社内報制作に役立つ! 寄稿依頼を快く受けてもらう秘訣
読まれる社内報の特徴として一番にあげられることは、従業員の方たちがたくさん登場していることです。
また、従業員の方たちを社内報にたくさん掲載することは、従業員同士の相互理解を促したり、ヨコのつながりを生み出し、強くしていくといった点で、社内報としての重要な役割でもあります。
そういったことから社内報づくりでは、従業員の方たちに寄稿を依頼するケースが多々あると思いますが、依頼を断られてしまうことも多いかと思います。
そこで今回の記事では、従業員の方たちに寄稿を依頼するときに、依頼を断られる原因と、依頼をできる限り断られないようにする方法についてお伝えしてまいります。
寄稿を快く受けていただくための心得
寄稿の依頼を快く受けていただく最初の関門は、寄稿をお願いする相手に、依頼する意図や内容が、速やかに、分かりやすく伝わることです。
それは、依頼を受ける方は、なぜ自分に依頼するのか、自分は何を求められているのか、具体的に何をすれば良いのかがわからないと、依頼に応じたくないといった気持ちになるからです。
寄稿の依頼は通常、依頼書を用いて行いますが、依頼書を作成する上で意識すべきことは、このような、依頼を受ける側の心情を踏まえて、依頼事項などを取りまとめることです。
寄稿を快く受けていただくための依頼書の内容
依頼書には、書いていただきたいテーマ、文字量、データ形式、提出期日、提出方法と送付先のほか、寄稿していただくコンテンツの説明や企画の趣旨、寄稿していただく方に書いていただく目的や理由を記します。
写真も同時に依頼する場合は、提供していただく写真の内容やデータの容量、使用不可となる写真の特徴を記します。
寄稿依頼を受けていただけない5つの原因
ここまでは寄稿を依頼する基本についてお伝えしてまいりました。
寄稿の依頼はここまでお伝えしたことを実践すれば、受けていただける可能性が高くなるのですが、それでもやっぱり受けていただけないこともあります。
そこで、ここからは、わかりやすく丁寧にお願いしても、寄稿依頼を受けていただけないといった状況に陥る主な原因と、それぞれについての対策をお伝えします。
寄稿の依頼を受けていただけない原因は主に5つあります。
それは、
- 残業するほど忙しいので余計な仕事を増やしたくない
- 社内報を読んでいないから受けたくない
- 社内報に載るほどのことはやっていない
- 書くことが苦手なので依頼を受けたくない
- 十分な成果や結果が出ていないので今は依頼を受けたくない
です。
①残業するほど忙しいので余計な仕事を増やしたくない
依頼を断られる原因の多くがこれにあたります。
ただ、この原因に対する方法はそれほど難しくなく、直接本人に依頼するのではなく、依頼したい従業員の上司を通じて、業務の一つとして上司から伝えていただけば、ほぼ受けていただけると思います。
そこで、依頼するステップとしては、依頼内容を依頼書にまとめた上で、依頼する従業員の上司に相談として話を持ち掛け、寄稿をお願いする従業員でなければならない理由などを説明して、協力を取り付けることから始めます。
上司は通常、自分の部下が社内報に出ることは誇らしいことでもありますので、多くの場合は相談を快く受けていただけます。
そのあとは、その上司から部下に指示していただくようにお願いするとともに、改めて本人に説明するので、指示したあとは折り返しの連絡をいただけるようにお願いしておきます。
このときに大切なことは、期日をしっかり伝えておくことです。
上司も忙しいので、ついつい忘れてしまったなんてことも起こり得ますので、いつまでに本人に寄稿していただきたいのか、そのためにいつまでに指示していただきたいのかを、きっちり伝えておくことが大切です。
②社内報を読んでいないから受けたくない
これは①と比べるとかなり稀なのですが、なかにはこういった理由で寄稿を拒まれる方もいらっしゃいます。
こういった理由で寄稿を拒まれる場合も、①と同様の方法で、業務として対応していただけるように、その従業員の方の上司に相談した上で、上司からの指示で執筆や寄稿をしていただきます。
