見られるためのWeb社内報マーケティング(後編)
見られるWeb社内報を目指して、多くの企業では全社メールによる告知やプレゼント企画といった、さまざまなプロモーションを取り入れています。しかし、一定の効果は得られるものの、それ以上の効果が得られないといったお悩みも耳にします。
後編ではWeb社内報マーケティングの手法の中でも最も実践したい「マーケティングの4C」の取り組みについてお伝えします。
「マーケティングの4C」を取り入れたWeb社内報マーケティング
「マーケティングの4C」をWeb社内報マーケティングに取り入れる際、どのような点を考慮していけば良いのかについてここで説明します。
その前に「マーケティングC」について、下記にておさらいしておきましょう。
「マーケティングの4C」のCとは?
「Customer Value(顧客価値)」「Customer Cost(顧客が負担するコスト)」「Convenience(顧客の利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」です。
これらを前編でご紹介した「マーケティングの4P」と対比すると
Product(製品)≒Customer Value(顧客価値)
Price(価格)≒Customer Cost(顧客が負担するコスト)
Promotion(プロモーション)≒Communication(顧客とのコミュニケーション)
Place(チャネル)≒Convenience(顧客の利便性)
となります。
Customer Value(読者価値)を高めるためのポイント
社内報は従業員に対しての認知・理解の促進、社風や事業への共感を意識したメッセージや情報を取り扱うツールとも言えます。記事のテーマについても読み手の視点ではなく、あくまでも経営的な視点で考える必要があります。
ただし、上述の内容をダイレクトに記事化しても、企画内容や伝え方によっては読者である従業員の関心が全く得られず、素通りされてしまう可能性も多いにあります。
そこで、たくさんの方から共感を得て、読んでいただくようにするために考えるポイントの一つが顧客価値となります。
具体的には
・記事を読むことにメリットやベネフィットを感じることができるか?
・記事の視点や切り口が読者の興味や関心に応えるものになっているか?
・記事を読んだあとに気持ちがポジティブになったり意欲が沸いたりするか?
といったことを意識して発信できているか?この観点を意識しながら過去に公開した記事を振り返って改善を図っていきます。
Customer Cost(読者が負担するコスト)を抑えるためのポイント
見られるWeb社内報にするためには読者がアクセスすることに、できるだけ負担を感じないようにさせることが重要です。
具体的には
・忙しいなかでもストレスなく読み進めることができるか?
・読んでいく途中で何を読んでいるのかわからなくなったりしないか?
・読み進めることを妨げるような意味が伝わりづらい語句を用いていないか?
といったことを公開した記事を見返したりしながら改善点を再検証してみましょう。
Convenience(読者の利便性)を高めるためのポイント
読者にとっても利便性の高いWeb社内報ですが、読者が情報を欲しい時に、容易に手に入れることができる状態や状況を築くことが大切です。
具体的には
・カテゴリーやメニューの名前がわかりやすい表現になっているか?
・何を読めば良いのかをサポートしてくれるような仕組みが用意されているか?
・メッセージや情報を心地よく理解できるようにしてくれる要素が組まれているか?
といった点を検討します。
もちろんWeb社内報にアクセスしやすいように、イントラネットや社内ポータルサイトの上部にバナーを設置したり、シングルサインオンにするなど簡便にしたりすることも大切です。
Communication(読者とのコミュニケーション)のポイント
4つのCのなかでもこの点は忘れがちになるポイントなので注意が必要です。こちらを怠るとWeb社内報はたちまち無味乾燥なツールとなり、人を惹きつける力を失います。
一方で、「Communication」を上手に取り入れている会社のWeb社内報は、従業員からの関心度も高く、アクセス率も高い傾向にあります。
取り組み方としての具体的なポイントは
・編集者とコミュニケーションしているような気持ちになれる仕掛けがあるか?
・見出しやサムネイルから「読んでほしい」という想いや工夫が感じられるか?
・編集者の視点や感情、想いがほどよく感じられる記事になっているか?
これに加えて、読者価値、読者の負担、読者の利便性を考えて実践することや、その効果を検証することも、読者とのコミュニケーションの一環として捉えて取り組んでいきます。
Web社内報マーケティングの効果測定とその考え方
最後に、Web社内報マーケティングの効果測定とその考え方についてお伝えします。
Web社内報マーケティングの効果測定では、GAをはじめとする検証ツールを用います。こういった検証ツールは一般のWebサイトの場合、マーケティングツールの一つとして活用されています。
そのツールで何を検証するかというと、お客さまに買っていただくための仕組みづくりにおける「仮説」の検証です。これをWeb社内報マーケティングに置き換えると、見られるWeb社内報にするための仮説を検証することが、検証ツールの正しい活用法となります。
そして、その仮説を立てるための視点が、お伝えしている読者価値や読者の負担、読者の利便性、読者とのコミュニケーションです。Web社内報マーケティングの効果測定は、これらの視点で立てられた仮説とその実践による効果を測定し、仮説の有効性を検証することだといえます。
まとめ
Web社内報マーケティングを実践する際には、記事を商品に、サイト自体をECサイズに見立てて考えると、わかりやすいのではないかと思います。
ECでは、お客さまに来てもらう工夫はもちろん、商品を買ってもらうために、商品価値を高めるセールス文章や、買いやすい値頃感に設定したり、購入時の負担を極力軽減したりと、お客さまに何度も訪れていただくための仕掛けがあちこちに仕込まれており、さまざまな方法でお客さまとのコミュニケーションが図られています。
ECのマーケティング同様に、Web社内報も従業員の視点に立つことができる考え方に基づいて、記事を作成したり、改善したりすることで、サイトを育てていくことをお勧めします。
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