社長ブログ

2022/10/04

仕事における想像力の必要性

仕事における想像力の必要性

私たちの仕事は、数の多寡はさて置き、人と関わってモノゴトを進め、決め、創って、諮ってを繰り返し、何らかの成果物を生み出すことです。自分以外の他者が1人の場合もあれば、10人が関わる場合もあり、いずれにしても1人で仕事が完結するような仕事ではありません。

この過程では当然多くのコミュニケーションが交わされます。リアル&リモート面談、電話、メール、チャット系ツールなど現代の数多くの手段を通じてやり取りが成され、そのトランザクション数と言ったら数十人クラスの組織であっても相当な数字に上るだろうと想像します。

ではコミュニケーションの数が増えれば、コミュニケーションの質、それに伴う仕事の質や生産性の向上といったことにつながるかと言えば、必ずしもそうではないでしょう。コミュニケーションの数量は横に置いたとして、質や生産性などを上げるためには何が必要なのか?また仕事を獲得してカタチにするための確度と実効性を上げるためには、どんなことが求められるのだろうか?私が社内で話しをするのが、タイトルにもある「想像力」です。

私たちの仕事であれば、創造力と言いたいところですが、ここで必要な素養はクリエイティビティではなくイマジネーションなのです。

面談での会話の内容も、メールの文章も、聞いた通りの書いてある通りの額面通りに受け止めるのは、当然しなければならないことでしょう。ただ、人の言動や表情といった表面に見て取れるものは、必ずしも情報や思惑の全てを表しているとは限りません。これは、相手が意図して表現しないこともあれば、ただ単純にその時に表現し忘れていることもあり、見て取れる情報だけが全てではないということは、何となく想像できると思います。こうした前提があれば、普段のコミュニケーションにおいて相手の表現を額面通りに受け止めるだけでは、実は不十分だということが分かります。

つまり、面談での発言、メールの一文を拾い上げ、これはどういうことなのか?なぜこう書いているのか?と感じることが第一歩、そして次に、「きっとこういうことだろう?」「もしかしてこれを言いたいの?」という仮説を持ちながら会話やメールを自ら広げていくことで、相手の持っている情報や想いといったものを聞き出すことができるのです。これは、職種によらず、営業でもデザイナーやライターやフォトグラファーといったクリエイティブでも、想像力を大いに駆使して仮説を立てながら仕事を進められるか否かで、仕事を獲得する実効性も、カタチにしていく過程の生産性や仕上がりのレベルは変わってきます。

逆の立場にあれば分かると思いますが、例えば「もっと聞いてくれたら話してあげるのに」と少し勿体ぶったケースも、「そう言われるとそうかもね」と投げられた質問に回答することで自分の考えがまとまったりすることは、誰しも経験したことがあると思います。情報を出す側も、実は相手に聞かれることで気付かされることも多くあり、その結果、良いモノを生み出せたりもします。立ち位置を置き変えて「想像」してみるとコミュニケーションの見直しに役立つかも知れません。

1つの情報を得るだけで立ち止まらずに、なぜ?この発言の理由は?このリクエストの背景は?と少し疑問を抱き、さらに聞き出し、想像し、仮説を立てる。こんなフローを身に着けると、平面的なメールの文字や、手に取ることのできない口頭での発言も、より立体的で奥行きのあるコミュニケーションとなるでしょう。

と同時に、何だかいつも穿った見方してるよなあ、斜に構えてるよなあ、と自分でも思わなくもなく、気疲れすることもあるのですが・・・。

営業の仕事とは

営業の仕事とは

唐突ではありますが、私は学校を卒業してから30年あまり、営業という職種で社会人人生を送っています。現在は当社の代表という肩書で経営という職種?もとい立場にはあるのですが、それが間接的であれ直接的であれ新しいクライアントや仕事を創っていくという仕事に携わっている意味においては、やはり今も「営業」という職種であろうと言えるのです。

さて、タイトルにもある通り、そもそも営業の仕事とはどういったものなのだろう?

