社内報コラム

【社内報のネタ】従業員エンゲージメントを高めるネタ9選

【社内報のネタ】従業員エンゲージメントを高めるネタ9選

リモートワークの浸透やDXへの取り組みが本格化するなど、新しい働き方や働き方の多様化がますます加速するなかで、社内コミュニケーションに関するさまざまな新しい課題が浮上してきています。

そこで、今回は、今だからこそ取り入れるべき社内報の基本のネタとして、従業員エンゲージメントを高めるネタを9つ、その理由とともにご紹介します。

社内コミュニケーションの新しい問題が急浮上

コロナ禍で広がったリモートワークなどの新しい働き方やDXの浸透により、会社と従業員、従業員同士の物理的な距離感が広がる傾向にあります。加えて社会の不確実性・不透明さが増すなかで、特に会社と従業員一人ひとりが未来や夢をいかに共有し続けるかという従業員エンゲージメントの向上が課題となっています。従業員エンゲージメントの向上は、社内報の役割としても極めて重要かつ緊急の課題となってきました。

従業員エンゲージメント向上のための基本のネタ9選

社内報で取り入れられる従業員エンゲージメントを高めるためのネタとして、以下の9つをご紹介します。

・ 経営理念
・ 企業哲学
・ 社是
・ 行動指針
・ ブランドステートメント
・ 企業のDNA
・ コーポレートアイデンティティ
・ コア・コンピテンシー
・ 企業文化・風土

これらを社内報の発行目的とされている会社は多いと思いますが、社会の劇的な変化にともない、会社と従業員の関係性や働く環境が大きく変化し続けている今、改めて社内報の原点といえるこれらのテーマに注目する必要があります。

① 経営理念はピンチとともに伝える

経営理念とは経営トップから従業員まで、その会社に属するすべての人たちが共に心に宿す根本的かつ全体的な考え方です。裏を返すと事業活動に関わるすべての行動には、経営理念が宿っていると考えられます。

ただ、通常は日々の仕事のなかで常に経営理念を意識しているわけではないのではないでしょうか。
では、どのような時に経営理念を意識するのか。

それは、どのように対処して良いのか見通せないときやこれまでに経験したことのない失敗をしてしまったときなど、ピンチに陥ったとき。

そこで、たくさんのピンチを経験し、それを果敢に乗り越えてきた方に、その経験とともに語っていただくことをおすすめします。そして、それらをもっとも効果的に語ることができるのが、経営トップをはじめ役員の方々です。

失敗談やピンチを切り口にした企画は、共感や驚きとともに伝えることができるためオススメです。

② 企業哲学は歴史からひも解いて伝える

経営理念が会社の根本的な考え方であることに対して、企業哲学は会社や経営の在り方を示したものと言えます。
企業哲学を伝える意味は、従業員に会社や経営の在り方を示したり、会社が存在する意義を共有したりすることにあります。

そこで、企業哲学は会社の歴史と関連させて伝えることが有効です。会社は創業期から幾度となく存続の危機を迎えながら、それを乗り越えて今に至っています。これらの情報は通常、社史や沿革情報、統合報告書などに記載することが多いですが、社内報はそれらのツールと関連させながら、特に若手向けにわかりやすく伝えることがポイントとなります。

もっとも望ましい方法は、連載コラムで情報を区切りながら継続的に伝えることです。読む抵抗を感じさせることなく意識に宿していくことをおすすめします。

③ 社是はさまざまな社員コメントの軸にして共有する

社是とは経営理念や企業哲学の実践にあたって、経営者や従業員がとるべき共通の姿勢を示したものです。会社のあらゆる指針やルールを示した基本的な概念として、わかりやすい言葉で表現している場合が多く、従業員目線では経営理念や企業哲学よりも、日々の仕事や行動と密接させてとらえることができるものだと言えます。

そのため社内報での社是の取り上げ方としては、社員紹介や職場紹介のコメントの軸にしたり、表彰企画などで受賞者コメントの軸にすることが効果的です。

また、社是は社内報との親和性が高く、社是をもとに社内報のタイトルを設定したり、目次や裏表紙に記載して共有を図る会社も多くみられます。

④ 行動指針は新しい取り組みと関連させて特集化する

行動指針は、経営理念や企業哲学、社是など会社の考え方や価値観、姿勢の実践に向けた行動の判断基準や方法を示したものです。従業員の皆さまの仕事におけるあらゆる行動は、基本的には行動指針に基づいているものと考えられます。

行動指針は、日々の行動の基準にできるように、誰もが容易に理解・判断できる表現となっている場合が多く、従業員への浸透度としては比較的高いと考えられます。

そこで社内報では、リモートワークやDXのような新しい取り組みに、行動指針をどのように取り入れているかを共有する特集などが効果的です。

⑤ ブランドステートメントは誇り高く伝える

ブランドステートメントは、会社がさまざまなステークホルダーに向けて示す約束を、実践・実現するための指針となります。経営理念や経営哲学、行動指針との違いは、これらが組織運営のための社内的なニュアンスであるのに対して、ブランドステートメントは社外向けのニュアンスがより強いものと言えます。

ブランドステートメントは行動指針と同じように、誰にとっても理解しやすい表現で示され、行動指針よりも共感しやすい表現を取り入れられています。従業員にブランドステートメントを携行するように勧めている会社も多く、従業員の皆さまも日々意識しながら仕事をされている場合もみられます。

