効くインターナルコミュニケーション?
りえぞん企画では、数多くの企業のインターナルブランディングやコミュニケーションの支援をしていますが、コロナ禍以降の”変化の時代”3年目に入ろうとしている現在、クライアント各社が解決を迫られている様々な課題を抱えていることを目の当たりにし、それらの具体的な相談を受けています。
言うまでも無く、それらは「新しい働き方に沿ったもの」で、多くはこれまでニーズはありながらもなかなか具体化できなかった、潜在的な課題であったりもします。
例えば、コミュニケーションしやすいオフィスのレイアウトは?リモートワークに適したオフィスの在り方は?といった物理的・スペース的なご相談もあれば、物心共に遠くなる従業員同士の距離を縮めるためのインターナル施策や、ライブ配信やウェビナーといった営業支援的なことも含め、新しい時代に則した企業の社内外コミュニケーションの在り方を模索されているのが、クライアントの皆様の声から見て取ることができます。
これまで以上に相談を受ける機会が増え、とりわけ変わったなと感じるのが、インターナルコミュニケーションに対する企業側の意識です。
意識が変わることや問い合わせが増えた理由はとてもシンプルな構造で、先の「働き方が変わったことに伴う社内コミュニケーションの在り方」を模索するゆえではありますが、悩ましいことや相談を受ける内容は、新たにツールを取り揃えることや、情報インフラの整備だけに留まらない、もっと本質的なモノコトが多いと言えます。
すなわち、どんなコンテンツを届けるべきなのかということに加え、これを機にツール発刊の意義を再確認し、場合によっては再定義しようといったことです。
意義とはつまり、何のためにツールや社内報を発刊しているのか?誰に向けたコンテンツなのか?発刊によって何を得るのか?といった極めて基本的かつエッセンシャルなことです。もちろんこれには良し悪しや正解は無いと思っています。
そうした尺度で測るものではありませんし、各社それぞれが定義し、それに則った何らかの編集方針といったものに沿って企画と制作をしていくことですので、各社の個性が現れるところです。
それらはこのサイト「社内報ラボ」内の「社内報コラム」に多くの読み物として上がっていますので、読者の皆さまにおかれましては改めて読んでいただけると、確かに!そうだな!と腹落ちすることも多いと想像します。
私たちも当然ですが仕事をしている中で、各社の社内報の意義や目的に触れたり垣間見たりすることがあるのですが、そうした中でも私が個人的に嬉しく、思わず胸アツになる瞬間があります。
それは「家族からの声」です。もちろん、「私の家族の声」ではありません。
社内報の一義的な読者であるクライアントの従業員の「ご家族」からの声です。離れて暮らすお子さんの仕事ぶりを社内報で知り、その感想やお礼のお便りであったり、社内報を通じて家族の働く会社がどんな会社かを知り、安心できたという声。そんな文面を見ると、とても暖かい気持ちになり、希薄になりがちな人と人との絆のようなものを思い出し、自分たちの仕事は「企業と人の想いを伝える仕事」であると誇らしく感じるものです。
社内報を発刊する意義は、従業員向けのエンゲージメント向上のためや、経営メッセージを社内に周知することであることは、当然で真っ当と言えます。一方で、その先にはそれを楽しみにしている「家族」という読者がいるのも事実で、それをちゃんと意識して発刊している企業も多くあります。社内報を作るというルーティンの仕事はどうしても近視眼的にモノゴトを捉えがちになり、ともすると即効性ばかりを追求しがちですが、少し俯瞰的な見方をすれば、間接的で悠長に見える「家族も読める社内報」は、想いを浸透させていく行為やブランディングというingを組織に根付かせていくための、確実なアプローチなのかも知れません。
企業には多くのステークホルダーが存在しますが、ともすると後回しになりがちな「従業員の家族」というステークホルダーまでを味方にできた企業は、結果として社会と融合し、社会に愛される存在になるのかも知れません。社内報の1コーナーに家族を意識したコンテンツを設けること、私としては是非オススメしたいと思います。ご家族にも効き、その声を聞ける従業員にもきっと効きます。
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