長きに亘ってその職種にあり、自分の組織(部下)を持つと改めて考えさせられるものです。

イソップ寓話がごとく、アリとキリギリスに例えられることもあるし、「世界一の営業パーソン」や「営業はxxがxx割」といった類の多くの書籍や雑誌がある通り、フィーチャーしやすいと同時に答えの無い仕事なのだろうと思うのです。答えというよりも、正解といったほうが正しいかも知れないのですが、ご存知の通り営業にはこれ!という万能な特効薬も無ければ、やり方も人の数だけある十人十色な仕事なのです。売り物や売る人が変わることによっても売り方が変わるし、前職では大いに結果を出せていた営業パーソンも、転職先ではなかなか結果が出ないといったパターンもあり、ホント、何が正解なのやら。

 

当社の従業員を見ていても、営業スタイルは人それぞれ。個性が出るとでも言うのでしょうが、どれも正解だけど、万能な正解も無い。営業の厳しいところは言うまでもなく、結果が数字として表れるという点です。

それが醍醐味だと言えますし、結果はもちろん大事ですが、結果だけを評価するあまりに、手段が不問になるのであれば、過程や内容はともかく数字を上げることだけが正義となり目的化してしまうので、コーチングの塩梅が難しいところでもあります。

当社が社会に存在する意義や目的が、「カネを稼ぐこと」だけでないのは当然で、どんな企業も数字を上げることだけが目的となったら組織は簡単に瓦解するでしょう。こうしたことを踏まえ、当社では営業に対するマインドセットとして「プロセスを大事にして欲しい」そして「為すべきを為してください」と伝えています。逆説的には、やることを然るべきタイミングでやらなければ求める結果は出ない、という極めてシンプルな行動指針を掲げ、ものごとの道理とも言えるこのシンプルさがゆえに全員に伝わるであろうと考えるのですが、これまたなかなか・・・。

さて話しを少し戻して、私にとって営業とはどんなものなのか?ということですが、一言、一番難しい仕事であると事あるごとに言っています。とりわけ当社のような広告会社、無形商材の受注産業の営業というのは一筋縄ではいかず、自分たちの意思や社会の要請とは関係なく、クライアントが「ない袖は振れぬ」と言えば、基本的には終わってしまいます。

また、安いから売れるわけでも、毎日クライアント訪問をしていれば買ってくれるわけもない。でもその側面も否定できない、とまあ二律背反矛盾だらけの脳内ノリツッコミの連続で、なかなか簡単ではありません。自分は営業が得意だ、営業しかできない、といった向きもありますが、私から見れば羨ましく、その自信はどこから来るのか教えて欲しいくらい。そう、私は難しい仕事だと思っているし、自己評価としても得意ではない、というのが私にとっての「営業」という仕事です。

しかしながら、大変であるのと同時に楽しいと思えることもたくさんあるのです。仕事を通じて得られる知己や、多くの企業や業種に接することができることはもちろんのこと、何より営業こそが一番クリエイティブであるということです。極端なことを言えば、我々無形商材を扱う営業は、自分がこんな仕事をしてみたいという想いをクライアントに提案し、それをカタチにし、仕事にしていくことができるのです。クライアントが何を求め、どんなことに困っているのか、をクライアントの一番近くで見聞きできるからこそ、「次はどうしよう」「こんなことをやってみては?」という発想や起点を創り出すことによって、結果仕事を創出することになるのです。これが、一定の形ある商材であれば、それを変形して売ることも、半分にして売ることもできないのですが、我々はその可能性は実に広範かつ多様で、クライアントの課題や自分の想いを掛け合わせて適切な提案をしていける、その起点は全て「営業」という職種から生み出されるのです。

こうしたゼロをイチにするという意味において、営業こそが一番クリエイティブであるべきだとすれば、結果ばかりで評価されがちで、正解さえ無い難しい仕事も、楽しみや醍醐味に溢れていると感じるわけです。こうして仕事を創り、クリエイターたちがそこでそれぞれの力を発揮してカタチを創っていく。こんな仕事のスタイルが自分は好きだし楽しいので、振り返ってみると30年にも亘って営業という職種を続けてこられたのではと思います。

大変だし、結果をもたらすのはもっと大変。でも、営業こそクリエイティブであると、少し視点を変えてみると、明日の営業活動も景色が変わるかも知れませんね。

心の洗濯、でもないけど

心の洗濯、でもないけど

行こう行こうと思っていてなかなか実現できずにいましたが、ようやくということで、行ってきました!川村美術館。

 

結論、素晴らしい!

