかがわかる仕組み作りは、私たちにはできないことでしたので、とても助かりました。

 

■「統合報告書2020」について

Q.統合報告書の役割とは?

國枝様:株主様や投資家様、取引先様などステークホルダーの方はもちろん、従業員に対しても、“正しくニッケをご理解いただき、中長期な視点でニッケの企業価値を表すもの”と考えています。

Q.2020年版で取り組んだテーマ

國枝様:りえぞん企画さんからのご示唆で、ニッケグループの方向性がわかるような年度のテーマ〈「Innovations Aiming at Sustainable Growth of NIKKE」“安定的な成長を続ける”〉を設定し、巻頭にカバーストーリーを掲載しました。
これにより、当社の[理念]と[成長と変化]が端的に表現でき、今までのものから大きく改善されました。

Q.読者からの反応は?

國枝様:投資家様を中心に、極めて高い評価をいただいています。さらに、同業他社の広報やデザイナーの方々からも「御社の2020年の統合報告書はすばらしいですね」とのご意見をいただくことが多く、大変感謝しています。

Q.りえぞん企画の支援で改善された点

國枝様:社内制作では見過ごされていた問題点について、りえぞん企画さんのように多くの企業を取り扱われている実績経験から客観的に評価いただけたのは、大きな収穫でした。

具体的な例を挙げますと、内容が充実していると言われていたトップメッセージに比べ、そのほかのページの内容が薄く、整合性がないとのご指摘を受け、この点を改善できる多くのアイデアをいただきました。

例えば2019年版までのビジネスモデル図は、一般によくあるような形式的なものでしたが、2020年版では新しいモデル図を提案、作成いただいています。

また、社史に関わる点でも、創業者にスポットを当てた斬新な内容に変化させ、この点も投資家様から高く評価されました。

Q.今後の取り組みについて

國枝様:広報戦略としてはインナーブランディングの強化を行いながら、中長期計画としては「従業員自らが理解し、ブランド発信の求心力を醸成させる」ことを目標としています。

りえぞん企画さんには、グループ報と統合報告書の両方を作っていただいていますので、それぞれの情報を使っての広報戦略が大変有効的に展開できていると感じています。

今後は、インナーブランディングだけにとどまらず、蓄積された情報をアウターで展開していくアプローチも進めていきたいので、りえぞん企画さんには今後ますますのご示唆とご協力をお願いしたいと思っています。

 

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