愉しみある人生に!?
去年からなのでまだ2回目ではあるが、クラシックカーのラリーに参加している。あくまで趣味の話ではある。
このラリー、というかイベントは、テレビなどで観る公道を常軌を逸したスピードでカッ飛んでいくそれなどでは当然なく、コドライバーと呼ばれる同乗者とチームで、コマ図という目的地までの道順を絵で書いた図を一緒に読み進めながら走るものだ。いわば、往年の「ラリースタイル」にリスペクトを払いつつ、現代的にアレンジを利かせたラリーの祭典である。
そんな背景だから、参加するクルマも古くは100年前から新しくても30年ほど前までと、いわゆるクラシックと呼ばれるものが約70台、長野県小海町に集結する。そこを基点に八ヶ岳、美ヶ原、野辺山、原村など長野と山梨が誇る風光明媚で乗って楽しいドライブルートもといラリーコース200kmを巡る、今年で33回目の開催を数えるクラシックカーラリーの草分け的存在だ。
このイベントを知り実際に参加しているのは、仕事を通じて主催者と知己を得たからであるが、書いた通り100年前のクルマを筆頭に60年前50年前のクルマが一堂に会する様子は圧巻で眼福の一言に尽き、初めて目に、耳にするクルマも非常に多く、そうしたクルマたちと絶景を堪能しながら一緒に走れることが、自分にとって最高の休日になっているからである。
私は嬉しいことに娘と参加しているが、参加者もまた、夫婦の共通の趣味として参加されるパターンから、クルマにストップウォッチを増設するような本格派、昔の同級生と、会社の同僚と、などチーム編成も様々だ。エントラントの多くが中高年であるのは事実だが、100年前のクルマを駆る80代のエントラントを筆頭に、多くはこうした人生の愉しみを持つ方ならではの、年齢を超えた元気と若々しさが漲っている。“オレモマケテラレナイゼ”と去年も感じたが、人生の先輩方にはただただ頭の下がる思いだ。
また、イベントは参加することももちろんだが、こうしたクルマがドサっと集まる機会もそれほど多くないためか、見学者も思った以上に多い。とりわけ目を引くのが若い人だ。去年、そして別イベント(このイベントは小海以外で@京都、@姫路、@東京でも開催)でも一定数の20代の見学者がいて、長玉を付けた本格一眼やスマホで必死に撮影をしている姿を見ると、「今ドキの若い人はクルマに興味がない」は必ずしも言い得ているわけじゃないなと思うのだ。
そんな自分はというと、スマホで撮った写真を見返しながら「来年は別のもっと旧いクルマで出たいな~」などとあらぬ妄想を一人膨らますのだった。