 

もっと早く行けばよかったと思うほどで、久しぶりに右脳がウルウルの1日でした。話しが前後するようですが、ご存知の通りここはDIC株式会社が収集、運営をする、正式名称もDIC川村美術館と称する企業が母体の民間美術館です。

https://kawamura-museum.dic.co.jp/

自身は絵画の鑑賞方法も、作品の見方も知っているわけではないのですが、そんな向きでもまずはこの環境に感銘を受けるはず。いい意味で周囲とは一線を画すように計画的に整備された(であろう)庭園、里山、ビオトープなどを含んだ敷地に一旦入ると、人の営みやインフラといった日常的な風景や建造物が目に入ってくることはありません。伊勢神宮にしても足立美術館にしても、一旦敷地内に足を踏み入れると、そこから日常を想起させるものが目に入らないようデザインされているけど、思想は同様だと感じさせます。

本丸の美術館の建築も素晴らしく、外観デザインや外壁の色や素材は、敷地全体のランドスケープデザインを損なわないものであるのは言うまでもなく、館内の随所に取られた大窓からのぞく庭は、まさに借景。もとい、最初から借景にすべく大窓を設けたであろうし、庭の側にしてもやはり最初から借景にするべく造成された意図がひしひしと伝わり、何と言うのか建築家の息遣いや眼差しといった温もりさえ感じるほどです。

そして、敷地内の里山がまたスゴい。行ったその日は最高気温が35度を超える猛暑日でしたが、散策がてら里山に入った途端、体感でマイナス5度くらいかな、吹き抜ける風とともにグっと涼しくなり、汗も引くほど。まあこれは里山の効能の1つで、この里山のチカラではあるのだけど、この里山はその周辺に点在するビオトープを含め、美術館に入館しなければ「市民の公園」として無料で入ることができ、誰もが身近に自然を感じられるようになっていることがスゴいことで、これを一民間企業がやっているということに頭の下がる思いです。

 

肝心の美術館も少しだけ。常設展での誰もが知る「あの絵」、「あの作家」が点在しているのですが、何と言ってもロスコ・ルームでしょう、ここのハイライトは。

我が愛読作家である高村薫先生の「太陽を曳く馬」の装丁にも使われたマーク・ロスコの本物は、圧倒的迫力をもって迫ってきます。深いこと、難しいこと考えず、ただロスコ・ルームに入ればいいのです。誰もが本物だけが放つ神々しいオーラに魅せられること、請け合います。何十年も前にMOMAで初めて見たロスコ以来の感動で、しばし時間を忘れて部屋の居心地の良さと相俟ってロスコ・ルームに佇んでしまいました。もちろん、これ以外にも常設展、企画展ともに盛りだくさんなので、純粋に美術館として入場しても満足度は十分高く、お腹いっぱいになるはずです。

 

語るべきことはこれ以外にも多々あるでしょうし、コレクションを深掘りすればキリがありませんが、感心するのは、というよりも考えさせられたのは、この施設の在り様ということでしょうか。

設立したその時に意図していたかは不明ですが、名称こそ美術館と称しているものの、ここは企業の一市民としての在り様というのか、社会の公器としての企業や市民としての企業(法人)が「調和」と「責任」という文脈で見事に表現された施設だと思うのです。美術館のwebサイトでは“作品、建築、自然の三要素が調和された”と書かれていますが、それ以上の大きな枠組みとしての、環境との調和、社会との調和、未来との調和を感じることができ、SDG’sやCSRといった言葉さえなかった設立時にすでに、多様な価値観を社会と共に調和させた企業の在り様を実現し、それを継続することが企業の責任であると体現しているようです。

不遜かつ月並みな言い方ですが、賞賛に値する企業活動だと感じました。と同時に、果たしてどれくらい稼げばこんなことできるんだろう?とレベルの低い勘繰りも頭をよぎるなど、いろんなことを考えさせられた暑い暑い夏の午後でした。

 

敷地内の飲食店が原則予約制なのと、周辺に食べる所が無いのが玉に瑕ですが、場所も成田空港の少し手前と、週末のショートトリップにちょうど良い距離感で、おススメです。

2022/08/10

広告会社ですがスペースデザインは得意分野です!!

広告会社ですがスペースデザインは得意分野です!!