そこで、ブランドステートメントは、ブランドの一番の受益者である顧客との関係に焦点をあてて、製品やサービスと関連づけて伝えることが効果的です。

ポイントは、お客さまの声を取り入れ、従業員の皆さまが誇らしく感じるように伝えること。共感度とエンゲージメントを高めることを目指します。

⑥ 企業のDNAは沿革の「革」をストーリー化する

企業のDNAは、変化し続ける事業環境や競合との競争のなかで、さまざまな経験や学習を通じて形成する、企業として存続し続けるためのプログラムと言えます。

特に最近はVUCAに示されるように、社会や事業環境の不確実性や不安感が高まり続けるなかで、社内報で企業のDNAに改めて着目する意義は高いと考えられています。

DNAは通常、危機的な状況を認識したときに活性化する可能性が高いことから、社内報の企画としては、現代は企業が生き残り続ける上で極めて厳しい状況だという認識を全社的に共有すると同時に、過去のこのような状況において、会社がどのように対応し、進化したのか、会社の沿革の「革」に注目してその歴史をひも解きながら、ストーリーを交えて紹介することが効果的です。

また、DNAは経営理念や社是などとも強く関連していることから、先に紹介したような企画を複合的かつ継続的に実践することが望ましいと考えられます。

少し違った切り口として、DNAは社歌に端的に示されている場合も多く、社歌をテーマにしてその成り立ちを紹介するといった企画も効果的です。

⑦ コーポレートアイデンティティは会社のアイテムをひも解いて語る

コーポレートアイデンティティは、受け継ぎ育まれてきた企業の文化や価値観を集約・抽象化した概念で、会社の雰囲気や「らしさ」を表したものです。

会社のロゴの多くはこれらを視覚化したもので、ビジュアルアイデンティティと言います。制服など会社のドレスコード、さらに、会社独自のさまざまなマナーもコーポレートアイデンティティを表すものです。

このようにコーポレートアイデンティティは人の目に映るあらゆるものに反映されていることが多く、社内報では視覚化されたものがどのような意味を持っているのかを紹介することで、浸透を図ることが可能です。

何より、コーポレートアイデンティティはブランドイメージや会社のステータスイメージとも関係しており、全社的な一体感を外部に示したり従業員同士の絆の醸成につながります。

コーポレートアイデンティティは、従業員エンゲージメントの向上に向けて、非常にわかりやすくて有益な概念ですので、社内報で定期的、継続的に紹介することをおすすめします。

また、社内報自体がコーポレートアイデンティティを示したり、醸成を図るツールとも言えます。そこで、個々の企画だけではなく、全体のデザインや使用するフォント、色、写真のテイストなど、社内報の雰囲気づくりから見直しを図ることもおすすめです。

⑧ コア・コンピテンシーは開発や決算、グローバル企画で示唆する

コア・コンピテンシーとは会社が培ってきた他社を圧倒する能力や技術、会社の高いパフォーマンスを司るメカニズムのようなもので、組織力と言い表すことができます。コア・コンピタンス、ケイパビリティなどとも言います。

コア・コンピテンシーは人の能力と同じで、極めて複合的に形成されたものですので、これらをひも解いて伝えることは容易ではないのですが、結果として組織的なパフォーマンスに表されることに着目して企画を考えます。

たとえば製品やサービスの開発や市場展開をテーマに、関係するさまざまな部門の方から、使命感や想いを語っていただく企画が考えられます。また、少しハードルは高いすが、決算の数字をコア・コンピテンシーを司る部分と関連させながらひも解いて伝えることも効果的です。

グローバル展開をテーマにした企画も、コア・コンピテンシーを伝えることができる有効な方法です。グローバル展開は通常、国内事業で培ってきた能力をもとに行われ、グローバルでの成果は会社のコア・コンピテンシーが明確に体現されたものと考えられるからです。

ぜひコア・コンピテンシーに着目してグローバル展開を切り口に企画をたててみてはいかがでしょうか。

⑨ 企業文化・風土はトップダウン&ボトムアップで

企業文化や風土は社内報のもっとも重要なテーマの一つであり、本質的な目的と言えます。

つまり企業文化や風土は他のネタとは異なり、単体の企画としてではなく、まずは社内報全体で総合的に考えることが必要です。その上で単体の企画やコーナーとしても伝えていくことをおすすめします。

企業文化や風土は「醸成する」「継承する」と表現されるように、職場紹介や従業員紹介を軸に据えて、人の言葉を通じて社内に染み込ませ続けるような方法で伝えます。

また、企業文化や風土は戦略や方針にも色濃く反映されます。長期ビジョンや中期経営計画など新しい戦略や方針の実現を目指すにあたって、経営トップから企業文化や風土と掛け合わせて語っていただきましょう。

不確実性・不透明感が増し、DXなど仕事の進め方の抜本的な刷新を図る現代においては、これまで是とされてきた企業文化や風土を変革させることが必要な場合も多く、改めて何を受け継ぎ何を変えるのかを、経営トップから具体的に示すことも重要です。

さらに、アンケートで企業文化や風土に触れ、集計結果を社内報で公開し、従業員の意識を従業員がモニタリングし続けられるボトムアップ型の企画も、従業員エンゲージメントを高めるために非常に有益です。そのような方法を取り入れたことがない場合はご検討してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は社内報でこれまでに実践されている可能性が高い、いわば中心テーマを従業員エンゲージメントという現在の課題と照らし合わせながら、どのように伝えていくことが効果的かご紹介しました。

社内報が取り扱うべきテーマや重要なキーワードは増え続ける一方ですが、社内報ラボではそれらキーワードのご紹介と合わせて、社内報で伝える方法についてもお伝えしてまいりますので、ぜひご期待ください!

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