りえぞん企画の強みってなんだろう?
先日のブログでは、当社がこれまで営業を行う過程で多様なサービスラインナップを取り揃えることが功罪両方あると感じたと書きましたが、本日はその続きを書いてみようと思います。
多くのサービスを提供できること自体に直接的な実害は無いのですが、ここでむしろ問題と感じたのは、クライアントからは「いろいろできるのは良いのだけど、結局のところ何に強いの?」と、いわゆる特徴に乏しく記憶にも残りにくい会社に見えているということでした。
例えば新規営業開拓のアポイントの際も、何を売りたいのかが分かりにくいため端的なトークができなかったり、いざ訪問という段階でも、キラーワードと信じていた「どんな仕事でも対応できます」が、結局のところ相手にとっては雲を掴むような話しで、なかなか受注に至らなかったり、仕事を獲得した場合でも、クライアントが私たちの何に期待をして発注されたのか実感に乏しいことも多々ありました。
MBO後はとにもかくにも赤字を出さない一心で仕事を獲るために幅を広げることを意識して活動してきましたが、ちょっとしたきっかけで踊り場というフェイズに立ってみると、少し冷静になって自らをレビューすることができるものです。
それは「仕事を獲ることが目的?」「自分たちは何者なのか?」「何が強みと言えるのか?」ということを考えさせられる良い機会にもなります。
私たちの生い立ち、創業以来やってきた仕事、競合他社との違い、失敗体験と成功体験、クライアントにご提供できたであろう価値、マーケット分析、社内外のリソース、MBO実施の理由など、これまで触れてこなかったようなジャンルも含めて多岐にわたる思考を巡らせて、自分たちを見つめ直すというのは億劫で面倒な反面、なかなか得難い機会でもありました。
もちろんこうした機会を作ることで「私たちが何者で、何が強いのか」を生み出せるわけでも手に入れられるわけでもありません。
たとえ今この瞬間に「これだ!」と言えるものが無くとも、これからどこに向かうべきか、そこを目指すためにどう活動していくかを定めることができれば、実はこれこそが自分たちを自分たちたらしめる活動そのものであるとも言えるのです。まさに、自社の“見えないアセット”を作っていく活動ですね。
私たちも例外ではありませんでした。少々遠回りをした感はありますが、祖業である丸紅の社内報とグループ報を作るという仕事は、単純に定期刊行物を制作するというだけではありません。
その根底にある働く人の想いや願い、時には祈りに近いものが脈々と流れていることを理解し、その想いをカタチにし、当社の社名の意味である「つなぐ」という、我々にしかできない非常に誇りのある仕事を任されていることに気づかされることとなりました。
この「つなぐ」仕事をさらに深掘りして磨きをかけることが「私たちの強みになるかも知れない」と改めて思い至ったのです。
私としては「これを強みにしたい」と願って今も日々活動をしている最中(ing)であるという意味において、今なお自分たちの強みを勝ち取る過程にあるというのが実情かなと感じています。こうした活動を何年か続けてきたことによって、「社内報をハブとしたインターナルブランディング」や「B2B企業に寄り添った最適な企業コミュニケーションをデザインする」という私たちの考え方が、取引先の皆さんとの会話の中でも、ある程度形作られてきたと実感することもあります。
手に取ることができない企業イメージや企業の強みという“見えないアセット”は一朝一夕には構築されるものではありません。
本当は他者から評価されて初めて「強みができた!」「特徴がある」と言えるものだとすれば、私たちも外部から評価を得られるよう、現状に満足せず日々ingで仕事をしていかねばと想いを新たにする今日この頃です。