当社の業務領域は、かなりの広範囲を網羅しています。中でも「スペースデザイン」と称して展開している内装の企画、設計、施工事業については、「こんなこともやるの?」や「どうしてやってるの?」といった声をいただくことが多々あります。

たしかに、広告会社(またはそれに類する会社)がなぜ内装の設計や施工を?という疑問はその通りなのですが、私たちとしては違和感なく守備範囲の1つとして受託しています。

なぜ自分たちにとって違和感が薄いかということは、なぜ広告会社である当社がそれを請け負っているか、の理由にも関係するので、今回は「スペースデザイン」について少しお話ししようと思います。

私たちの主業でもある企業のインターナルブランディングやブランドコミュニケーション、そしてその先にある成果としてのブランド構築は、1つの側面を1つのツールで1つの表現で、といった単一的かつ散発的なアプローチによって完成されるわけではなく、複数の手段で適切なコンテンツを様々組み合わせて継続的に投下することが肝要であると思っています。

例えば、ある商品やサービスを特定のターゲットにリーチさせようとする場合、単純にテレビでCMを出稿するだけでは効果は限定的で、認知から購買という結果につなげるためには、雑誌やニュースで取り上げてもらうようなパブリシティ獲得、webコンテンツによる理解促進、モニターを募集して体験してもらうUXなど、複合的なコミュニケーションを遂行する必要があるのは言うまでもありません。

いわゆる昔から言われている、メディアミックスという言葉を聞くと分かると思います。

細かい点は別として企業ブランドの構築も、基本的には同じメカニズムで作用します。
前段の例を見ると少しイメージしやすくなったと思いますが、スペースデザインという内装や立体造形物もブランド構築をする上で欠かせない手段やコンテンツ、つまりミックスすべきメディアの1つであるのです。

展示会もしかり、その商品やサービスを販売する店舗も、体験できるショールームも、B2B企業であれば来客をお迎えするオフィスやエントランスなど、例を挙げると、立体的なコンテンツ(造形物)によってブランド醸成が成されることがあると理解できるはずです。

皆さんもクライアントや仕入先のオフィスに出向くことがあると思いますが、そんな時に、エントランスのデザインが特徴的であったり、それまで何となく抱いていた企業のトーン&マナーがオフィスに落とし込まれていたりすると、なるほどと腑に落ちたり、見事だなあと感心したりすることもあるはずです。

まさにこれが「ブランド体験」と言えるわけですが、この身をもって感じる「体験」は、紙やwebや映像といった平面的な手法やコンテンツよりも、立体造形物という物質を伴うがゆえにより直接的な実感や好意醸成を促進するとも考えられ、当社がスペースデザインをブランド構築とシームレスな1つ線でつなげて捉えている理由も、こうしたところにあるのです。

こうしたニーズは当然ながらクライアント側にも強くあり、特に働き方が変わったことによる新しいオフィスへのリノベーション、リモートワークなどで低下しつつある従業員のエンゲージメントやコミュニケーションを活性化させるために社員食堂を考え直したりといった動きは、ここ数年多くの企業で見られています。

さらにこうした活動や会社側の考えを、当社がサポートしている社内報においてはコンテンツにして社内に共有したり、映像で配信したり、サーベイの場にすることができるという意味においても、当社の主業でもあるブランディングという業務とスペースデザインの業務は関係の深い話しであるのです。

もっともこの取り組み自体はまったく新しい話しでもないので、これを機会に「平面的な施策×立体的な造形物」をそれぞれ個別に考えず、シームレスにつながっていることだと再認識し、コミュニケーションやブランディングのアプローチを社内でディスカッションしてみてはいかがでしょうか。

今後の新しい取り組みや、課題の発見があるかも知れませんね。

効くインターナルコミュニケーション?

効くインターナルコミュニケーション?

りえぞん企画では、数多くの企業のインターナルブランディングやコミュニケーションの支援をしていますが、コロナ禍以降の”変化の時代”3年目に入ろうとしている現在、クライアント各社が解決を迫られている様々な課題を抱えていることを目の当たりにし、それらの具体的な相談を受けています。

言うまでも無く、それらは「新しい働き方に沿ったもの」で、多くはこれまでニーズはありながらもなかなか具体化できなかった、潜在的な課題であったりもします。

例えば、コミュニケーションしやすいオフィスのレイアウトは?リモートワークに適したオフィスの在り方は?といった物理的・スペース的なご相談もあれば、物心共に遠くなる従業員同士の距離を縮めるためのインターナル施策や、ライブ配信やウェビナーといった営業支援的なことも含め、新しい時代に則した企業の社内外コミュニケーションの在り方を模索されているのが、クライアントの皆様の声から見て取ることができます。