ただし、この場合のアクションとして大切なことは、この従業員の方が寄稿をきっかけにして、社内報を読んでいただけるようにすることに加えて、社内報をなぜ読まないのかを聞くことです。
読まれる社内報にしていく上で、読んでいない方の意見は大変貴重なものですので、この理由で拒まれたことを好機ととらえて、その方が社内報を読まない本当の理由を聞き出してみてください。
読まれる社内報の見出しの作り方についてはこちらへ
③社内報に載るほどのことはやっていない
直接の依頼や、あるいはその従業員の上司を通じて依頼する場合でも、断られることがあります。
それはその従業員の方が、社内報に載るほどのことはやっていないと謙遜されて、寄稿はもとより、社内報に載ること自体を拒む場合です。
この場合の依頼のステップとしては、社内報に載っていただくことを前提に説得するのではなく、載せるか載せないは後から検討する旨を伝えて、まずは話を聞かせて欲しいと持ち掛けます。そして、電話やオンライン会議で話を聞かせていただき、いま話していただいたことを社内報に掲載したいと伝えた後、改めて依頼する具体的な内容を伝えていきます。
④書くことが苦手なので依頼を受けたくない
この場合は、無理に寄稿していただこうとするのではなく、インタビューに切り替えて、電話やオンライン会議を用いてお話を聞き、社内報のご担当者が代筆して、本人の確認と承諾を得て記事にしていきます。
⑤十分な成果や結果が出ていないので今は依頼を受けたくない
これは寄稿の依頼が拒まれる原因として、最近特に増えてきており、社内報のご担当者を悩ませています。
その理由としては、社内報に取り上げるテーマが、長期ビジョンや社会課題と関連づけたものが増えてきているからだと考えられます。
長期ビジョンや社会課題への取り組みは、成果や結果はまだ先にあることが多いことはもちろんなのですが、社内報としてはこれをテーマとして取り上げる必要があり、同時にその取り組みを行っている従業員の方に出ていただきたいと考えます。
ところが、従業員の方たちからしてみると、まだ始まったばかりなので、社内報に書けるような成果や結果は何もないし、今後も想定している成果や結果が出る保証はなく、失敗に終わるかもわからないので、できることなら遠慮したいと考えてしまいます。
では、どうすれば寄稿を受けていただけるかについてですが、すでにお気づきかもわからないのですが、こういった理由で寄稿の依頼を受けていただけないのは、依頼する内容が十分に伝わっていないからだと考えられます。
従業員の方たちは、結果や成果が出ておらず、今後それらを出せるという保証もないと考えられて断りたいとされていますが、依頼する側である社内報のご担当者は、その点を求めているのではなく、今どのような取り組みをしているのかといったことや、その取り組みで目指していることは何なのかといったこと、あるいはその取り組みへの想いや意気込みといったことだったりすると思います。
まだ始まっていない取り組みの場合は、何かを書いていただくことは難しいとされることもありますが、すでに始まっている取り組みは、書いていただく内容が明確に伝わり、その内容が何らかのリスクを負うものでなければ、通常は抵抗なく書いていただけます。
もし、こういった理由で寄稿、あるいは取材を依頼しても断られることが多い場合は、執筆していただきたいテーマや項目が、受け手に正しく伝わるように具体的に示せているかどうか、誤解を招く表現になっていないかどうかを確認してみることをおすすめします。
まとめ
読まれる社内報にすることや、社内報で伝える情報の充実を図っていく上で、寄稿や取材の依頼の質を高めていくことは極めて重要です。今回お伝えしたことが役に立ち、たくさんの方から快く寄稿していただけ状態を築いていただけると嬉しく思いますが、依頼のスキルは寄稿や取材、あるいは社内報の業務のみならず、その他の多くの仕事で役に立つスキルとも言えます。この記事が寄稿や取材のスムーズな依頼に留まらず、そのスキルを高めるきっかけになったといった方が出てこられるようになれば、さらに嬉しく思います。
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