これまで以上に相談を受ける機会が増え、とりわけ変わったなと感じるのが、インターナルコミュニケーションに対する企業側の意識です。

意識が変わることや問い合わせが増えた理由はとてもシンプルな構造で、先の「働き方が変わったことに伴う社内コミュニケーションの在り方」を模索するゆえではありますが、悩ましいことや相談を受ける内容は、新たにツールを取り揃えることや、情報インフラの整備だけに留まらない、もっと本質的なモノコトが多いと言えます。

すなわち、どんなコンテンツを届けるべきなのかということに加え、これを機にツール発刊の意義を再確認し、場合によっては再定義しようといったことです。

意義とはつまり、何のためにツールや社内報を発刊しているのか?誰に向けたコンテンツなのか?発刊によって何を得るのか?といった極めて基本的かつエッセンシャルなことです。もちろんこれには良し悪しや正解は無いと思っています。

そうした尺度で測るものではありませんし、各社それぞれが定義し、それに則った何らかの編集方針といったものに沿って企画と制作をしていくことですので、各社の個性が現れるところです。

それらはこのサイト「社内報ラボ」内の「社内報コラム」に多くの読み物として上がっていますので、読者の皆さまにおかれましては改めて読んでいただけると、確かに!そうだな!と腹落ちすることも多いと想像します。

 

私たちも当然ですが仕事をしている中で、各社の社内報の意義や目的に触れたり垣間見たりすることがあるのですが、そうした中でも私が個人的に嬉しく、思わず胸アツになる瞬間があります。

それは「家族からの声」です。もちろん、「私の家族の声」ではありません。

社内報の一義的な読者であるクライアントの従業員の「ご家族」からの声です。離れて暮らすお子さんの仕事ぶりを社内報で知り、その感想やお礼のお便りであったり、社内報を通じて家族の働く会社がどんな会社かを知り、安心できたという声。そんな文面を見ると、とても暖かい気持ちになり、希薄になりがちな人と人との絆のようなものを思い出し、自分たちの仕事は「企業と人の想いを伝える仕事」であると誇らしく感じるものです。

社内報を発刊する意義は、従業員向けのエンゲージメント向上のためや、経営メッセージを社内に周知することであることは、当然で真っ当と言えます。一方で、その先にはそれを楽しみにしている「家族」という読者がいるのも事実で、それをちゃんと意識して発刊している企業も多くあります。社内報を作るというルーティンの仕事はどうしても近視眼的にモノゴトを捉えがちになり、ともすると即効性ばかりを追求しがちですが、少し俯瞰的な見方をすれば、間接的で悠長に見える「家族も読める社内報」は、想いを浸透させていく行為やブランディングというingを組織に根付かせていくための、確実なアプローチなのかも知れません。

企業には多くのステークホルダーが存在しますが、ともすると後回しになりがちな「従業員の家族」というステークホルダーまでを味方にできた企業は、結果として社会と融合し、社会に愛される存在になるのかも知れません。社内報の1コーナーに家族を意識したコンテンツを設けること、私としては是非オススメしたいと思います。ご家族にも効き、その声を聞ける従業員にもきっと効きます。

→合わせて読みたいおすすめ記事はこちら
■家族にも読んでもらえる社内報のネタ24選【前編】

■家族にも読んでもらえる社内報のネタ24選【後編】

2022/06/28

「乗れてるオヤジ」再始動(の準備)

「乗れてるオヤジ」再始動(の準備)

1回目のブログで、無趣味な自分を自覚し改めてバイクに乗ってみるか!?と書きましたが、まずは第一歩!ということで、早速乗りに行って来ました。久しく乗っていなかったので、いきなり公道でツーリングなんて、さすがにハードルが高すぎると思い、何かないかな~と物色していたところ、ありました!楽しそうなヤツが。

その名もドゥカティ・ライディング・エクスペリエンス(略称DRE)。

イタリアのバイクメーカー、ドゥカティ社が主催する、最新モデルを使ったスキル向上のトレーニングや実用的なレッスンが受けられる、言わば皆さんも最近耳にするユーザー・エクスペリエンス(UX)という類のイベントです。UXを通じてブランドの世界観を体感してもらい、ブランドアウェアネスやロイヤリティを向上させようというブランディングの1つの手法で、最近では広く認知され効果も高いと評価されています。内容を見るとゴリゴリの体育会系イベントではなさそうなので、「乗れてるオヤジ」の準備編として打ってつけのような気がしたので行って来ました。

会場は大磯プリンスホテルの大駐車場。モータージャーナリストを対象にしたクルマやバイクの試乗会を開催する場としてポピュラーですが、業界外の人間にとってはここを走ることさえレアケース。それを実際に目の当たりにし、当日のドピーカンな天気と海が加わって、乗る前から気分サイコーのアゲアゲで鼻血が出る寸前でイベントがスタート。

結論。素晴らしいの一言!

ドゥカティ公認インストラクターによる的確なアドバイスはもちろん、パイロンスラローム走行から、濡れた路面でのフルブレーキといったクローズドコースならではのレッスンから、果ては西湘パイパスの走行を含む公道での試乗までと、「もぉー、音サイコー、においサイコー、バイク最高だぜ~」とその楽しさを再認識。ドゥカティのアイデンティティでもあるツインエンジンの鼓動は、以前よりおとなしくなった印象はあるものの、最新モデルは非常に軽くて乗りやすく、そして圧倒的な安心感があり、すっかり虜になった次第。

会場

今回のパートナー

 

さて。実は今回このイベントに参加しようと思ったのは、リターンライダーの肩慣らしという目的があるのはもちろんですが、もう1つの側面もありました。それは、先にも書いたUXです。私たちは、仕事としてUXを通じてクライアントの課題を解決していくことが今後大いに考えられるわけです。

それにあたって自分も一度は体験しておきたいという想いと、世界中で展開されているグローバルブランドのUXとはどのようなものなのか、半分は勉強したいという観点で参加してみようと思ったわけです。

結論。これまた素晴らしい、もといブラーヴォなブランド体験でした。

会場のデコレーション、ラウンジでのブランディングや終日に亘るフリーフロー(当然ノンアルですよ)や軽食のケータリング、ドゥカティ社スタッフ(ジャパンの社長含む)を交えてのイタリアンランチと、ホスピタリティ面で抜かりなし。レッスンの面でも参加者数を20名に絞り、半々にチーム分けして、つまり10名ずつの少数レッスンなので濃密なライディングが味わえ、最後はレッスン修了のディプロマまで発行されるという、極めて高い満足度。ライディングという体験とホスピタリティのバランスが絶妙にデザインされていて、ブランディングとしてはただただ脱帽するほかない出色のイベントでした。

ラウンジのブランドプレゼンテーション

会場デコレーション

イタリアンランチ

修了ディプロマ

そんな充実の1日を終え、当然ですがドゥカティ、すっかり好きになってしまいました。帰り際に危うく購入のサインをしちゃうのでは?と自分が心配になりましたが、その場の商談のようなものは一切なし。追って営業攻勢か?という野暮な想像も、今のところ(イベント後1カ月以上経過)売り込みのメール1本、電話1本ないスマートさ。こういう割り切ったブランディング、とても勉強になります。

あー、ドゥカティ欲しい!!の脳内リフレインが止まない。

2022/06/13

りえぞん企画の強みってなんだろう?

りえぞん企画の強みってなんだろう?

先日のブログでは、当社がこれまで営業を行う過程で多様なサービスラインナップを取り揃えることが功罪両方あると感じたと書きましたが、本日はその続きを書いてみようと思います。

多くのサービスを提供できること自体に直接的な実害は無いのですが、ここでむしろ問題と感じたのは、クライアントからは「いろいろできるのは良いのだけど、結局のところ何に強いの?」と、いわゆる特徴に乏しく記憶にも残りにくい会社に見えているということでした。

例えば新規営業開拓のアポイントの際も、何を売りたいのかが分かりにくいため端的なトークができなかったり、いざ訪問という段階でも、キラーワードと信じていた「どんな仕事でも対応できます」が、結局のところ相手にとっては雲を掴むような話しで、なかなか受注に至らなかったり、仕事を獲得した場合でも、クライアントが私たちの何に期待をして発注されたのか実感に乏しいことも多々ありました。

MBO後はとにもかくにも赤字を出さない一心で仕事を獲るために幅を広げることを意識して活動してきましたが、ちょっとしたきっかけで踊り場というフェイズに立ってみると、少し冷静になって自らをレビューすることができるものです。

それは「仕事を獲ることが目的?」「自分たちは何者なのか?」「何が強みと言えるのか?」ということを考えさせられる良い機会にもなります。

私たちの生い立ち、創業以来やってきた仕事、競合他社との違い、失敗体験と成功体験、クライアントにご提供できたであろう価値、マーケット分析、社内外のリソース、MBO実施の理由など、これまで触れてこなかったようなジャンルも含めて多岐にわたる思考を巡らせて、自分たちを見つめ直すというのは億劫で面倒な反面、なかなか得難い機会でもありました。

もちろんこうした機会を作ることで「私たちが何者で、何が強いのか」を生み出せるわけでも手に入れられるわけでもありません。

たとえ今この瞬間に「これだ!」と言えるものが無くとも、これからどこに向かうべきか、そこを目指すためにどう活動していくかを定めることができれば、実はこれこそが自分たちを自分たちたらしめる活動そのものであるとも言えるのです。まさに、自社の“見えないアセット”を作っていく活動ですね。

私たちも例外ではありませんでした。少々遠回りをした感はありますが、祖業である丸紅の社内報とグループ報を作るという仕事は、単純に定期刊行物を制作するというだけではありません。

その根底にある働く人の想いや願い、時には祈りに近いものが脈々と流れていることを理解し、その想いをカタチにし、当社の社名の意味である「つなぐ」という、我々にしかできない非常に誇りのある仕事を任されていることに気づかされることとなりました。

この「つなぐ」仕事をさらに深掘りして磨きをかけることが「私たちの強みになるかも知れない」と改めて思い至ったのです。

私としては「これを強みにしたい」と願って今も日々活動をしている最中(ing)であるという意味において、今なお自分たちの強みを勝ち取る過程にあるというのが実情かなと感じています。こうした活動を何年か続けてきたことによって、「社内報をハブとしたインターナルブランディング」や「B2B企業に寄り添った最適な企業コミュニケーションをデザインする」という私たちの考え方が、取引先の皆さんとの会話の中でも、ある程度形作られてきたと実感することもあります。

手に取ることができない企業イメージや企業の強みという“見えないアセット”は一朝一夕には構築されるものではありません。
本当は他者から評価されて初めて「強みができた!」「特徴がある」と言えるものだとすれば、私たちも外部から評価を得られるよう、現状に満足せず日々ingで仕事をしていかねばと想いを新たにする今日この頃です。

2022/05/24

りえぞん企画とは

りえぞん企画とは

テーマとして掲げてはみたものの、実はとても難しいテーマで、どこから何を書くべきか決めあぐねているのが正直なところです。

当社のアウトラインや何ができる会社なのか?はコーポレートサイトやオウンドメディア「社内報ラボ」にも記載がある通りですが、30年を超える当社の社歴の中での一番大きなトピックは、やはり2006年のMBOでした。
それを避けて今の当社は語れないほどの「変化」でしたので、このブログではそんな辺りに触れて書いてみようと思います。

丸紅株式会社からMBOを実施して以降、最初に着手したのは営業体制の強化でした。

それまで、丸紅および丸紅グループの仕事が大半を占めていましたので、グループ以外の仕事を増やしていくための当然の第一歩でしたが、これが言うは易しで覚悟はしていたつもりでも、実際にやるとなるとかなりカロリーの高い取り組みでした。

外向け(丸紅グループ外の意)に営業するために必要な会社案内や実績集、コーポレートサイトを取り揃えるのはもちろんのこと、一番は営業する体制の整備でした。
新たに人材を採用し、売り物を作り、営業先のリストを作り、という目に見える整備に加え、これまでとは違う仕入先の開拓や、当社とより近い関係で協働していただくパートナーと称した企業やフリーランスの方々との取り組み、そして人材のマインドセットを変えていくことなど、手に取ることのできない目に見えないアセットも同時に構築する必要があり、「営業する」ことの大変さを身をもって実感した時間でした。

もちろん、現在も私自身「営業」が一番難しい仕事だと思っていますし、これでよしという終わりも無いとは思っていますが・・・。

一般的に民間企業において「営業する」という行為、殊に新しいクライアントを獲得するためには、死に物狂いは今の時代言い過ぎかも知れませんが、必死に知恵を絞って汗をかいているわけですが、MBO前までの当社は本当の意味で厳しい営業をやってきたわけではありませんでした。

正確にはやる必要がなかったということであり、いかに丸紅グループという恵まれた環境にいたかということも改めて知ることができました。

そして外に営業をしていくと、提供できるサービスの幅を広げる必要があると思わされる場面にも多く遭遇します。

「こんなことできますか?」「こんなことで困っているのだけど」というクライアントの声は、言うまでもなく新しい仕事のチャンスでもあり、それを見過ごすわけにもいきません。

今思えば、背伸びして獲った仕事や根拠に乏しい提案も結構ありましたし、受注後に慌てて体制を整えることもしばしばで、危うい状況もありました。

足元が万全に固まってから動き出すのでなく、走りながら整理をしていくことで、それが会社にとってのスタンダード=定番のサービスに根付くことも多く、これらの経験から仕上がり60%で走り出すことは決して悪くないという教訓も得ました。

こうした試行錯誤や失敗をいくつも繰り返した結果、現在につながる多くのサービスラインナップを取り揃えることができ、企業コミュニケーションの課題をワンストップで提供できるようになって参りました。

これはMBOというある意味退路を断った決断に因るところもあったわけですが、営業をしていくうちに、経営をしていくうちに、この多様なサービスラインナップには功罪両方あるものだと感じることもあります。

この辺りの話にはもう少し紙幅が必要なので、また別の機会で書いてみたいと思います。

ブログを始めるにあたり~自己紹介~

ブログを始めるにあたり~自己紹介~

みなさんはじめまして!

2022年1月にりえぞん企画の社長に就任しました西田です。過去12年に亘って代表取締役専務という立場で、経営に加えて会社のあらゆること(主には雑用ですが(笑))に関わってきましたので、社長になって仕事内容や果たすべき責任が劇的に変わったかというと、実はそれほどでもありません。それでも、新たな仕事の1つに、自分の考えや想いを伝える努力をするというものがあります。例えば社内に向けて『私の想いや、やりたいことが伝わってないの?』といった姿勢は、本当は無責任で身勝手な振る舞いであると感じています。伝えているつもりでも伝わっていないことは、会社の中以外でも多くあるわけで、あえて意識をして継続的に発信する必要があると考えています。

 

このブログを始める理由もここにあります。純粋に社会に当社の存在を知っていただくためだけでなく、数多くの取引先の皆様にとっては「顔の見えない会社」になっていないかという懸念もあり、『どんな社長なんだろう?』『どんな想いを抱いている人なんだろう?』といったことを明文化して知っていただき、信頼して仕事を任せてもらえる会社を目指したいと思っています。とは言え、毎度毎度堅苦しい仕事的な話しばかりでは書く方読む方も息が詰まると思いますので、ユルい話しも交えながら「ほど良いバランス」を目指して書いていきたいと思います。

 

斯くいう私の自己紹介ですが、1991年にディスプレイ業界の営業として社会に出たのを振り出しに、途中寄り道や起業やらを経て2000年に当社に入社しました。社会人生活は1991年からなので、早30年超。時はバブル崩壊の真っ只中で、先輩たちの生き方と夜の街の片隅にバブルの残り香だけを嗅げたものの、結局のところ右肩上がりの経済成長を経験することなく50歳も半ばを迎えた、人数だけは多いバブル入社組。

そうです、バブル入社組も50代半ばを迎え、引退の文字もちらつき始めるこの頃、優秀な就職氷河期世代やZ世代、もとい子ども世代に押されながらも、そろそろ本気出さないと、と思っています。

さて、これという趣味や特技も無いわたくしですが、自分でも驚くのが今年で7年続いているスポーツクラブ通い。往々にしてスポーツクラブなど中高年が会員の大半を占めているゆえ、私がその一人であるのは当然かも知れませんが、まさか7年も続くとは思いませんでした。学生時代、部活の練習はどうやったらサボれるか?しか考えてこなかった私が7年に亘って筋トレに加え、スタジオの有酸素プログラムからパーソナルトレーニング、果てはヨガまで!

別に若く見られたいわけでも、動ける体を維持したいわけでもないのですが、スタジオプログラムで気が遠くなるほど自分を追い込みながら、私は一体何になるんだ?と自問をしながら、結局は週末になると通ってしまうという日々。

ある時何でこんなに続くんだろ?と40年来の友人に熱っぽく語ったところ、ヘラヘラ笑いながら言われた「ヒマなんじゃね?」の即レスが一番腹落ちしたわけです。そう、結局わたしはヒマなんだと分かった。よし、ヒマなオッサンと言われないため、久しぶりにバイクを復活させよう。そして「乗れてるオヤジ」をもう一度!と思いを馳せる今日この頃です。

でもバイクを復活させてももう1つの週末ルーティン、洗濯とトイレ掃除とアイロンを済ませた後で出発、は言うまでもありません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。今後もブログは長く続けていきたいと思いますので、是非お付き合いください。